第10話

遠い昔の記憶にはなるが。

林ユーコに断片的に語られて俺は少し思い出してきた。


次の日から彼女は顔色がよくなった。

心なしか、肩の荷が取れたように足取り軽く歩いていたように思う。


「山吹くんのおかげだよ」


「随分と肩の力が抜けて、今は楽しく生きてる!」


「それで、チャイムが鳴るまえの話の続きは?」


「俺、大好きなんだ。その、ド派手なギャルの林さんのこと...。だからその、昨日は大嫌いなんて言ったけど、それ、大嘘でさ...!」


「!それはよかった!

実はさ、私は罰ゲーム告白なんて言ったけど、

それ、大ウソでさ...!」


「それって、つまり、、」


「両思い!」


俺らの言葉が重なってきれいな音となった。


それから、林さんが、

俺の手を引っ張り、


「よーし、そーと決まれば、

思いっきりイチャイチャしよ?」




などと言って。

このあと、

俺を思う存分に連れまわしたことはここに

書くまでもない。

そのため、

俺はヘトヘトになった。


デパートにファミレスに、ゲーセンに、

カラオケに...。


かなりの梯子で。滅茶苦茶疲れた。


ま、すげー、幸せだったからいいけど!!

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