第3話:課金する奴は多いらしい
俺は誘惑に負けそうになったが、ナナミを突き飛ばす。
「おい、なぜこんなゲームなんだよ。100人中最後の一人になれとかじゃないのかよ」
「そんなのね、課金する人はすぐ課金するのよ。みんな勝ちたいんだからさ」
「そうなのか……俺は特殊だと……」
俺はショックを受けてしまうが、ナナミは諦めたのかクルクルと1周したかと思えば水着姿になっていた。
「ほら、だからこういうエロゲの方が男の人ってすぐ課金したくなるでしょ? 抜きたいものなんだから」
「お前な、そんなロリ顔で抜くとか言わないでくれ。犯罪者になった気になるんだよ。ゲームを変えてくれよ」
「えーめんどくさいな。なら課金したくなるゲームを言いなさいよ」
「そうだな。やっぱり今はまっているオートナイトがいい」
「そんなの現実世界でできるわけないでしょ。あれただの撃ち合いだし人殺しなのよ。何かいいゲームあるかな」
「……わかったよ。ならあれだ。まったりスローライフ的な島づくり」
「あんたバカなの。何? 今から無人島開発でもするつもり。ふざけないでよ」
俺はそもそも課金するまで理性を失わないのだ。だからこそ俺はどうしていいかわかならなかった。
「わかったわ。彼女を見つけてあげるわ。それまでの練習を私がしてあげる」
「おい、それってもはやゲームではないぞ」
「何よ。その彼女ごっこしている過程で手を握りたくなったりキスしたくなったりするかもしれないじゃない。ギャルゲーと同じようなもんよ」
「ないない。ゲームの中の女の子なんか恋愛対象にならないよ」
「ふん。あんたはちょっと男としてやっぱり駄目ね。まぁいいわ。そういうところも鍛え直してあげるわよ。で、本当の彼女ができそうなところで最終的なアドバイスをほしければ課金する必要があることにすればいいのよ」
「なぁ1つ確認していいか。ならもう今課金したらお前は消えるのか?」
「ゲームに夢中になっての課金じゃないと無理よ。だって所詮はゲームの中の話だもの」
「あぁ、なんか頭が痛くなってきたわ。ならもうそれでいいよ。クリアしたらいいんだろ。でも課金せずに俺が彼女作ったら俺の勝ちだからな」
「そんなの無理に決まっているじゃない。こんなかわいいナナミの裸見ても反応しないんだよ。もはや女に興味がないんじゃないかと思うレベルよ」
「違うわ。正真正銘の女好きだよ。今はあれだよ。社会人になってから時間がなくて彼女を作っていないだけで本気を出せばすぐに……」
「よく言うわよ。時間ありまくりじゃないのよ。だからあんなにも無料ダウンロードゲームばっかしているんでしょう? 暇人のくせに負け犬の遠吠えにしか聞こえないわ」
「あぁ腹立つ奴だな。俺はもう寝る」
俺はそのまま眠ることにしたのだった。
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