第4話 不人気な職業

「まぁ、この後ホムンクルスをLv10にした後、製薬スキルを取っていけばいいか!とりあえず、せっかくスキル取ったんだし使ってみようかな?」

レオは先ほど取ったスキル[ホムンクルス]を使ってみる。

すると使用条件のメッセージが表示された。


「ん?このスキルの使用条件?んと、地面に魔方陣を描き中心に媒介になるアイテムN~SRを1個置き、[ホムンコール]と言う。ただし、ホムンクルスの強さは媒介アイテムのレアリティと術者のINTに比例するか………要はレアリティの高いアイテムを媒介にすればいいって事だな!」

レオはストレージを開き、媒介になるアイテムを探す。


「あぁ………媒介になりそうなのはあったけどほとんどURじゃないか………あとは<R植物の種>くらいしかないな………しょうがない最初だし試しに使ってみるか!」

レオはスキル詳細を見ながら地面に魔方陣を書く。そして魔方陣の中心に<R植物の種>を1個置いた。


「おしっ!準備はできた!ホムンコール!!」

レオが叫ぶと魔方陣から眩しいくらいの光が吹き出ると共にその奥に何か影が現れてきた。


だが、魔方陣から吹き出る光が眩しすぎて、まるで太陽を見上げるように手を目の前に当てながら見ている。

暫くすると徐々に光が収まっていくと同時にホムンクルスの姿が徐々に見えてきた。

レオが目の前にあてていた手を下ろし、見てみるとそこには体の一部や服装が植物になっていて、背丈3mくらいの女性が現れた。


「マスター初めまして、私はアラウネと申します。何かございましたら何なりとお申し付けください。ちなみに私は地属性なので火属性攻撃が弱いで悪しからず。」

レオはまじまじとアラウネを見る。


上は女性でスタイリッシュで美しい。臍へそから下は見事に木の根だ………

でも、悪くない!!だってホムンクルスだもの!

レオは自分が召喚したホムンクルスの姿に納得する。


「こちらこそ、宜しく頼む!アラウネ!!」

アラウネが現れると視界の左上に自分の簡易ステータスの下にアラウネのステータスが表示された。


「なるほど、ホムンクルスも仲間とみなしてパーティ編成が出来るのか!って………えぇぇぇぇ!!」

レオがいきなり大声を上げ、驚く声にアラウネは戦闘かと誤解し戦闘準備状態になる。


「マスター!敵はどこに!?」

「え?あぁぁ!!いやいや!!ごめん、違うんだ!」

「敵襲では無いのですか?」

「うん、俺がちょっと驚いただけで、敵が現れたとかじゃないんだ………ただ、キミのHPが凄すぎてビックリしちゃったんだよ………あははははっ」

「私のHPですか?そんなに凄いですか?」

「凄いよ!!だってHP100,000だよ?俺なんてまだLv20で1500くらいだし………」

「すみません、私にはそう言われてもあまりわからないです。」

「そ、そうだよね!まぁ、とにかく俺より強いって事だよ!」

「そうですか。それより、マスター私は何をすればよろしいですか?」

アラウネはそういう話しには興味がないのか意外とサバサバしている。


「んじゃ、アラウネ!お前の強さを見せてくれ!!と言っても敵が何処にいるか………」

「承知致しました。」そう言うとアラウネは目を閉じた同時にそよ風が吹いた。

するとアラウネが目を開け「マスターの後方20mに二匹の<ラビオリ★>がいますが倒しますか?」

「アラウネ!お前、索敵が出来るのか?」

「はい、この程度は地属性のモンスターなら誰でも出来ます。で、どうしますか?倒しますか?」

「あぁ!倒そう!」

レオはエンペラーズロッドを握り、アラウネを背に来た道へ走り出そうとした時だった。


「マスター、2匹とも倒しました。」

その言葉にレオは耳を疑い、その場に立ち止まり後ろにいるアラウネを確かめるかのように振り返る。

すると、アラウネが言ったとおりレオにはラビオリのドロップアイテムのログが表示された。


「マジだ………倒してる………一体どんな攻撃を?」

「私は植物人間ですので、土の中に根を生やし敵の下まで伸ばして攻撃しただけです。」

「すごい!すごいよ!!アラウネ!!よっしゃぁぁぁぁ!!」

そう言ってガッツポーズをするレオの姿を見て、優しい顔をしながら見つめるアラウネだった。


そうこうしている間にアラームが鳴った。

VRゲームの為、身体に何か変化があればアラームがなるシステムになっている。


「ログアウトするのにホムンクルスはどうしたらいいんだろ………」

レオはスキルヘルプを読むと、1度召喚したホムンクルスはマジックストレージを持っている場合、ログアウトと同時に収納される。ただし、マジックストレージを持っていない場合はログアウト地点で待機するか、術者が[ホムンリバース]と唱え媒介アイテムに戻すかのどちらかだ。


「なるほどねぇ~!んじゃ、俺はマジックストレージ持っているから気にせずログアウトしていいのか!」

「じゃぁ、アラウネ!また後でな!!」とレオはアラウネに手を上げ、ログアウトした。

その瞬間レオ・バレンタインから獅堂創しどうはじめへと切り替わる。


「んん~!」

創はベッドの上で長時間横になっていた為、思いっきり伸びた。

「あぁ~腹減った………」とベッドから起き上がり壁に掛かっている時計の時刻を見た。

「もう13時か!それは腹減るな………あ、その前にトイレ!!」と漏れそうになったのか急いでトイレに向った。

「ふぅ~、あぶなかったぁ~!さて、すっきりした所で何かメシ食うかなぁ」と創はコンビニで買い込んでいたカップ麺を1つ取りだし、電気ケトルに水を入れて沸かす。

そして、攻略サイトを見るためパソコンの電源を入れた。


電気ケトルからボコボコとお湯が沸く音が聞こえ始め、カチッ!とスイッチが切れる音が聞こえた。創はカップ麺の蓋を開け、湯を入れた後に蓋をし割り箸と共にパソコンデスクへと持っていく。

「とりあえず、ガチャで出たURアイテムが何に使えるのか調べないとなぁ~伝説の遺物やら神々の雫とか名前からして凄そうだけど………」

マウスをカチカチッと操作しながら攻略サイトを調べていくが創が調べたいアイテムについての詳細、使用方法が何処にも載っていなかった。


「なんで載ってないんだよ!?公式の攻略サイトだろ?そんなに錬金術士アルケミストって人気ないのか!?んじゃぁ、現段階での職業割合はっと………」

素早く職業別割合表を開いた。すると、その表には驚きの割合が載っていた。


「ちょっ!!なんなんだよ!これ!!製薬職0.0001%って!!そんなに人気ないのかよ!!!」


職業別割合一覧表には

騎士職30%

回復職15%、召喚士5%、

魔法職10%

製造・商人職7.4%

狩人職15%

暗殺職12.5%

格闘職5%

製薬職0.0001%

と記載されていた。

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