六、鞠あそび
「いつ見てもきれい。このスッキリするような、青色」
ユウは、声に出して、つぶやいてみた。本当に、いつまでも、永遠に
……。過ぎ去ったはずのモヤが、実はまだ残っていたみたいだ。
天気予報なんてのは、ウソばっかりつく。ちっともアテにならない。
「失礼します」
お、その声は、
「おはようございます。
「お食事の
「あ、そっか」
確かに、
「はーい」
ユウは返事をして、衣装部屋に向かった。
「わあ」
身支度を済ませ、昼間の着物ドレスに着替えたユウは、またしても、立派な料理たちを前に、ぱあっと、笑顔が開花する。
「おはよう、
「あ……おはようございます」
ユウは顔を上げて、
やはり、ずっと彼のことを見ていたら、取り返しのつかないことになってしまいそう。すごくさわやかで美しいけれど、それ
料理の方を向くと、ピンと張っていた
「
それだけは言われたくなかった。
「おはようございます。
「おはよう、
「おはようございます」
ならって、他の使用人たちも、次々に挨拶をする。
ユウは、早く食べたいと思いながらも、彼らに挨拶を返した。
「ごちそうさまでした」
朝食を食べ終えて、手を合わした。
「もう少ししたら、
「楽しみ。
「じゃあ、
「できるんだったら、やってみたいです」
「でも、まずは
「もちろん」
主様は、やはり運動の能力も優れているのだろうか。
「主様、変わらずお
女房たちが
「いくよ!」
主様が、安定したパスを送ると、男房は
ある男房が、力を入れすぎて、それまで
「あー惜しい」
主様は言った。
「申し訳ないです」
男房は謝った。
「謝ることなんてないよ。だいぶ続いたし。次、次」
何と心の優しい。前向きな方だ。ユウは見ていて感動したが、
「悪いな。
鞠を取ってきた男房の蹴りから、再会された。一回。スパンと
「主様の鞠は、安定していていいわね」
「ホント、お上手」
女房たちからの評判も、すごく高いものだった。
いくつか鞠を回して、主様のところへ来たとき、主様は鞠を両手で受け止めて、
鞠を手にし、
「
と、遠くの位置から鞠を
「はい、やります!」
ユウは手を上げて、
鞠突きをやっていて、上手いと近所の子供たちの間で話題となったのは、かなり昔。歳の数字も、まだ
ユウは、鞠を突いた。この鞠は、軽くて
最後のところで、鞠をスカートの中に隠して、終わり。
すると、
「すごいよ。
主様からも、賛美の一言をもらい、嬉しいの極みだ。
「僕もやってみてもいい?」
「いいですよ」
ユウは
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