第16話 洞窟の中で
その真剣さが彼女に伝わり、「わかりました。ただ、やるからには私も本気でやりますので覚悟してくださいね!」と応えてくれた。
レオは頷き、各自一旦部屋へ戻り、支度が出来次第ドワーフの里の入り口に集合した。
それから地獄のような特訓が始まった。
まず始めは持久力の特訓だとかで、アテナがロックサイノスを数匹起こし、レオに襲わせ全力で走らせた。
それが1〜2時間続き、最後は起こしたロックサイノスを2人で倒した。
(まぁ、大体はアテナが倒してくれたんだけど………)
次に、ドワーフの里からまだ山を登った所にある鉱石採掘所での洞窟内戦闘において、限られたスペース内での立ち回り方、状況判断の特訓をしていた。
「はぁ、はぁ………ア、アテナ………さすがにこれはやりすぎじゃないか?も、もうそろそろ………終わりにしないか?」
あまりのスパルタな特訓にレオはもう終わりにしようとアテナに声を掛けた時、「ゴォォォォ!」と洞窟の奥から何か低く太い重低音が聞こえてきた。
レオはアテナと顔を見合すと、アテナは頷く。
「え?いや………頷いてもさ………ちょっとまって………マジで行くの!?」
レオは戦わず引き返したい一心でアテナに訴える。
しかし、彼女は「最後の特訓です!私達2人で倒しましょう!!コロシアムもどんな状況になるかわからりませんので、事前に自分達の手で倒しておいたほうが経験としていいですよ?」
(そりゃそうだけどさぁ………さっきもロックサイノス倒したじゃん!!)
運動神経の良いレオでもアテナのスパルタ特訓で、すでに疲弊していた。
(真剣な表情で頷かれてもさ………この状況で奥に進めってかよ!?鬼畜だ………)
「あぁ!もうっ!!」
レオは(この際、どうにでもなれ!)と自棄やけになり、自作のポーションを飲み干しHPと疲労を回復させた。
アテナもまたレオの自作ポーションを飲み疲労を回復させる。
どうせ彼女に言っても聞く耳持たないと思い、しょうがなく進む事にした。
「アテナ!奥へ進む前にこれを渡しておくよ。」
レオが差し出したのは昨日買っておいた<結束の印>というペンダントだ。
アテナはレオがスキルで召喚したキャラなので、アイテムを渡さなくてもパーティには自動的に参加される。しかし、これにはステータス向上が付いている為、装備させる事にした。
アテナはレオからアイテムを貰うとアクセサリだった為か嬉しそうに受け取り首に手を回しペンダントを付けた。
すると、レオの視界に<アテナ・グランジェがパーティに加入しました。>とログが表示された。
「どうですか?似合います?」
「あぁ、バッチリだ!」
意外にアテナは少し照れながらではあるが、思ったより喜んでくれた。
(そこまで喜ぶと俺まで照れてしまうわ!)
