SF小噺投石さん

「なに、この原稿ッ」

 女子は、原稿用紙を科学研究会の机にたたきつけた。

「……なにがさ?」

 科学研究会の部長は素直に聞いた。

「なにがじゃないわよッ」

 咳を一つ、女子は原稿を読み上げる。

「あのね『究極の人工知能と人間の頭脳戦……結果は?』って書いていたわよねッ」

「……うん」

 女子は、ペラペラペラと原稿をめくり中ごろをめくりあげる。

「おい、ちょいと尋ねるが、なん時かね?」

「あぁ、書いたね。僕が書いた」

「バカたれぇ! これは落語だッ! 文化祭の文芸誌にこれを載せられるものかぁ」

 少女がが怒るのは無理も無い。どこまで飾り立ててもこれは時そばという落語だ。

 だが冷静に科学研究会の部長は、返答する。

「いや、落語をオマージュしたたけだし、第一だな幽霊部員でいいって勧誘したのは、どちらかな?」

「あ、あたしだけどさ……」

「ゆってね? 僕は文才はないの。わかる? それをさ何をどーしろってんのかね? 僕はスペースシャトルの回路とかアキバで『揃える』ほうが趣味なの。s286とかのCPUがほしいのッ」

 正論なら男子のほうにある。僕なら断然、応援する。

「だ、代案ならだな……あるぞ」

「ホントに?」

「まずさ、民俗学的なアプローチなんだけどね」

 少女に顔色が戻っていく。

「うんうん」

「ファンタジーでね、とりあえず国王は先代の国王というか、始まりの国王からズーッと名前を受け継いでいてね……」

 少女は、蹴りを部長にくわえた。

「それは『ジュゲム』じゃあぁぁぁぁぁ」

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