12話 テントでのガールズトーク
ミリアちゃん達女の子組と一緒にテントに入るわたし。みんな寝間着に着替え済みだ。
ミリアちゃんはスケスケのネグリジェを着ていた。下着もセクシーな物を付けていて、とても扇情的な雰囲気を出している。
ユニちゃんはワンピース型のパジャマだった。機能的でかつおしゃれにも気を使っている彼女らしい選択かも。
アリスちゃんはベビードールと言うやつだろうか、フリルが沢山でとても可愛らしい。
ちなみにわたしは普通のパジャマだった、残念ながらわたしの身長だと子供用の物しか無かったからね。
そんなこんなで眠る準備が出来て皆横になったとき、ミリアちゃんが提案してきた。
「せっかくカオルと一緒のテントで寝るんだ、いろいろ話そうぜ。今夜は寝かせない、なんてな!」
そして主にミリアちゃんからの質問攻めに答えていく。
趣味や好きな食べ物とか様々な問に応えていく。
「趣味はお料理作りとファッションかな、わたしの身体だとどうしてもお洋服は子供向けになっちゃうけど……」
「好きな食べ物は……お豆腐ってこの世界に有るのかな? それと野菜全般かな」
そうして応えていると、ユニちゃんから難問が飛んできた。
「そういえば……カオルさんって恋愛対象はどっちなのかしら? やっぱり男の子?」
応えにくい質問だったけど、何とか自分の考えを口にする。
「わたし、恋愛感情っていうのがはっきり分かってないの。だから今はどっちが好きって言えないかな」
「男の子のカッコいい姿はなんだかキュンと来るけど女の子の可愛い仕草にもときめいちゃって。やっぱりわたし、その、アレだから恋愛はまだ早いかなって」
そう言うと、みんながそれぞれに思いを述べる。
「その感情は大事だぜ、理解あるいい人と巡り会えるといいな」
「カオルさん、運命の出会いというものもありますわ。」
「カオルお姉ちゃんは男の子も女の子も好きって事なのかな?」
アリスちゃんに言われて、確かにそうなのかもとは感じる。
「もしかすると、そうなのかも知れないかも。そのときめきが恋愛感情かはわからないけど……」
「とにかく、こんなわたしを受け入れてくれたみんなのことは大好きだよ、ただの好きとは違う特別な感情」
言ってから、ちょっと恥ずかしい事言っちゃったかなと思っちゃう。
けど、みんなはやっぱり優しかった。
「あはは、嬉しい事言ってくれるじゃないか」
「ちょっと恥ずかしいですけど……その気持ち有り難く受けとめましたわ」
「私もカオルお姉ちゃんの事は大好きだよ!」
それぞれの想いが帰ってきた所で、ミリアちゃんからお喋りの終わりを告げる言葉がかかってくる。
「さて、そろそろ寝ないと明日に響く。今夜はありがとうな、あたし達の質問に付き合ってくれて」
「ううん、わたしもみんなと話せて嬉しかったよ。それじゃあおやすみなさい」
そうして、みんなとのお喋りも終わって眠ることになったわたし。女の子と一緒の空間で眠るのは初めてだったけど、変に緊張することもなく眠れたよ。
そしてそんな夜もありつつ、旅を始めて1週間目、ようやく目的の港町アクベンスに着いたわたし達。
守衛の人に通行料を払い、海が見える景色が目に入ってくる。
「よーし、やっと着いたか! まずは泊まる所を確保して、明日は水着で海だな! 初日ぐらいはしゃいじゃってもいいだろ」
ミリアちゃんの言葉に賛成……したい所なんだけど、問題が。
「えっと、わたし水着って着たことなくて……大丈夫なのかな、その、バレないか」
「……そうだった、すっかり忘れてたぜ。なぁに、水着もあたし達が選んでやるから心配しなくても大丈夫だ、きちんとカバーできる水着も有るだろ」
そうして、みんなに乗せられて水着を買いに行くことになったわたし。うう、大丈夫なのかな……?
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