友人に、嘘をつく
「なあ、
幼馴染みである
解いていた数学の問題から、伊藤の方へと視線を上げる。ペンを回しながら窓の外をぼんやりと見ている伊藤の顔色は、普段通り。おそらく、課題が1問も解けないが故の現実逃避。
「いないなぁ」
「サッカーやって、本読んで、勉強もやってたら、そんなこと考える暇なんて」
それだけを、なんとか口にする。
「そうだな」
僅かに口の端を上げた伊藤に、
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