第3話 人生をもう一度
眩い光を目に受けて目を閉ざした瞬間に浮遊感を体に感じた。
立っているのか横に倒れてるのか解らないフワフワした感覚が自分の意識を刺激する。
不意に体の一部から感触と温度を感じた。
あの空間を歩いているときに無かった感覚だ。
人肌の感触が背中に感じ、音も聞こえて来た。
「よく頑張ったな」
男性の声が聞こえる。
(よく頑張ったと言うことは俺は助かったのか?)
「今度も男の子ですね」
若い女性の声が聞こえて来たが言葉の内容に違和感を覚えた。
(今度も男の子?俺は子を付けるほどの年齢では無いし、今度って自分と同じ状況の人が他にも居たのなら猛毒ガスなどのテロか薬品の流出系の事故ではないだろうか?)
女性の言葉の内容で自分が倒れたのは過労の末だと思って居たがもしかしたらかなりの大事件に巻き込まれたのかもと思った恐怖と命だけは助かった事への安堵が入交、対処できない感情になっていた。
慌てても仕方が無いと一度冷静になり、状況の確認を行おうと目を開けると思ったが思うように開けられない。
呼吸をする度に鼻からは病院特有のアルコール臭が感じることから病院だと思われるが自身の状況が理解する方法は難しいので声を出した。
「おぎゃー」
自身が発した言葉に疑問を覚えたが怪我の影響か体力の限界に達したのか眠気が襲って来て、意識を手放すことになった。
~~~~~????サイド~~~~~
「元気な男の子で安心したよ」
男性は妻に笑顔で労いの言葉をかけた。
3人目の子供ではあるが上の二人は未熟児だった為、生まれた後も健康で居られるか心配だったのだが、今回の子供は元気な状態で生まれてきたので安心したのが本音だった。
3人目も男の子で残念だが父親としては娘も欲しくはあったが接し方が分からないのでその点も安心した気持ちは大きかったが、妻の方はそうではなかったらしい。
女性一人で結婚前から娘が欲しいと言ってた妻の顔は嬉しさもあるが残念さも少し出ていた。
けれど愛らしい我が子を見ると男の子でも健やかに育ってくれれば良いと思い笑顔で生まれたばかりの我が子を抱き抱えた。
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