第1話 初めての経験
私がカケルと出会ったのは、とあるSNS。
カケルから連絡がきたのがはじまりだった。
最初は普通のやり取りから始まった。最近ハマってることやゲーム、テレビの話、学校であったことやカケルの仕事の話。低姿勢な彼に私はどんどん惹かれていった。
男性とのお付き合いの経験すらない私は、男の人とやり取り出来るだけで舞い上がっていたのだと思う。
しかし、そんな彼が豹変し始めた。
やり取りを始めてから2週間。私たちはSNS上のやり取りから、L◯NEへのやり取りへと切り替えた時からだった。カケルがやたらと『会いたい』と私に言うようになってきたのだ。
カケル「俺、車あるし。杏里沙ちゃんの家まで行くよ?」「夜中なら親も寝てるし大丈夫じゃない?」「ねぇ、会おうよ。」
彼は私に会いたいと何度も何度も言うようになってきた。
顔も知らない人から、会いたいと懇願される。しかも私の家で…。
私はそんな彼が少し気味悪く感じるようになっていった。
だが、事態が急速に展開したのは、やり取りを初めてから1か月後のこと。
私は、一回だけと言う言葉に騙され、彼に住所を教えてしまったのだ。
カケル「一回だけでいいから会いたい。ねぇ、お願い。杏里沙ちゃんに会いたい。」
お願いされたら断れない性格。私は、そんな自分の性格を恨んだ。
カケル「じゃあ、今日の夜中に杏里沙ちゃんの家に行くね。1時くらいでいいかな?」
私「大丈夫だと思います。」
私の部屋と両親が寝ている部屋は結構離れていたため、物音は聞こえない。
彼を私の部屋に入れることなんて簡単なことだ。会って何をするのかなんて、男を知らない私が想像つくはずがなかった。
0時30分。遠くから車の走る音が聞こえてくる。結構、低い音。暴走族みたいな感じの音。私の家の周りは民家が少なくシーンとしているから、そんな音がよく響く。
0時38分。彼からL◯NE通話がきた。
カケル「多分、家の近くまできた。でも、俺の車の音うるさいから、遠くにとめてから歩いてくるね。」
そう言い、彼は電話を切った。
私はすごくドキドキしていた。こんな真夜中に、しかも両親にバレてしまわないか心配だし、彼と顔を合わせるのだって初めてだったから。
しばらくすると、私の部屋の窓をコンコンとノックする音がした。
『来た』
私は手が震えながらもカーテンを開けて窓の外を見た。そこに立っていたのは、少しぽっちゃりとした男だった。
窓を開け、彼を部屋の中へ案内した。
部屋の明かりで彼の姿が良く見えるようになった。身長は私とあまり変わらないくらいだったから、多分160センチくらいだと思う。容姿は、おじさんという感じで28歳とは思えなかった。
カケル「はじめまして。杏里沙…ちゃん、だよね?可愛いね。」
私「あはは…」
私は苦笑いすることしか出来なかった。
『28歳っていったから、少しかっこいい人かと思ってだけど…。おじさんじゃん…。』
少しガッカリしたのを覚えている。私は、理想が現実になることはないと、この時に痛感するのだった。
カケル「ここが杏里沙ちゃんの部屋かぁ。女の子って感じの部屋だね。」
カケルはソワソワしながら、私の部屋を見渡していた。
私「あまり見ないでください。恥ずかしいです。」
カケル「じゃあ、早速。…始めようか。」
私「え?」
彼はそう言うと、急に私に抱きついてきた。
私は事態が把握できなかった。
カケル「男と女がこんな夜中に会ってすることって、1つしかなくない?」
彼の一言で目が覚めた。
『あぁ、そっか。この人は、体目当てなんだ。』
私が求めていた純粋なお付き合いではなく、ただヤリたいだけのお付き合いだったと、気付かされた。
私は彼を拒んだ。
私「やめてください。」
カケル「なんで?家に呼んだってことは、期待してたんでしょ?」
私「違います。そんなつもりじゃ…。」
私は、彼から離れた。
すると彼は、私の部屋を見渡し、ある一冊の教科書を手に取って、こちらに見せてきた。
カケル「ほら、保健体育の授業を始めようか。」
私の耳元でそう呟く彼。私は、血の気が引いたように、体が凍りついて動かなくなってしまった。
『気持ち悪い…』『逃げなきゃ』
そう思っても、体が動かない。声も出せない。
私は、彼にされるがまま。服を脱がされ、体中を触られた。
カケル「気持ちよくなってきた?」
また耳元で彼が囁く。私は首を横に振った。
ただただ怖くて、気持ちが悪かった。気持ちいいなんて分からない。でも、抵抗できないよう、彼は私の手を握っている。
力が強くて、振り解けない。男の人ってこんなに強いんだと、改めて知った。
カケル「ほら、ズボン脱がすよ。」
私「やめ…んっ」
私は口を塞がれた。初めてのキスだったのに…。こんな男とするなんて。気持ちが悪い。私は涙が込み上げてきた。
カケル「泣いちゃうほど嬉しかった?」
もう彼の言葉なんて耳に入ってこないほど、私は傷心しきっていた。私が抵抗しなければ、彼は満足してくれる。そう思った私は、黙って彼に従った。
カケル「下、触るよ」「どう?気持ちいい?」
私は黙って、目を瞑り、泣くだけ。すごく怖かった。
カケル「あのさぁ、杏里沙ちゃん。もしかして初めて?」
そう言った彼は、泣いている私を見て、笑った。
カケル「あはははは。じゃあ、優しくしてあげないとね。初めてもらうね。」
彼は容赦なく私に自身のモノを近づけてきた。
カケル「入れるよ…。」
ゴムさえも付けていない彼のモノが、私の中へと入ってこようとする。『痛い』私は声も出さず、じっと堪えるしかなかった。
カケル「ほら、力抜いて。ゆっくり入れるから。もう少しで全部入るよ。……入った。気持ちいい?」
もう彼の声なんて私には届かない。分かるのは痛いってことと、気持ち悪いってことだけ。
『早く、早く終わって』心の中で、そう願うしかなかった。
カケル「だんだん慣れてきたかな。…激しく動くよ。」
そう言うと、彼は腰を容赦なく動かしてきた。
すごく痛かった。怖かった。私は、彼に黙って従うだけ。もう自分自身がどうでもよくなった。
目の前のこの男は、自分の性欲を満たすためだけに、私を利用してるだけ。私の価値なんてそれだけのもの。
カケル「あっ…もう、イ、イクッ」
そう言い、彼の液体が私の顔面にかけられた。
『やっと終わった』
私は、心にぽっかりと穴があいてしまったような感じがしてしまった。自分には体を貸すことしか価値のない人間なんだと…。
彼はコトを終えると、すぐに私の家から帰っていった。
カケル「気持ち良かったよ。ありがとう。また連絡するね。」
そう言い残して…。
これが・・・私 MoKo @kitty1010
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