第7話
『今日の放課後、国際教室にきてください』
そんな旨が書かれたメモ用紙が俺の机の引き出しに入っていた。
差出人は不明。しかし、筆跡からおそらく女子であろうことは伺える。
「きっとまた、告白とかなんだろうなぁ…」
俺は、少し憂鬱な気分になりながら、その日の授業を過ごして行った。
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「来てくれてありがとうございます。大地君」
放課後、俺が国際教室に向かうとそこで待っていたのはすみれだった。
「なんだ、すみれか。ようがあるならなんでも聞くぞ」
正直、待っているのは名も知らない女子だと思っていたので、すみれがいたのは嬉しかった。
「大地君。今までの私に対する嫌がらせの犯人が分かりました」
すみれは、そう先に話すと驚く俺を尻目に話を続けて行った。
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「はぁ!?よりにもよって洸が犯人だと?すみれ、冗談もほどほどにしろ」
「ですから、これは私の憶測です。間違っている可能性の方が高いのです」
だからといって、俺の親友を犯人呼ばわりするとは、呆れて声も出ないよ。
「証拠、持ってこいよ」
俺は、すみれの態度に呆れ返って、親友が犯人だという証拠を要求した。
「っ!それは…」
案の定、親友が犯人だという証拠はないらしい。すみれは目に見えて動揺し始めた。
「これに懲りたら、もう2度と俺の親友を犯人呼ばわりするなよ」
俺は、少し凄めて言うとすみれはコクリコクリと首を縦に振った。
その日から、俺とすみれの仲に亀裂が生じてくるようになった。
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