第7話:先輩が本当に処女?
俺はお尻を擦りながら、ベンチに座り直すと先輩も横に座ってきた。
「真っ赤になると期待していたのに、なぜそんなに顔が真っ青なのよ……」
「いや……だって先輩、副会長の神代先輩と付き合っていましたよね。だから、てっきり……」
「いや、何よそれ。あの噂本気にしていたの? 私と神代は幼馴染ってだけで仲はいいのは認めるけど、付き合ってなんかないわよ。もしかして、それを気にして……私に告白しなかったとか言うんじゃないでしょうね」
俺はギクリとしてしまった。まさかだとは思うはこれはあれなのか。俺が先輩を好きだと言うことを知っていたということなのだろうか。恥ずかしい何物でもない。
「あの……どうしてそれを?」
「あんなに熱い視線で見つめられてたら、気づかないわけないじゃない」
「すみません……」
「私がなんであんなに勇也君ばっかりにちょっかいかけてたと思っているのよ……鈍感なんだから」
先輩は恥ずかしそうに、いかにもきまりが悪そうにパッと顔を赤らめた。それを見た瞬間、俺も恥ずかしさで頬を染めた。
「あの……先輩は俺でいいんですか……?」
「私は私の操を捧げるのは勇也君って決めていたのよ。気持ち悪いって思われるかもしれないけど……」
この純情な先輩の想いに俺の感情は一気に心を揺るがされていた。
「わかりました。俺が責任取って先輩の……をいただきます」
「ふふふ。大事なところももにょるなんて勇也君らしいわね。よろしくね。頼りにしているわね」
そして、先輩と俺は連絡先を交換し、浮き浮きした足取りで家に帰ることにしたのだった。
帰る最中も先輩とのことを考える。けれど、こんな偶然あるのだろうか。もしや、まさかだと思うが、先輩との再会もゲームの影響だとしたら……早くナナミに確認しなくてはいけないと家へと急ぐことにした。
家に帰ると、ナナミが1人せんべいを食べてのんびりと俺の部屋でテレビを見ていた。
「おいっ、ナナミ心配したんだぞ。急にいなくなるなよ」
「心配していた割には、なんだか嬉しそうな顔をしているけど?」
俺はまた顔に出てしまっていたようだ。そうだ。先輩とのことを尋ねなくてはいけない。
「なぁナナミ、先輩との再会ってゲームが関係しているのか?」
「はぁ? あんたとうとう頭までおかしくなっちゃったの? そんなこと関与できるならさっさと課金させて私は帰るわよ」
「そうか……なら先輩との再会は偶然、いや、運命なのかもしれない」
「何よ。運命とかおかしいこと言わないでよ。先輩と会ったってあんな化け物姿のどこがいいのよっ」
ナナミがなぜか仏頂面で聞いてきたが、今はそんなことどうだってよかった。俺はナナミに先輩との約束を話すことにしたのだった。
ナナミが喜ぶかと思ったが、顔を険しそうにしかめていたのだった。
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