私は普段、ストーリーは二の次で、自分の好きな雰囲気の文章であればそれ自体を楽しむような読書の仕方が多いのですが、本作については久しぶりにストーリーを追うことも純粋に楽しませて頂きました。
もちろん、私の好きな筆致でスラスラ頭に入ってきたおかげで、余計な部分に頭のリソースを割かずにストーリーに没頭できたことも大きかったです。
中盤までは、数々の謎がやや散らかった感じで提示されていて、どんな真相ならこれらが一つに繋がるのかと思っていましたが、終盤で人外の存在が明らかになり、そこからの怒涛の回収には舌を巻きました。
普通なら突拍子もなく感じられそうな非現実的な真相も、丁寧な前振りと〝鬼〟という日本古来の、思想的に比較的身近な存在を題材にされていたことで、超展開でありながらもなんとなく日常の延長線でもあるような独特の説得感もありました。
ジャンル的にはホラーなのでしょうが、読み味としてはミステリーに近い面白さもあったように感じます。
また、子を思う親の思いは同じはずなのに、鬼と人間という決して相容れない存在であるために相手のそれを否定しなければならない悲哀のようなものも感じられて、ラストは胸につまされる思いも致しました。
大変面白かったです。
楽しい一時をありがとうございました。
作者からの返信
最後までお読みいただきありがとうございます。
また大変深いご感想もいただきありがとうございます。
本作品はストーリーだけでなく、それを伝えるべく文章の読みやすさ、分かりやすさにも苦心しましたので、褒めていただけて本当に嬉しいです。
ホラーとミステリーは似通ったジャンルかもしれません。
違いとしては怖いか怖くないか、いや、それも一概には言えませんが。
謎の存在が怪異なのか犯人なのか、いや、それも一概には言えませんが。
あまりこだわらずに、これからも怖くて面白い話を目指していきたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。
編集済
コメント失礼します。全て拝読いたしました。
本当に素晴らしかったです。序盤から嫌な予感が漂っていたのですが、中盤から一気に謎が深まり読む手が止まりませんでした。
緻密で無駄のない描写によって脳内で不気味な光景が鮮明に映像化されました。ホラー映画鑑賞レベルで背筋が凍りました。怖すぎます。
そして結末が予想外すぎました。宮園さんのカード?が出てきて彼女が元職員だったと知った瞬間「うわああああ!」と心の中で絶叫していました。その一瞬で何かを察し、「早く逃げろ!」と必死で祈っていました。怒涛の展開とその構成力…脱帽です。
書籍化されるべくしてされた作品なのだなと改めて思いました。
素敵な作品をありがとうございました。
作者からの返信
最後まで読んでいただきありがとうございます!
また秀逸なレビューも寄せていただき感謝いたします。
ホラー映画的な雰囲気も目指しましたので、評価してもらえて嬉しいです。
心の中で絶叫!……ありがとうございます。
臨場感が与えられて、共感してもらえて良かった。
とても励みになります。投稿した甲斐がありました。
書籍版は少し内容を変えていますので、そちらもぜひ。
これからもよろしくお願いします。
一気に読ませていただきました!
何度も「ウェッ…」となりながら(笑)…それでも、登場人物たちの巧みな描写と、謎にひきつけられて、飽きることなく最後まで没入できました。これぞ、エンターテイメントですね! 面白かったです! 最初は《ナイト・シャマラン》かと思っていましたが、じつは《スティーブン・キング》だったんですね!(笑
自分的に大好きなシーンは、茜と広都くんが手話で会話するシーンです。互いの存在が、それぞれに求める子供と母親という関係を補い合うように、必然的に心を開いてゆくシーンはステキで、物語の要にもなっているシーンなのでしょうけれど…とても美しく、ずっと脳裏から離れません。
あと! 熊川さん! 絶対いい人だと思ってた!(笑
引き続き、新作(?)も読ませていただきます。楽しみです。^-^
作者からの返信
最後まで読んでいただきありがとうございます!
シャマランと思っていたらスティーブン・キング。
えらい人たちを出されましたが、目指すところはおっしゃる通りかも知れません。
ホラーでエンターテイメント!嬉しい評価です!
手話のシーンも気に入ってもらえて嬉しいです。
熊川さんはいい人でした。印象が悪かっただけに、予想できたかも。
新作もよろしくお願いします。
とても素晴らしかったです。
失礼ながら、本屋で書籍を見てWEB版を読みに来ました。
ここ数年、ホラーを読んでいなかったのでいきなり書籍に手を出すのは躊躇われたのです。
50話近くまでこれはホラーではなく、ミステリーでは?と考えておりましたが、ラスト10話は鳥肌が立つほどホラーでした。
上から目線で申し訳ありませんが、茜が途中で余計な口を挿めない(あるいは挿ませない)熊川の告白が留守番電話というのが秀逸でした。
茜が知らないため、作者様が知っていても書かれないことは沢山あると思わせる作品でした。
熊川の広都への態度で彼女には子供がいなかったのではないか、とか引田さんの痛覚はどうなっているんだろう、とか妃倭子さんの夫もお屋敷に住み込みで働いていたのだろうか、とか真田駒子さんを苗床として生まれた子供はどこにいったのか、疑問は多々残りましたが茜(=読者)が知ることは永遠にないのでしょう。
でも、それが良かったです。
今度、書籍を買わせて頂きます。
作者からの返信
ご感想ありがとうございます。
気に入っていただけて嬉しいです。
ホラーとミステリの境目は微妙ですね。
やっぱり怖いというのがテーマなので、ホラーだと思います。
書いていない設定はたくさんあります。
語りたい、でも語れない。
何か隠れているという余韻が好きなので、隠しておきたいと思います。
WEBで読んでいただいたにもかかわらず、書籍版までご購入いただけるとは、本当に嬉しいです!
