第5話 身体測定
体操着に着替え体育館へと移動すると同じクラスの女子の半分はすでに集まっていた。
体育館の壁際には身長計や体重計や視力表などが間隔を開け並べられている。
待ちに待った身体測定が始まるのだ。
グラウンドでは男子が先に体力測定を行い時間で交換となる。
まず気になるのは人間関係。
入学式前から連んでいたあの3人は中学からの仲なのかな。
クールそうな美人の神林さん、ショートカットで背の高い上島さん、人懐っこそうな夏川さん。
上島さんは神林さんと夏川さんの髪を綺麗に結んでいた。
世話焼きなのかな?
世話焼きさんとクールビューティーの百合は個人的にグッとくる。
でもでも人懐っこいロリが他の子と仲良くしていて嫉妬しちゃうクールビューティーも悪くない。
三角関係の百合、良い。
自己紹介のときから一番気になっていた百合は、壁際にいる人見知りそうな背の低い井田さん。
あとはまだ来ていないけど髪色も性格も明るい藍川さん。
クラスで一番初めの自己紹介にもかかわらず物怖じせずに明るく軽い挨拶をしていた藍川さん、その次だった井田さんは名前だけ、か細い声で言って俯いてしまって。
そうしたら、後ろの席の井田さんに小声で頑張れって藍川さんが応援してて……。
ギャルと暗い子は王道。
その2人の絡みも今日あればいいな。
✳︎ ✳︎ ✳︎
チャイムが鳴り身体測定が始まる。
それぞれ測定する場所の前に並び順番に測定を済ませる。
去年よりも身長が1センチ伸びていた。小学生の低学年までは飛鳥より高かったのに徐々に追い越され今では飛鳥のほうが6センチも高い。
まだ飛鳥は伸びるのだろうか。
このまま身長差は縮まらないのかもしれない。
「もうー、瑞希は意外にドジなんだから」
前に並んでいた世話焼き上島さんがクールビューティー神林さんの頭をぽんぽんとしながらそんな事を言ったいた。
おぉ、上島さんにだけ見せる意外な一面かな。
それに頭ぽんは好意を持ってないとなかなかやらないのでは……
ふと今朝のことを思い出しすぐにその考えを否定した。
いや、今時は誰にでもやるか。
まだこの3人は様子見っと。
その後も外での測定も順調に終わり、帰宅となった。
クラス内での百合が豊富で充実した1日だった。
今夜はぐっすり眠れそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます