第181話

「何になさいますか?」


お守りを買おうと売っている出店によると、笑顔で話しかけてきた。この巫女さん大和撫子って感じがして美人だな。見た感じ高校生か。俺は見とれていると、長濱さんが目をハイライトオフにして俺の頬をつねった。


「何見とれてるの?もっと私を見てよ。ねぇ」


完全にヤンデレモードに入っている。なんか最近多くない?ヤンデレモードに入るの。彼女がいるのに見とれてたのは悪いけど。長濱さんが反応するのは違くないか?いやでも好きな人が見とれてたらこうなるのか。でもそんなときって頬を膨らませてもぅすぐに見とれてるんだからぁーとあざとく言うもんじゃないのか?あざといどころか恐怖を感じるんだが。


「見とれて悪いな。長濱さんのほうが美少女だぞ。後健康のお守りをください」


ヤクザ相手にすると何が起こるか分からないからな。健康第一だ。刀とか拳銃持っていたらどうしよう硬化の呪術でもかけるか。そうすれば死にはしないだろう。


「もう美少女だなんて照れちゃうよ」


そういうと腰をくねくねさせていた。危機は脱したようだ。


「彼女さんは何にします?」


「彼女なんてやっぱお似合いに見えます?」


「美男美女のカップルに見えますよ」


実際は付き合ってないが、ここで否定するのは面倒だからやめておこう。あの泥棒猫がいいの?とか言ってまたヤンデレ化しそうだし。少しは俺も何を言ったらヤンデレ化するのか少しは分かる。


「カップル専用のお守りで」


そんなのあるのかよ。て言うか俺達付き合ってないが、今は付き合っている設定なんだよな。ならここで口を出すのもおかしいか。後さっきから殺気染みた視線がすごい。人が多くてどこにいるか分からないが。


「はいそれでは千円になります」


「ここは俺が払うよ」


「ありがとう」


満面の弾けるような笑顔を見せた。俺はその笑顔に彼女がいるのに見とれてしまった。だって仕方ないだろう屈託のない笑みでアイドル以上の可愛さだったんだから。それとキュンとした。やっぱり記憶を思い出しかけてるから長濱さんへの気持ちが出てきてるのか。


「ああ、大切にな」


カップルじゃないのに何を言っているんだか。長濱さんは大事そうに受けとり、家宝にするねと言った。いやお守りは常に持ち歩いた方がいいだろう。家宝にされても困るんだが。


神社を出ると俺達は稲荷神社に向かった。百を越える鳥居がを見るのが楽しみだ。あの光景は壮観だろう。俺も家を買ったら鳥居を作って小さなお社を作りたいレベルに鳥居は好きなのだ。


「百の鳥居楽しみだね」


「そうだな」


俺達は電車に乗ると、ソードアート・オンラインのゲームをしながら向かっていた。そして電車を降りると、仲間は増さんが伸びをした。うお、大きい胸が際立つ。cカップぐらいはあるよな。すると長濱さんはニヤッとした笑みを浮かべた。


「ふふ私の胸がそんなに気になる?付き合ったらさわり放題だよ。あの泥棒猫よりもでかいしね。触り心地も抜群だよ」


それは魅力的だが、前に雪歩でそれを誘惑されたことがあるのでかえって冷静なった。巨乳は人類の宝だが、足の方が魅力的なんだよなぁー。胸じゃ俺は靡かない。足だともしかしたら誘惑に負けるかもだが。


「俺は胸じゃ動かんぞ。巨乳は好きだが」


足と胸のバランスが整っているほど女子は魅力的だ。つまりバランスの整っている長濱さんはかなり魅力的に写る。まぁかなえと付き合っていなければその誘いにも乗っていただろう。かなえは胸はそんな大きくないし。だが性格と相性はいい。俺は外見よりも内面で選ぶタイプだ。だからかなえを好きなった。


「むぅ胸じゃダメかー。性格も悪くないと思うよ」


確かに性格はいいと思うが、ヤンデレがな。そこをどうにかしてほしい。雪穂との関係を見たら嫉妬で殺しかねないぞ。あいつめっちゃくっついてくるし。


「まぁかなえとの相性が良いんだ。そんな簡単に他のやつには靡かないわ」


「泥棒猫より魅力的になって正弘くんに好きと言ってもらえるようするよ」


さっきから前よりも強い殺気の視線を感じる。かなり近くに。後ろを振り向いても誰もいない。あいつ隠れるのうまいな。うまく人混みに紛れてる。


電車に乗り、稲荷大社に向かう。今から行く地形は把握してある。できるだけ暗い道に行かないようにしなくてはな。長濱さんを誘拐されるわけにはいかない。


「ねぇ狐って願いは叶えるけど対価はすごいらしいよ」


「それじゃ何かを願うのはやめとくか。せめて現状維持とか」


「そうだね渡しは泥棒猫から正弘くんを取らなきゃいけないけど。それは他の神様に祈って、正弘くんと仲良くてできますようにと願うよ」


狐か、前は狐の使いが見えたんだよなぁー。何も願わなかったけど。だって狐こっちにらんでたし。


「着いたな。長濱さん俺から離れないようにな」


「分かったよ。うわー人多いね」


「そりゃここは有名だからな」


「私裏ルート調べたんだ。そっち行こう」


裏ルート?人混みが少ないところか?まぉ早く着くならそっちの方がいいか。人混みは疲れるし。俺達はちょっと人が少ないところに行った瞬間鈍器のような物で頭を叩かれて俺は倒れてとっさに幻覚の呪文を唱えた。ここでやってくるとは。人混みもそれなりにあるのに。あ、美海がスーツを着たヤクザにつれてかれたところを倒れながら見た。急いで頭に霊気をためて呪文を唱えて回復して殴ったであろう牧村を見た。牧村はよだれを垂らして俺をにやにやと見ていた。

 






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