第24話 レヴィン、仲間たちと交流する
ヴァイスが新たに仲間に加わった。
これで≪
もちろん、ベネディクトも数に入っている。
今日は、このパーティで戦闘をする前に色々と確認がてら、とあるカフェで交流することとなったのだ。
「えー、本日は我らが≪
開口一番、レヴィンがそう宣言すると、アリシアから控えめな拍手が飛んでくる。
ダライアスは何を今更と言った様子でいるし、シーンも相変わらずあまり表情がなく何を考えているのか分からない。
ただヴァイスは何やら緊張した面持ちで立ち上がると自己紹介を始めた。
「現在、騎士中学校に通っているヴァイスだ!
アリシアは律儀に拍手を送っている。
レヴィンも団長としてヴァイスに激励の言葉を掛ける。
「うむ。よくぞ入ってきてくれた! 期待してるぜ! ってコラッ! お前らも歓迎しろ!」
レヴィンの言葉に、ダライアスとシーンがようやく反応を示した。
「だってなぁ……」
「今更……」
「だよなぁ……」
代わる代わるに呟くダライアスとシーン。
レヴィンはその理由をちゃんと理解していた。
ここにいる五人は同じ小学校の同級生なのだ。
当然、皆顔見知りである。
「いや、だからってな? こう言う時はしっかり
「いや、構わない。俺は皆に認められるよう頑張るんだ!」
ヴァイスが何やら熱血番組のノリで意気込んでいる。
先輩の団員からの冷たい視線と戦い、
「って、ダライアスたちも悪役じゃねーんだからさぁ……」
「私も少し悪ふざけが過ぎた……ゴメン……」
「ま、よろしくなヴァイス」
「取り敢えず、全員、今年の鑑定結果持って来たか?」
「おお、俺のはこれさ。って言っても大して強くなれてないんだけど」
ヴァイスは自信なさげに鑑定結果の写しの紙を皆の前に置いた。
名前:ヴァイス
性別:男性
年齢:十四歳
職業:
称号:探求者、中学生
加護:
指揮:☆
Lv:10
見習い戦士Lv1
アイテム士Lv1
黒魔導士Lv1
白魔導士Lv1
「課外授業でも結構ハブられててな……。正直レベルは高くない」
「構わんよ。今のレベルの差なんて誤差みたいなもんだ。誤差。俺も春休み前までは低かったしな」
ヴァイスは
これからレヴィンの知識を活用して上手く
そのためには、転職士を探すことと、
その前に転職士をどうするか、卒業後も定期的に鑑定されるのかと言った疑問もあるのだが。
取り敢えず今は、強くなることが先決である。
レヴィンがヴァイス育成計画を頭の中で描いていると、今度はアリシアが鑑定結果の写しを広げる。
名前:アリシア
性別:女性
年齢:十四歳
職業:付与術士
称号:探求者、中学生
加護:
指揮:☆
Lv:16
見習い戦士Lv1
アイテム士Lv1
黒魔導士Lv1
白魔導士Lv1
付与術士Lv7
アリシアはどこか照れたような感じで「エヘヘ」と笑っている。
彼女の最終形態はどんなものになるだろうとレヴィンは考える。
取り敢えず賢者を目指すのが良いかも知れない。
しかし加護の疾風迅雷は一定時間、素早さが跳ね上がると言うもので、どちらかと言えば前衛よりの加護である。
ちなみに常時発動型ではないようだ。
「アリシアのレベルは16かー。負けたー!」
「アリシアはそろそろ
「私も同じ……」
ヴァイスが悔しそうな声を上げる中、シーンはそっと紙を出した。
名前:シーン
性別:女性
年齢:十四歳
職業:白魔導士
称号:探求者、中学生
加護:
指揮:☆☆
Lv:16
見習い戦士Lv1
アイテム士Lv1
黒魔導士Lv1
白魔導士Lv6
付与術士Lv1
シーンも順調に成長している。
アリシアとシーンの
「シーンは白魔導士の次は何になりたい? 希望とかあるのか?」
「どんな選択肢があるのか覚えていない……」
シーンの言葉を聞いてレヴィンは思い出した。
フィルの誕生日にアリシアと話したことを。
現在、彼女が
彼女が「分からない」ではなく「覚えていない」と言ったのは、
「あ、ごめんごめん。そうだなー。俺としては神官系に進むのもアリかなと思ってたりする」
「神官系……?」
「うん。
「まぁでも
「そうだな。そこら辺も含めて色々考えないとな」
名前:レヴィン
性別:男性
年齢:十四歳
職業:黒魔導士
称号:探求者、中学生
加護:魔力上昇Ⅰ
指揮:☆☆
Lv:18
見習い戦士Lv1
アイテム士Lv1
黒魔導士Lv7
白魔導士Lv1
時魔導士Lv1
そして最後にレヴィンが鑑定結果を見せると、ヴァイスから驚きの声が上がった。
ちなみにこの結果は偽装バージョンである。
本当のステータスはこんな感じだ。
名前:レヴィン
性別:男性
年齢:十四歳
職業:魔物使い
称号:異世界人、探求者、中学生
加護:
指揮:☆☆
Lv:18
無職Lv2
見習い戦士Lv3
アイテム士Lv1
剣士Lv1
黒魔導士Lv7
白魔導士Lv4
時魔導士Lv2
付与術士Lv1
弓使いLv3
狩人Lv2
獣使いLv3
魔物使いLv1
「流石、我らが団長だな!」
「さっきも言ったけど誤差だよ。次の夏休みに一気にレベルを上げるぞ!」
褒められて悪い気分はしないレヴィンであったが、現役バリバリの探求者たちとのレベル差が気になっていた。
探求者でなくとも例えば、盗賊などに襲われた場合、対人戦となる。
そうなった場合にアリシアたちが人を殺せるかも問題である。
大人のレベルがどれ程なのか把握しておきたいレヴィンであった。
レヴィンがそんなことを考えていると、ダライアスがボソリとこぼした。
「皆、いいよな。俺は今どんなもんなんだろうな?」
「俺と同じくらいじゃないか? 貴族の友人に頼んで一度鑑定士を派遣してもらうのも手だな」
「貴族か……」
貴族と聞いて何か思うところがあるのか、ダライアスは吐き捨てるように言った。
そんなダライアスの様子を特に気にすることもなく、アリシアは呑気そうに口を開く。そしてテーブルに突っ伏すと、相好を崩した。
「今度の休みは五人で狩りだね~」
「楽しみ……」
シーンも微かに笑みを浮かべている。
ヴァイスは手に持っていたジュースを一気にあおると、テーブルに勢いよく叩きつけて言った。
「よーし! 俺はやってやるぜ!」
レヴィンはそれぞれの様子を見て、嬉しそうに目を細めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます