第1話 イギリスから来た美少女転校生
あれから3年後。
5月1日こんな中途半端な時期にこのクラスに転校してくる生徒がいるらしい?
俺はそんなことを気にせず授業の内容を聞き流しながらぼーっとしていた。
俺はこのクラスで浮きまくっているいわゆるインキャというやつだ。
俺、
「それじゃあ、入ってきていいよ」
「はい」
そう返事をしながら1人の女の子がクラスの中に入ってきた。
そして、その女の子は黒板の前に立った。
その女の子は片言ながらに挨拶をする。
「はじめ…ましてイギリスから…きました」
「私の…名前はアリスティーナですイギリスから…きました」
そう、この子が転校生しかも外国人のとびきりの美少女。
透き通るような綺麗な金髪のロングヘア。
目は涼しげなラピスラズリのような綺麗な青色の目だった。
その子の肌の色は イギリス人独特の透き通るような 綺麗な白い肌だった。
大人びた中にも少しあどけなさが残る日本人好みの
制服を着ていることで恐らく更に強調されている大きな胸。
「それじゃあアリスさんの席は兵藤くんの隣の席ね」
先生は分かるように俺の隣の席を指差して、そういった。
「はい」
「よろ…しく……」
「俺の名前は兵藤陸」
「ひょどりく?」
「ああ!多分、呼びにくいと思うからりくでいいよ」
「それ…じゃあこれから……よろしく…ねりく」
「ああ、よろしく」
「私…タメ口の…方が…聞き取り…やすいから…私のこと…ティーナ…てよんで」
「わかった、そうする。よろしくな、ティーナ」
「よろ…しくりく」
俺とティーナがそう言いながら握手をしていると周りの男子達から、殺意がこもった目線が飛んでくる。
あいつごときが!!!ティーナちゃんの手を!
「ねーねーティーナちゃんなんでこの学校に来た」
「どうしてこの学校に来たの!!!」
「こら、そんなにまくし立てるんしゃないの!ティーナさん困ってるでしょう」
先生が質問攻めをしている生徒たちをなだめる。
「はーい」
俺がトイレから戻ってくるとティーナの席にたくさんの男子生徒と面白そうだと群がる女子生徒がいた。
「いいねティーナちゃんてよんでいい?」
「俺のことはお兄ちゃんって呼んでね!」
「ごめん…なさいまだ…日本語…わからない」
ティーナはその言葉を繰り返していた。
質問責めされているティーナの表情は今にも泣きそうな顔をしていた。
このまま放っておくわけにもいかないよなぁ。
しょうがない、こんな形で数少ない俺の特技を発表することになるなんてなぁ。
俺は英語がでティーナにこういった。
『ティーナ俺がなんとかするから、怒る演技をしてもらっていいか?』
『あ!うん』
『これでいいの!!!?』
『うん、それでいい』
「おいおい、ティーナいくらなんでもこいつらが、英語わかんないからってそんな事言うなよう」
俺が日本語でこう言っておけば英語が理解できないクラスメートたちはティーナが質問攻めなのに対してめちゃくちゃ怒ってるように見えるだろう。
実際はただ、普通に会話をしているだけなのだが。
「え!ティーナさんそんなに怒ってるのか!」
「あー、大分だからしばらく声をかけない方がいいと思う」
「そうだったのか、ごめんな俺達ティーナさんのことをいろいろ知りたかっただけなんだよ」
ティーナはこの人達何言ってるのと言わんばかりに俺の顔を見た。
『質問攻めして悪かったってさ』
『皆さん、気にしてください私に話しかけてくれてありがとうございます』
「話しかけてきてくれてありがとうだって」
「本当か俺たちのことは怒ってないのか?」
「ああちょっと一気に話しかけられてびっくりしただけだって」
「よかった」
「それより、お前すげえな!」
「ほんとあんなに英語をペラペラ喋るなんてすごいね」
「いやそんなことは」
そして、しばらくして。
俺が廊下を通っていると1人の男子生徒がわざと肩をぶつけてきた。
今、俺の前を通ったのは中学の時に俺をいじめていた
「ああ、悪い影が薄くて気づかなかった」
雲雀は俺を煽るようにそう言った。
「そうですか次、気をつけてくださいね」
「余裕こいてんじゃねーよ!!!」
(バシン!)
俺は雲雀に強く頬を殴られた。
「たく、相変わらずお前はむかつくな!」
雲雀はそう言いながら立ち去っていった。
理由は分からないが雲雀は中学の時から俺を嫌っている。
まぁ、とりあえず変に刺激をしないでおこう。
そして俺はクラスに戻り、自分の席に座った。
『そういえばりくって英語喋れたんだね、知らなかったよ』
『まぁ、俺の唯一の特技だからなぁ』
『よかった、英語が喋れる人がいてくれて、この学校に来た時、すごい不安だったけど、りくがいてくれれば安心だ』
『まぁ、こんな俺でいいなら、いつでも助けになるよ』
『ええと、日本語だとこう言うんだっけ?』
「ありが…とう」
「どういたしまして」
「あ!りくほっぺ…のとこ怪我し…てるよ!」
「ああ、これか、さっき階段からちょっと転んじゃって」
こんなベタなセリフを自分で言うなんて思わなかった。
俺がそう言うとティーナは自分の机の横にかけて置いたバッグの中から小さいポーチを取り出した。
ティーナはそのポーチのチャックを開けた。
その中には可愛らしいピンク色のうさぎの絵が書かれた絆創膏がたくさん入っていた。
「私が……付けてあげるね」
「え!いいよ、こんな怪我、なんともないし」
「ダメ…中に…ばい菌が…に入ったら…大変…だから」
俺がティーナに絆創膏を貼ってもらっていると周りの男子生徒達が殺意がこもった目線を俺の方に向けてくる。
「なんであいつばっかり!」
「俺も怪我してティーナちゃんに絆創膏貼ってもらいたい」
周りから小さな声でそんな言葉が聞こえてきた。
「それじゃあ3時間目の授業を始めるぞ」
「今日は理科をやるぞ」
「はーい」
生徒達はだるそうな声で先生にそう返事をした。
数分間、ティーナは教科書を開いたまま難しい顔をしていた。
俺は気になり声をかけた。
「どうしたんだティーナ何かわからない問題といえばあったか?」
「えっと…文字が…読めない…」
「わかった俺の教科書で一緒にやろう」
「ありが…とう」
ティーナは椅子を移動させて俺の真横に来た。
おいおい、いくらなんでも近すぎないか!
俺は少し自分の右腕の方に目線を向けてみるとティーナの胸が少し当たっていた。
「なんでりくの目そんなに…動いてる…の?」
ティーナの胸が当たってるのに動揺して目が泳いでるなんて言えない!
「あっ!何でもないよティーナでも俺そんなに勉強得意なわけじゃないからあんまり期待しないで」
「きっと…りくなら…大……丈夫」
ティーナは笑顔でそう言った。
俺は思わずその笑顔に動揺してしまった。
「顔…真っ赤…だけど…りく大……丈夫?」
「ああ、大丈夫それじゃあ、勉強始めようか」
「うん」
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