2人は気を取り直して簡単に準備を整えてから洞窟の奥へ進んだ。
洞窟内部の為、太陽の位置などの外部状況や現在すでに日付が変わっている事さえわからず、2人は鉱石採掘所の下の階層へと足を踏み入れる。
――――コロシアムまで後1日
鉱石採掘所はドワーフ族によって照明等を付けられてあるので、意外と足元も明るく順調に進めた。
「なんか、さっきとは違ってやけに雑魚モンスター出てこなくなったんじゃないか?」
「レオもやはり、そう感じましたか。実は私もです………」
お互い、雰囲気の違いに気付き、アテナはいつでも戦闘できるよう常に臨戦態勢にで先を進む。
その頃、レミシー達は製造の最終段階に入っていた。
「よし!後は魔鉱水に浸して冷ませば完成だ!皆、よくやってくれた!!ありがとう!」
その言葉に製造に携わった弟子達は笑顔になりながらその場に倒れ、すぐに鼾いびきをかきながら寝てしまった。そのくらい弟子達も疲弊していたにも関わらず頑張って作業していた事がわかる。
「さて、レオ達を呼んでくるか!」と鍛冶場から出ようとした時、ドワーフ族の青年が慌てながら走って来た。
「はぁ、はぁはぁ………あ、姐あねさん!大変です!!レオ様とアテナ様が鉱石採掘所へ入って行かれた所を見たと言う情報が!!」
「はぁ!?なんでまた、あんなところに!?てか、今の刻は!?」
レミシーはまず、時の刻を気にした。この世界の人々は時計というアイテムが無いため、時の刻と言う大雑把に1日の時間を以下のように4等分にした刻を作り生活をしている。
そして、この世界にはこの刻を示す『
この道具に魔力を通すと今の時の刻が色で示される。
息吹の刻(4時~10時)は緑色、炎天の刻(11時~18時)は赤色、
宵闇の刻(19時~24時)は青色、深淵の刻(1時~3時)は黒色だ。
この4つの刻の中で一番モンスターが凶暴化し強くなる刻が深淵の刻だ。
レミシーが『
つまり、現在はモンスターが最も凶暴化する深淵の刻である。
「あいつら、刻を知る術すべを知らないはずだ………」
レミシーはいてもたってもいられず、レオから貰った<URグラビティアックス>を持ち、出来立てのレオ専用武器とついでに作ったホルダーをリュックに詰め込み急いで支度をする。
「あ、姐あねさん!?まさか、いまから鉱石採掘所へいくつもりですか!?」
「あぁ!このままじゃあいつ等が危ない!私が行って連れて帰ってくるさ!!」
すると、数人まだ起きていた弟子が「それなら私達もご一緒します!!姐あねさん1人じゃ危なすぎる!!」とその場にある武器を手に持ち支度を始める。
「いや、お前らじゃ足手まといになるからダメだ!私1人でいく!!もし、私が帰らない場合はパロンに任せる!」と言い、持ち前の足で走り、里の地下街を高速で通過する。
店舗の店員達や買い物していた人はポカーンとレミシーを目で追った。
『クイックネス!!』
レミシーは移動速度が増加するスキルを使い更に加速し、鉱石採掘所を目指す。
さすがはウサギと言わんばかり、山を登るにも岩を伝って跳びながら進む。
そして、そのまま採掘所へ躊躇せず入っていく。
(くそ!どこだ?ここら辺にいないとなると下か?)
レミシーは耳を澄ませながら下の階層へと進む。
すると………
「おい………アテナ!………」と階層の奥の方から微かに聞こえてきたレオの声を聞き取れた。
「この奥か!………っておい!?この奥はヤツの!?」
サーッとレミシーの顔が青冷める。
「急がないと!!」
レミシーはレオ達に追い付く為、再び走り出す。
何も知らないレオ達は唸り声が聞こえる方へと進んでいる。
「おい………アテナ!この先から何か気配を感じないか?」
レオが聞くとアテナはこの先を真剣な表情で見つめ、無言で頷きストレージから昨晩作ったポーション数種類を取り出し、「これを………」とアテナに渡した。
「このポーションは?」
「俺が製薬作成で作ったポーションだよ。どんな敵かわからないから一応渡しておくから、状況に応じて好きに使ってくれ!」
「ありがとうございます!!」
アテナはレオからポーションを受け取ると自分のストレージに入れる。
そして、速度増加の『スピードポーション』と攻撃力増加の『パワーポーション』を1本ずつ飲み、その順番に体が青色、赤色と一瞬輝く。
レオも同じく飲み、戦闘態勢に入る。
お互い、準備が出来ると一気に走りこの先にある広場へ突入した。
が………しかし、声の主は見当たらない。
「い、いない!?いや………いないわけがない。どこだ?どこにいる!?」
レオとアテナは辺りを見渡し、敵を探す。
「お前らぁぁ!!下だぁぁぁ!!後方へ思い切り跳べぇぇぇ!!」と入り口の方から大声で叫ぶ声が聞こえてきた。
それを聞いて素早く二人は後方へ思い切り跳んだ。
すると地震の様に地面が震えだす。
ゴゴゴゴゴ………バグンッ!!
