第6話
「ヤベェ、早く取って戻らないと」
俺は、移動教室の授業である理科の教材を教室に忘れてしまったため、取りに戻っているところだ。
今日は、実験を行うため普段の授業より必要となってくる。
教室のドアを開けて入ろうとすると、怪しい人影が教室にいることがわかった。
ちょうどその人影は、すみれの席で何かをしているようだった。
「誰だ…?」
俺はこっそりとバレないように中を覗くと、その人影はよく見知った人物であった。
「洸…?」
その人物は、俺の親友の洸であった。親友は、すみれのバッグに泥水をかけていたのだった。
……………………………………………………
「なぁんだ。そういうことだったのか。疑って悪かったな、親友」
「大丈夫だ。というより、あんな現場を見たら誰だって僕がすみれさんいじめの犯人だと思うよ」
俺は、真相を確かめるべく中に入ると親友を問いただした。
すると、このバッグの状態は親友が来た頃には既になっていたらしい。
「深夜の電話の件もあるし、これ以上すみれさんに精神的負担はかけられない」そう思って、どうにかして汚れを落とそうとしていたのだとか。
泥水だと思っていたのは俺の勘違いであった。現に親友が持っていたのはただの水であったし。
親友の話を聞いた俺は、2人で必死になってバッグを洗った。
先生に怪しまれないように時間も見つつだったのでかなり難易度が高かったが、なんとかやり切った。
そして、このバッグの事件はなんとかすみれに知られずに片付けることができたのであった。
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