第6話 真夏の海の秘密とライブ


日も傾き薄暗くなってきたビーチに3人の人影。


ビキニ姿の女子に向かって、2人の男子が頭を下げてそれぞれ手を差し出す。


何やら必死に喋っているが内容までは聞こえない。


パク「あっ、ヒデ先輩いた!」


ヒデ「シッ!」


パク「何して……ムグッ!」


急いでヒデはパクの口を塞ぐ。


ヒデ「あれ見てみろ!」


パク「リコちゃん居たじゃないですか、早く知らせないと……って、何ですかあれ。」


ヒデ「俺も今来たところだが出て行くタイミングを失って……。」


リコをが辺りを見回し、困ったように2人の手を取って奥に消えて行く。


パク「どうしましょう、ライブあるんですけど……」


ヒデ「これは……いや、こういう形も……しかしリコちゃんそうなのかぁ……俺があそこに入りたかった……いやでも……ブツブツ。」


パク「ヒデ先輩?」


ヒデ「ん?あぁいや、こっちのこと。ライブがあること忘れるような子?リコちゃんって。」


パク「いや、違うと思いますけど……」


ヒデ「青春の邪魔しちゃ悪いし、逆のパターンなら俺でも大歓迎だけど……ここは信じて待ってみるっていうのはどう?」


パク「……まぁ、最悪順番は何とでもなりますけど。ヒデ先輩そういう趣味あるんですね。」


ヒデ「え?興味ない?」


パク「控えめに言ってとても興味がありますね。」


ヒデ パク「「……。」」


2人は秘密を共有することにした。



少し迂回してユリの元へ向かう。


パク「ユリちゃん、ごめんリコちゃん見つからないんだけど……」


ユリ「え?あ、ありがとうございます。ギリギリ帰って来て、リコちゃん今からちょうどステージです。」


2人は顔を見合わせる。


パク「心配しなくて良かったですね。」


ヒデ「あぁ、そうだよな。そう、リコちゃんはそんな子じゃないよ、うん、良かった。さすがにこの短時間じゃ無理だ。良かった。」


ユリが不思議そうな顔をする。


ユリ「何かあったんですか?」


ヒデ「いやいや、こっちのこと。ところでユリちゃんは歌わないの?」


ユリ「ヒデ先輩、私はベーシストですよ。いっぱい練習付き合ったじゃないですか。」


ヒデ「そっか、うん、そうだったよね。」


ユリ「変なのっ。パク先輩もそろそろですからね。」


パク「準備しとくよ。」


リコは何事もなかったかのように歌いステージを終える。


ライブの最後はハナ部長のギターにヒデ部長のベース(この日のためにベースを始めた)パク先輩のドラム、チップさんとサクラ先生のツインボーカルデュオで幕を下ろした。




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