地面から大きなハサミみたいな2本の角が下から突き上げたと思うと交差した。
「あっぶねぇぇ!!こんなの食らったら即死だわ………」
レオは後方へ跳びながら現状を見てつくづく思った。
『ヘイトブースト!!』
アテナは咄嗟に敵の標的になるスキルを使う。
「くるぞ!!」と入り口から素早くグラビティアックスを担いだレミシーが入ってきた。
それを見たレオは「レミシー!?どうしてここに?」と聞くが「話しは後だ!攻撃してくるぞ!構えろ!!」と会話を流された。
すると地面からなんか現実世界リアルでも見た事あるような巨大なモンスターが現れた。
「こ、このモンスターって………?」とさり気なく言うとレミシーは「こいつはアントリオンだ!kこの採掘所に生息するモンスターだが、これは普段のヤツとは色が違う………ボスだな………しかも、よりにも深淵の刻の時に………」と歯を噛み締める。
(アントリオン………?あぁ!アリ地獄か!!)とレオは心の中で納得し、アイテムで敵のステータスを見た。
ギガントアントリオンLv100(凶暴化)
HP300,000→HP600、000
ATK30,000→ATK60,000
DEF15,000→DEF30,000
MDEF10,000→MDEF20,000
SPD20,000→SPD40,000
となっていた。
やはり凶暴化になっているためステータスが上昇している。しかも、深淵の刻の為、全て2倍になっていた。
ギガントアントリオンはすかさずアテナに攻撃を仕掛ける。
先ほどアテナが『ヘイトブースト』を使ったおかげで敵はアテナを狙ってくる。
その隙にレミシーはレオに「ほら!!お前の専用武器だ!」と銃を2丁とそれを収納するホルダーを投げ渡す。
レオは受け取るとすぐにこの武器の凄さがわかった。
まず、手に取った瞬間に体の一部となるようなフィット感、そして何と言ってもこの軽さ!!このフォルムから滲み出るオーラ。そして何か秘密があるのか両方の銃の側面に透明で小さな菱形の魔水晶が6個連なって埋め込まれていた。
レオはすぐにホルダーを付け、銃を納める。
レミシーはレオがきちんとホルダーを装備し、銃を収納した事を確認すると自分の強化スキルを使う。
『クイックネス!!』『マッスルパワー!!』『アドレナリンブースト!!』
自強化したレミシーはすぐさまアテナの援護に入る。
しかし、レオは何も出来ずにこの場に立ち尽くしているままだ。
「くぅ…重い………!!なんだこの攻撃の重さは………」
流石のアテナも凶暴化したギガントアントリオンの攻撃の重さに耐えるのは至難の業だ。
「おりゃぁぁぁぁ!!」
勢い良くレミシーはアテナが盾で防いでいるギガントアントリオンの角にブラッディアックスを振り下ろす。
ズドォォォォン!!
切れ味のいい包丁の様にスパッと2本あるうちの1本を切り落とす。
ギガントアントリオンは斬られた角の痛みか大きく叫び、アテナから一旦距離を取り地面の中へ潜っていく。
「助かりました!」
「あぁ!いいって事よ!それよりコイツをどうにかする事を考えるぞ!」
2人は再び構え戦闘態勢に入る。
「おい!!レオ!!そこでいつまでボサッと突っ立っている!?お前もさっさと戦闘に入って来い!」
レミシーが大声で叫ぶ。
「あ、あぁ!すまない!!」とレオは2人の元へ駆け寄る。
「レミシー!一応これを渡しておく。」とレオはマジックストレージからアテナに渡した物と同じ物を渡す。
「ほう!自作ポーションか!さすが錬金術士アルケミストだな。ありがたく受け取っておく!」とレオからポーションを受け取りストレージに入れていると、またも地震の如く地面が揺れた。
ゴゴゴゴゴ………
先ほどより地面の揺れが激しく、ギガントアントリオンが地中へ潜った辺りから地面が窪み始める。
その状況を見てレオはすぐに気が付き注意を促す。
「みんなこの場から離れろ!なるべく後に逃げるんだ!!」
そして、3人は入り口付近まで後退し、誰もが状況的に危ないのであれば逃げるのもアリだと考えた時だった。
あまりの振動で洞窟の到る所が崩れ始める。
そして、入り口も落石で塞がってしまい退路を絶たれてしまった。
目の前は大きなすり鉢上になったギガントアントリオンの巣があり、後方は落石で塞がれた入り口………
(何か、何か手はないのか!?アリジゴクの弱点は………!?)
