第4話 番外 飛鳥編
俺が恋をした女の子は、女の子同士の恋愛、所謂百合が大好きだ。
百合好きが開花したのは、中学生のときに書店で間違えて買ってしまった漫画によるところらしい。
漫画の好きなキャラを語るような、そんな一時的なものだと思っていたが、それは中学3年間続いていた。
同級生は自身の恋の話で盛り上がっている中、彼女は妄想の百合の話を俺に熱く語っていた。
彼女自身の恋愛の話は一切なく、3年生に進級した俺はもしかしたら彼女の恋愛対象は女の子なのかもしれないと考えるようなり焦っていた。
声が変わり、体つきも変わり始め“男”になっているのを感じたからだ。
近所の公園で出会った時から10年もの間、彼女のことを思っていたのに。
どうにかして彼女の心を掴まないと。
そして考え抜いて出した答えが女装だった。
姉にメイクを教えてもらい、歩き方や仕草、声の出し方など女装の知識を1年間猛勉強した。
猛勉強の成果を見せる入学式当日。
彼女の姿を遠くから見つけ、胸が高鳴る。
慣れないスカートでスースーする足を一歩踏み出し、彼女のもとへ向かうのだった。
彼女との理想の百合に近付くためにーー。
絶対私に惚れさせる!!
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