第9話


会っているらしいんだが、俺は記憶力があんまよくない。


「ごめん、、俺、覚えていないや、、」


「いいの!私はちゃんと覚えているから!」


「親の期待に応えるために目にクマ作りながら

勉強してたあの頃、休み時間に私にリンゴジュース奢ってくれたじゃん!」


「「顔色、悪いぞ。これ、飲めよ...」


とか言ってさ!」


「えーと...」


俺は記憶を辿った。


確か、見るからに真面目で見るからに

大人しそうな地味な見た目の三つ編み女子の

体調を心配して、なんか、飲めばいいんじゃね?的なことしたかもしれなかった」


本当は俺が飲みたかったけど。


母親が持たせてくれた缶ジュースを

あげたような記憶がなきにしもあらず。


確か...


それがきっかけで、

まぁ、話しかけて、

あまりにも参考書積み上げて勉強してるから、


「そんなに参考書いらねぇんじゃないの?

もっと楽して肩の力を抜けばいいんじゃねぇの?」


「つまりさ、その、テストに出るとこだけ

勉強すればいいわけでさ...」


俺はそんなようなことを偉そうに力説し、


塾から配布されたうちの少しの参考書しか持ち歩いていないことを彼女に示した。


「しかも、俺、全部やってないんだ。

家に置いて使ってないやつもある。

苦手なとこだけ、やってさ。

あとは思い切り寝て遊んでるんだ。

それでいいんだよ」







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