どうかよろしくお願いします。
最後まで読ませていただきました。
茜の流産のようにちょっとした設定が実は作品として大きな意味があったり、設定や描写に無駄がなく感服しました。
ラストでは「種としての生存や保存」についての価値観に強く訴えかけられた気がして、ホラーであると同時に大人向けの童話のような作品という印象を受けました。
とても楽しく読ませていただきました。
作者からの返信
ご感想ありがとうございます!
謎を散りばめて徐々に回収していくという、ミステリ寄りのホラー作品を目指しました。
楽しく読んでいただけて嬉しいです。
これからもよろしくお願いします!
完結おめでとうございます&お疲れさまでした。
何でしょう。
何も言葉が出て来ないや。
この話が終ってしまったというポカリとした穴が胸の中におっきく出来ているという事しか出て来ません。
最後までゾゾッとさせて頂きました。
高砂さんと神原さんも生死は分からない所や、他の鬼の存在など考えさせられるところはいっぱいですね。
こわごわと、ですがじっくりと楽しませて頂きました。
この作品に触れさせて頂けた事に感謝を。
ありがとうございました!!
作者からの返信
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
随時コメントまで書き込んでいただき大変感謝しております。
ホラーは苦手とのことでしたが、楽しんでいただけたら嬉しいです。
また作品を出すことがありましたら、よろしくお願いします。
完結、おめでとうございます。
そして執筆、お疲れさまでした。
小生も初投稿がホラーで、「異形に子供を産ませられる少女たち」を書きました。
なので、途中で勝手に親近感が湧いておりました。
とても面白かったです。これからレヴューを書かせて頂きます。
作者からの返信
お読みいただきありがとうございます。
また大変秀逸なレビューも書いていただき本当にありがとうございます。
レビューにはコメントが付けられないようなので、こちらで御礼申し上げます。
ホラー小説はカクヨムの中ではマイナーで、内容もかなり尖っているだけに、共感を得ていただける人がいると分かって本当に嬉しいです。
公開して良かったです。
これからもよろしくお願いします。
本当にお疲れ様でした。
「わー、怖いなー、メンタルダメージだなー」と思いつつ、先が気になって、最後の方はもう完全に「早く続きを読みたい」っていう気持ちの方が勝っていました。
楽しませていただきました。ありがとうございました。
作者からの返信
ご感想ありがとうございます。
ホラーだけに皆様に読んでもらえるかなと心配でした。
でも気に入って、読み続けてもらえる方がいて本当に嬉しいです。
またよろしくお願いします。
初投稿でこれだけの長丁場、まずはお疲れ様でした。
最初から最後まで、目が離せない展開の目白押しでとても楽しませていただきました。
椿さんなら(あるいは)話の分かる人だと思いますが(金銭取引的に)、高砂ママは絶対旧体制思考だから怖いわー……。
でも社長を退いたってことは、高砂ママ自身は既に出産に耐えうる体じゃないってことですよね。(毒針も効力衰えるのかな?)
他に残っているであろう鬼子母神チルドレンが時代に沿ったものの考え方ができる人たちであって欲しいです。(無益な復讐殺人ノーサンキュー)
そして、熊川さん……あれ程生きろと言ったのに;;(落ち着け)
喉笛……多分引田さんですよね、最後まで魅せてくれたなあ……すっごい執念ですね。
最後のお館大火災で蝋燭という小物が効いてて「この為か!」って思いました。
個人的には子供守りたい一心の妃倭子さんが、最後にひと暴れして「蝋燭ばーん」してたら胸熱です。
本当に面白い作品をありがとうございました。
作者からの返信
ご感想ありがとうございます。
一応、事前に作品原稿は用意していましたが、きちんと完結できて良かったです。
たびたびコメントを寄せていただき本当にありがとうございました。
ご想像の通り、高砂さんはもう出産できなくなったので、娘に代替わりしています。
そして、椿さんが生き残っていたらまだ解決策はあったかもしれませんが、残念ながら(?)高砂さんのほうが残ってしまいました。
他の鬼子母神の子がいるのか、どうなっているのかは分かりません。
もしかすると裏に巨大な組織があれば、また別のホラーになりそうです。
熊川さんは……すいません。
実はあの人が一番可哀相だったかもしれません。
ラストの展開は色々と悩みましたが、何が起きてどうなったかは詳しく書かないことにしました。
確かに、妃倭子さんが残る理性で道連れを図ったとしたら、胸熱です。
私もそう思うことにします。
最後までありがとうございました。
またよろしくお願いします。
完結おめでとうございます。
更新されるのをいつも楽しみにしていましたので、少し寂しい感じです。
心に残る作品、ありがとうございました。
次回作も楽しみにしています。
作者からの返信
ご感想ありがとうございます。
嬉しいです。いつもありがとうございます。
連載にするとこちらも各話ごとにご感想をいただけて楽しかったです。
またよろしくお願いします。
近しい業界で働いております。
土の匂いや、むせかえるような室内の匂いまで想像させる、とても迫力のある作品だと思いました。
あまりホラーは読まない方なのですが、読み始めたら止まることなく最後まで読み進められました。
先生みたいな匂いまで分かるような作品の足元にも及びませんが、すごく刺激を受け、新しい作品に取り組めそうな気がします。
素晴らしい作品をありがとうございました。
作者からの返信
ご感想ありがとうございます!
最後まで読んでもらえて嬉しいです。
ホラーということもあって臨場感を持ってもらえるよう頑張りました。
創作の刺激になれて良かったです。
これからもよろしくお願いします。