合格祈願
「あ、ここにも神社」
白い息を吐いた
「お参りして行こうぜ」
そんなトールを余所に、幼馴染みの伊藤はすたすたと小さな境内に足を踏み入れ、落ち着いた佇まいの社に手を合わせた。
「合格してますように」
今日は、大学の後期入試の合格発表日。前期は不合格だった伊藤にとっては、もう一人の幼馴染みである
「もうそろそろ、時間」
スマホの画面を確かめてから、まだ祈っている伊藤の背中に声を投げる。
ここまで熱心なら、きっと、神様も伊藤の願いを叶えてくれる。春の風に冷たさを覚え、トールは再び小さく肩を竦めた。
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