第7話 決着

「よし、君に手がまだあるなら、僕も本気で迎え打


 とう!」


随分と余裕そうだ。


「まぁ、それならこっちも好都合だ!


 人間様の頭脳舐めてもらったら困るぜ!」


と、オルトーはガキくさい言葉を並べながら、


    『分裂‼︎‼︎』


と唱える。すると、オルトーの身体が、少し縮み、


もう一人のオルトーが、現れる。そして、ここから


作戦を遂行する。


よし、始めよう。


オルトーは後ろに下がる。分身は命令しない限り、


動かないようで、止まっている。


オルトーは分身に命令をだす。


(ウィンドを発動してくれ!)


すると、分身が動き、ウィンドを前方に放つ。


「って、さっき君がやってたことを分身くんが


 しただけじゃないか。学習しないなぁ!笑」


ウインドは分裂し、本体は後ろに下がる。


ウィンドは、さっきと同じ動きをし、分身にぶつか


る。分身は消えたが、ウィンドも消える。


「これが考えかい?あのさぁ、君には悪いけど、


 スライムのこと舐めすぎじゃない?多分、


 馬鹿なのは君の方だよ。」


「いや、違うね。」


オルトーはニヤリと笑う。


「だぁかぁら、攻撃できてな、!」


と、声はそこで途切れる。


「うぎゃーー!‼︎‼︎‼︎」


ウインドは宙を舞い、落ちる。


「え?、?え??」


「な、なんで俺はウィンドを食らった?」


「ふふ、君は頭が足りないねぇ、分身が前に出て、


 本体がそのまま突っ立ってるわけないだろ?」


「つまりどう言うこと?」


「だぁかぁら、ww」


先程のウインドの真似をし、


「俺は、俺の分身に命令した後、お前の後ろにまわ


 ったんだ。そして、ウィンドを放った。その後、


 また戻ってきて、お前と話した。」


「けど、君の走ってる音なんて、、、、」


「だから頭よええなぁ、w 俺が走ってる間、


 お前の前には何があった?」


「、そうか!ウインド、、竜巻か!」


「やっとわかったか、そう、竜巻はいわば風と風が


 ぶつかりあってできた風の流れだ。それが前にあ


 って、うるさくないはずがない。そしてお前は調


 子にのって、ベラベラ馬鹿にしてくれたな?


 周りのことも気にせず!


 そんな奴の周りをバレないように走って、魔法


 詠唱なんて、簡単だったなぁ!」


「それで、後ろからウィンドを放ち、君は僕の


 注意を引き、後ろから当てたと、、


 ふーん、まぁまぁやるじゃん、この模擬戦は


 君の勝ちだよ。」


と、オルトーの前に、勝利の文字が出る。


「ともかく俺の勝ち、だけどなんというか今の俺、


 『幼稚』だな。こんな作戦、スライムだから通用


 しただけだ。俺も落ちたもんよ」






、、、オルトー『も』この戦いの反省会で、周りが


見えていなかった。その戦いを見ていた者が2人い


たのにも気づかなかった。


「ほぉ、面白い奴じゃのう。『あれ』を食らって


 まともに思考できるとはな…………ふむ、興味が


沸いた。




 会いに行って見るとするか。」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





「なんと!せっかく私が『優しさ』を込めてあげた


 と言うのに、、、、


 いけませんねぇ、少し失敗しました


 かね?『禁思の呪』は。」

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