第5話俺をなめるなよ

第5話


「はぁ今日は体育か」


俺はそう言いながらため息をついた。.


運動得意じゃないから少し憂鬱になる。


だけど、毎度のことながら、明日は金曜日だから少しほっとする。


「あ、じゃあ今日は体育だから着替えたら校庭に集合だ」


「はーい」


同じクラスの生徒達はだるそうにいつものことながら返事をする。


そして俺は体操服に着替えて言われた通り、校庭に向かった。


「今日は 100メートル 走をやる」


女子から順番に100メートルを走ってもらう。



「なぁなぁ誰が一女子の中で体操着が似合うと思う」



おく の方かな、そんな男子トークが聞こえてくる。


「あ!ティーナさんが走るみたいだぞ!」


俺はティーナの方を見た。


「 よーいスタート!」


(バン!)


ティーナはものすごいスピードで走り抜けていく。


俺はティーナの走るスピードを見て、ものすごく驚いた。


「え!!!ティーナ俺より 全然走るスピード早いじゃないか!」


「次、男子陸 いけ!」


先生は俺の方を見ながらそう言った。



「 よーいスタート!」」


(バン!)


俺は走るがすぐに息が上がってしまう。


そもそも普段ラノベとゲームとアニメしか見ていない俺が走れるわけないだろう。


俺は息切れをしながらゴールにたどり着いた。


「それじゃあ、戻っていいぞ」


「はい」


俺は息切れをしながらそう返事をした。


俺は元の場所に座った。


俺が少し顔を上げると目の前にいるティーナと目が合った。


ティーナは汗をかいていて、少し息が上がっているようだった。


そして俺はクラスに戻った。



「りく…の机…大変…なことに…なって…るよ!」


「りく…の机…大変…なことに…なって…るよ!」


ティーナ驚いた表情でそう言った。


俺がその机を見てみると、机にもスプレーのようなもので、落書きがされていた。


多分また雲雀だな。


この前の復讐か。



俺は机の下に入っている手紙を 取り出した。



そこにはこう書かれていた。


お前の泣き顔を、今度こそ見てやる。


そんなお前にかわいそうだから集合場所を選ばせてやる。



時間も自由に選ばせてやる。



俺はその果たし状もどきの文章を読んで思わずこう思ってしまった。


やっぱこいつ頭狂ってる。


「りく… 大丈夫?」


ティーナは 心配そうな顔をしながらそう言った。


「私…よくわか…んないけど…ちゃんと…話し合う…べき…だと思う」


「ああ、そうだなティーナの言う通りだ」


とはいえ、せっかく集合場所を選ばせてくれる権利をくれたんだ、 有効に使わない手はないだろう。


俺はしばらく考えたそうだ、あそこがいい!


そして、しばらくして。



また、男の雲雀の親衛隊がクラスに来た。


「決まったか」



俺は一時間後約束通り、その場所に向かった。


「ようよく 逃げずに来れたな褒めてやる」


「逃げるつもりはなかったんで」


「そうかそれが最後のセリフになんないといいな」


「何を言うのかをしてるんだよ!」


俺はそう言われながら、いつものように容赦なく殴られた。


(ボコボコボコ!)


俺は殴られているにも関わらず、こう思ってしまった。


ああ、やっぱこいつら本当に頭がおかしい奴だ。


「おら!何とか言ってみろよ!」


しばらくすると遠くの方から 足音が聞こえてくる。


「お前あと1時間クラスのやつは 戻ってこないんじゃなかったのかよ!」


雲雀は声を荒げながら 俺にそう言った。


「わざわざ的に本当のことを話す、馬鹿な奴がいると思いますか?」


俺は余裕な意味を浮かべながら、そう言った。


「お前!」


雲雀は俺の胸倉を掴みながら拳を握る。


俺は喧嘩で勝つことはできないかもしれないけど周りを利用して勝つことはできる!


最後に勝つのは その状況を利用できるやつだ。


そもそもここを集合場所に選んだのは噂話が好きな女子が多いからだ。


そう、つまり!俺が殴られているという事実さえあればよかった。


あとは女子とその周りにいるやつらが勝手に噂を広めてくれるからだ。


その瞬間 俺の勝利は確定するから。


学校の中だけで言えば、噂話はどのSNSよりも強力な武器だ。


「いいんですか殴ったりして 退学になりますよ!」


「今までは隠れて俺をいじめることができたかもしれませんが、これだけ人がいたら無理ですよね」


俺はわざと周りに聞こえるように大きな声で言った。


それと同時に俺はわざと煽るようにそう言った。


頼む、これで引き下がってくれ!


俺は心の中でそう思った。



「ちょっとちょっとあなた達一体何があったの!」


近くでその状況を見ていた先生は慌てて止めに入る、


「ちょっとちょっとあなた達一体何があったの!」


先生がもう一度そう言った。


「なになに雲雀くんと陸が喧嘩?」



「それにしても一方的に雲雀くんが陸を殴ってるように見えたけど!」


その状況を見ていた周りの生徒たちは、早速噂話を始めた。


よし、狙い通りだ!


俺は先生に事情を説明した。


俺は先生に事情を説明した。


そして、周りにいる生徒達はさらに話を続ける。


「っていうことは今まで 表ではいい顔してたけ 裏では陸くを いじめてたってことだよね」


そして、その話は 1日で 全クラスに回った。


俺は先生との 話し合いを終えて 教室に戻ると。


クラスメート達が俺の前に立っていた。



「陸今まで悪かったお前の話を聞かずに、雲雀の言葉を信じたり、なんかして」


「私もごめんね」


クラスのみんなが口ぐちにそう言った。


「いいよもう俺そんなに気にしてないし」


ティーナお前が俺の背中を押してくれなかったらきっと一生このままだった。


俺は心の中でそう思った。


そして俺はいつものように席に座った。


『ありがとうティーナ 俺の背中を押してくれて』


『違うよ、その結果が手に入ったのはりくが頑張ったからだよ』


『でも絶対にティーナに背中を押してもらえなかったら話し合いに行こうとも思わなかったし』


『何より俺はそのまま無視してたかもしれない』


まあ、話し合いというより作戦を立ててその作戦を実行しに行った というほうが正しいのかもしれない。

 

『陸がそれで勇気を出してくれたんだったらよかった』


「なあなあ陸と ティーナちゃん で付き合ってたりすんの?」


俺はその言葉に思わず動揺してしまった。


「それ、俺も気になる」


「私も」


「私も」


「俺も」


クラスの女子達全員いや、クラスのやつらが全員俺にそう聞いてきた。


「いや、違う!」


「じゃあ、何でそんなに顔が赤くなってんだよ」


「ねぇねぇりく…この…人達…今なんて…言ったの?」


「ティーナは知らなくて大丈夫だから、気にしないでくれ!」


俺がそう言うと今までスマホをいじっていた右隣に座っている女子生徒が、ティーナに向かってこう言った。


『りく、くんはティーナちゃんのことが好きなのかどうか聞いてみたんだよ』


ティーナはその言葉を聞いた瞬間一気に顔が真っ赤になった。


なんでこういう時だけ、スマホアプリで英語調べてからティーナに言うんだよ。


俺は心の中でなんとも言えない感情に襲われていた。


どうすればいいんだよ、この状況。


面白かったら 星3つ つまらなかったら 星一つ 正直に感じた気持ちでもちろん 大丈夫です。


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