十七、黄金の龍。強い心
「やっと会えた。よかった」
ずっと会いたくて会いたくて、
「じゃのぉ。ありがとう、来てくれて」
「だって、やっぱり、ウミちゃんが一番好きじゃけぇ」
二人が、幸せに
「……なんじゃ、これ」
鯉たちが
「……
二人は、
「どうする?」
「
二人は手を取って、ユウが
ユウは、宮中の図書室に
この龍、もしや。
「
「
「宮中にいたお前は、とても楽しそうでいた。
ユウは、
「……」
「ユウ」
「大丈夫じゃ」
その一言と笑顔で、ユウの心には、小さな
「……私は。ウミちゃんが、好きだから。
ユウはさらに続けた。
「お父さんにも、お兄ちゃんたちにも、生きていて欲しい。生きていて、ウミちゃんを会わせたい。そもそも、海軍にすら、行って欲しくなかった。死にに行くのと同じようなもの。……何がお国のためだ。それよりも、お兄ちゃんには生きていて欲しいのに。
「私は、この世で一番、ウミちゃんが大好きだ。他の何よりも。どれだけ
ハァ、ハァ、と
「よく言い切りましたね」
どこからか、声がした。女性の声。……どこかで聞いたことが、あるような。
すると、いつの間にか、
「
「さあ、お乗りください」
と、二人に声をかけた。
車の中は、
「きれいじゃのぉ」
「そうじゃのぉ」
二人は短い言葉を交わす。
「でも、暗くて見えないね」
海人は、次の言葉を言うこともなく、ユウのほっぺに手を置いて、ぷにぷにとほっぺを押した。
「ユウ、すごいのぉ。よう、はっきりと言い切った」
ユウは、
「そりゃあ、ウミちゃんが好きじゃけん…」
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