061 ラビリスvsスライ<ラビリス視点>
リタさんのほうにはアラクネ族の女が、私のほうにはスライムが向かってくる。
たしかこのスライムは元四天王の超酸スライムでしたわね。
魔都では死んだと聞かされていましたが、ラング様は生きているかもしれないと仰っていましたの。
さすがラング様、予想は的中のようです。
「溶カス、溶ケローーーー!!」
「このスライムは狂っているんですの!?」
ビュッ!!
液体をこちらに飛ばしてきた。
「アイスウォール!」
飛んできた液体は私がとっさに作った氷の壁に阻まれて地面に落ちる。地面がジュウジュウと焼けているので協力な酸のようだ。
ビュビュッ!!
「アイスウォール!」
このスライムは防御されることを知っていようが見境なく酸を撒き散らすらしい。
「ほとんど理性は残っていないようですの」
「溶カシタイイイイイイイイ!!」
スライムは突然2つに分裂し、更に4つに分裂した。
ビュビュビュビュッ!!
「アイスウォール!」
ジュウウウウウゥゥゥゥ
あまりの酸の量と勢いに氷の壁が溶かされてしまった。
「もっと溶カシタイイイイイイイイ!!」
スライムは更に8つに分裂した。
「こ、これは不味いですの……!」
防戦一方では負けてしまう。私は攻勢に転じることを決意した。
「アイスニードルレイン!」
尖った氷の雨が降り注ぐ。8匹のスライム達に突き刺さるが、あまりダメージは受けていないように見える。
ビュビュビュビュビュビュビュビュッ!!
「アイスウォール! アイスウォール!」
なんとかアイスウォールが間に合ったが、これ以上増えたら手に負えない。
水属性はスライムに効かない? もしもそうだとしたらどの属性ならダメージを与えられる?
既にスライムは次の分裂を開始している。もう悩んでいる時間はない。詠唱を開始する。
ビュビュビュビュッ!!
魔法の詠唱に気づいたスライムの4匹が分裂を中断し、こちらに攻撃してきた。
私は横に飛んでギリギリ回避する。魔法の詠唱もなんとか続けている。
スライムは分裂を完了し12匹になった。でも、私も詠唱を完了した。
「私の最大魔法ですの! サンダーストーーーーム!!」
魔法で作られた巨大な積乱雲が発生し、雷が鳴り響く。積乱雲の中で雷のエネルギーが蓄積されていく。
「……ナンダ? 何モ起コラナイゾ」
「ご安心ください。時間差で来ますの」
ドドォーーーーーーン!!
落雷が1体のスライムを蒸発させる。
「!?」
分裂体が蒸発した事実を目の当たりにしたスライム達は逃げ惑う。
だが、まるで雨のように落雷が続き、全てのスライムが蒸発したのだった。
「雷属性が正解でしたのね」
スライムはもう復活する気配はない。私はラング様とリタさん達のもとに駆け出した。
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