ふとレオは昔、子供の頃に外で遊んでいた記憶が蘇ってくる。
(あの時アリジゴクを掘り出したよな?んで、手に乗せて触ってみたっけ………確か、腹は凄く柔らかかったはず!!んじゃ、もしかしてこいつも!?一応、試してみる価値はありそうだな………)
そう考えると、レオは2人に「なんとかヤツの体全体を地表面に出せないか?ヤツの弱点は腹にありそうなんだ!!」
「どうしてそれを!?」とアテナが聞くと「当たりだ!普通のアントリオンも腹が弱点だ。しかし、普段のは図体はあまり大きくないため苦労はしない。」とレミシーがレオの答えが当たっている事を証明する。
「でも、どうしてそれを?」と今度はレミシーがレオに聞いてきた。
「いや、俺が子供の頃あっちの世界でコイツと似た虫を手に取った事があるんだ。手に乗るくらい小さいサイズだが、その時、腹が以上に柔らかかったんだ!だから、もしかしてコイツもそうなのか?と思ったのさ!」
「なるほど、そうだったのか。」
レミシーはレオの説明に納得する。
「だが、どうする!?あんな巨体を地表面に上げるなんて3人で何とかなるものじゃないぞ?」
レミシーは現状じゃ、その作戦が難しいと言う。
しかし、レオには何か策がある様にニヤッと笑った。
「レミシー、そのアックスでギガントアントリオンの下から上に思いっきり投げ飛ばせるか?頭部分なら相当硬いから、いくらそのアックスでも真っ二つって事にはならないと思うんだが………」
「それはお膳立てして状況さえ作ってくれれば出来ると思うが?」
「オッケー!んじゃ、アテナは『ヘイトブースト』を使って、敵を引き付けてくれるか?その間、アテナ1人で敵の攻撃を受けるが………?」
「わかったわ!何とか耐えてみせる。」
「あ!そうそう!!その時にさ、アレ使ってよ!『ダメージアブソーブ』」
それを聞いたアテナは「あっ!!」とレオが考えている事がわかったのか笑みが出る。
「なるほど!そういう事ですか!わかりました!では、行きますよ!!?」
『ヘイ………』
「ちょっとまって!!」
アテナが早速、作戦通りに動こうとした時、レオが急に止めた。
急に止められアテナは少しムッとした顔でこちらを見る。
「まぁ、焦るな。まだ準備があるんだ。アイツは多分、あの様子なら地属性のモンスターだろ?だから火属性で炙ってやれば出てくると思ってな!」とレオはマジックストレージから火属性のスクロールを何個か取り出した。
「取り留めてすまない。準備は揃ったし、やりますか!」
その言葉に2人は頷く。それを確認したレオは作戦開始の合図をする。
「行動開始だ!!」
アテナはすり鉢上になっている所まで走りながらスキルを使い作戦準備に取り掛かる。
『ヘイトブースト!!』『ダメージアブソーブ!!』
「よし、こちらは大丈夫だ!」
アテナは盾を構え、作戦通りの定位置に付いた事をレオに知らせる。
それを聞いたレオは「レミシー!特攻の準備は大丈夫か?」とレミシーに確認する。
「あぁ!いつでもいける!」
「んじゃ、いっくぞぉぉぉ!!」とレオはスクロールの紐を解く。
『フレイムウォール!!』
フォリス婆が作った高度魔法のスクロールを使用し、すり鉢上になっている窪み全体を範囲とし魔法を発動させた。
すると燃え盛る炎がすり鉢上の窪みを覆う。段々と、周りの温度も上がり始める。
「さすがにこれは俺達も熱いな………」
3人の額には汗が浮かび始めていた。
ゴゴゴッゴゴゴゴゴ!と音が段々と大きくなってくる。
「そろそろ出てくる!アテナ頼むぞ!」
レオの言葉にアテナは頷くと、「ゴアァァァァ!!」と熱さで怒り狂ったギガントアントリオンが飛び出してきた。
しかも、先ほどレミシーが切り落とした角の部分が再生していた。
10mもあろうかという巨体の攻撃を再びアテナは盾を構え、受け止める。
