第6話 引きこもり、模擬戦をする。

模擬戦が始まると、自分と、ウインドの周りに


色々と表示される。右上には、自分の体力


8/8と表示されている。その左に名前、その上にレ


ベルが表示されている。と、オルトーは気づいた。


「俺のレベルが2?」


そう。オルトーのレベルが2なのである。オルトー


は、ここにきてから少し経つが、一度も戦闘すらし


ていない。要は、総取得経験値0のはずなのだ。


「んー?どうして?カインドさんの寝てる時に戦っ


 たのかな?、、いや、それはないか。」


一度、考えたが、それはないとすぐにわかった。


カインドに、いまのオルトーは勝てるはずがない。


そして、もし勝っていたとしても、経験値がバカに


ならないだろう。これについては、あとで聞こう。


と、いつのまにか、ウインドが行動を始める。


「そっちからこないんなら、僕からいくよ!」


と、スライムがゴニョゴニョなにか呪文のようなも


のを唱え始める。


「空と契約せし風の精霊よ、いま我に力を!

     ウィンド!!!!」



ウインドの方から、小さな竜巻が来る。


あまり大きくはないものの、それは人一人を飛ばす


には、じゅうぶんであった。竜巻がオルトーに直撃


する。


「うおぉお!」


身体が宙に浮き、浮遊感が体を襲う。そしてその2


秒後には、背中に痛みが走る。


「いってぇ、、、いたた、、」


と、背中をさすりながら上を見る.。


「って、やば!」


自分の体力を見ると、1/8になっている。


あと体力は1しかない。もしかしたら、もう魔力は


残ってないかもしれない。が、ウインドのへなちょ


こ(スーパー)すとらいくが、1ダメージでもあった


場合俺に立ちはだかるのは敗北のみ。


「ここからは、俺も攻撃しなきゃだな!」


自分のステータスをみると、


   攻撃力 2


防御力 4


体力  8


魔力  16


  スキル 〈 ファイア アクア ウィンド〉

   その他 共鳴


自分はどうやら魔法特化型のようだ。


ならば、自分の戦い方は絞られてくる。


「よし、」


「深海よりいでし水の精霊よいま、俺に力を!

      アクア! 」


手を前に向けながら、頭の中にあった呪文を唱え


る。すると、水の小さな球が、5つほどでてきて、


ウインドの方に飛んでいく。


「やったか!?」


そう、オルトーはフラグ感満載の言葉を叫ぶ。





「ふふ、残念だったな!僕に水属性は効かない!」


案の定ピンピンしている。スライムって、ほんとに


水でできているのだろうか。少し大きくなったよう


な気がする。しらんけど。まぁ、水がダメなら、火


もダメだろう。そうすると俺に残された手は一つ。


「空と契約せし風の(以下略

       ウィンド!!!!」


竜巻が出来る。俺の方が少し大きいと思うのは気の


せいだろう。ウインドの体力は5だ。さっきのウィ


ンドを見た感じダメージは5〜7と言ったところ。


これが当たれば勝ち、のはずだった。


ウインドに竜巻が直撃する。ように見えたが、


竜巻の跡には、たしかにウインドがいた。


「え!なんでまだいるの?」


「ふふふ、これがスライム族の固有スキル


 分裂さ。分裂は自分と同じ能力、姿をしたものを


もう一体出すスキル。だから分裂して、本体の方の


僕が後ろに下がれば、オート追跡の魔法は近くの


僕の分裂体にぶつかる。だから僕は無傷ってわけ。


まぁ、体が少し小さくなるが、ステータスはそのま


まなんだよ。」


「なるほど。それはいいことを聞いた。是非俺もつ


かわせてもらうよ。」


「そうかそうか!かかってきて!」


俺は少し考える。ウィンドの消費魔力は2。


ということは、ウインドはウィンドを使ってから


分裂を使ったから、魔力消費はなしってことだ。


ふむ、いいことを思いついたぞ

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