そのたった一撃でアテナの盾は白銀から一気に金色に変わる。
一瞬にして金色に変わった事で、ギガントアントリオンの攻撃力の強さは目に見えてわかる。レオの目に今の様子が焼きついてしまい、その場から動けなくなってしまった。
「くそっ!完全に腰が抜けた………一気に恐怖が増してこの場から動けない………」
それもそのはず、今は自分の生身の体でステータスからしても防御力から考えると即死確実だ。
身代わりのアイテムを所持してるが、それにも数に限りがある為、この先の事を考えると温存しておきたい。
しかし、そんなレオを余所にアテナとレミシーは作戦通りに行動する。
アテナは素早く盾から開放された剣を引き抜き一気にギガントアントリオンへ斬りかかる。
『ジャッジメントクライム!!』
ギガントアントリオンは今まで土中で身を潜んでい為、まだ地上の光に慣れていない。
しかも、さらに眩しい閃光を放つ『ジャッジメントクライム』で目潰しをくらい、ステータス異常の『暗闇』が付いた。
アテナは敵の頭から一気に切り裂くがやはり相当硬い為、途中で止まってしまった。
ステータスの数値では圧倒的にアテナが上の為、本来であれば一刀両断できるはずだが、やはりステータス通りには行かない仕様に変化しつつある。
これも奴が少しずつではあるが解析し変化させているのだろう………
そんな中、レミシーはその一瞬の隙も逃さず、持ち前の足で敵の懐へ素早く入りアックスを使い、巨体を一気に上と跳ね飛ばす。
その様子を見ていたレオは自分がずっと立ち竦んでいる事に対し「いつまでも怖がっていられない!」と気合を入れ、まだ手の振るえが消えてはいないが、もう一つのスクロールを使用した。
『フレイムランス!!』
無数の炎の槍がギガントアントリオンの腹部に次々と突き刺さる。
すると2人はさらに腹部に斬り込み追い討ちを掛ける。
3人の攻撃を受けたギガントアントリオンはHPが0になりその場に落ち動かなくなった。
「おし!!やったか!?意外と楽勝で良かったわぁ!」と快勝に喜ぶレミシー、ホッと一息付くアテナを前にレオだけが浮かない顔をしていた。
それを見たレミシーは「レオどうした?ボスにビビッたか?」と軽く冗談交じりでレオをからかう。
しかし、レオの表情は緩まず、真面目な表情で「まぁ、確かに最初はビビッて立ち竦んではいたが、そういう訳じゃないんだ………2人とも何かおかしいとは思わないか?」と問いかける。
「おかしい?」と2人は不思議そうに顔を見合わせる。
「だって私達3人は高レベルだから、楽勝で倒せたんじゃない?」とレミシーは自分達のレベルが上だから簡単に倒せたのだと言うが、レオは顔を横に振る。
「確かにボスのレベルは100で俺を抜きで2人はそのレベルを超えている。だが、ステータスを見るとレベル100にしては弱すぎるんだ………これじゃぁゲームバランスがおかしい。」
「じゃぁ何?まさかこの後、生き返ったり変身したりするわけ?」とレミシーはレオに言い寄る。
(変身………アリジゴク………!!!?)
レミシーの発言がヒントになり、レオは何かに気付き慌てて2人に注意を促し、ある事を確認する。
「レミシー!アテナ!念の為、そこから離れろ!!」と言い、自分も後方へと移動しギガントアントリオンから距離を取る。
そして、メニュー画面を開き経験値やドロップアイテムの確認をする。
「やっぱりか………ドロップアイテムや経験値が手に入ってない………レミシー!アテナ!戦闘はまだ終わってないぞ!!」とレオが2人に聞こえるよう叫ぶ。
すると、ギガントアントリオンの様子が………
どうやらレオの予想が当たっていた様だ。
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