第174話

銀閣寺に着くと、俺は銀閣寺もいいなと思った。金閣寺と違って壮麗な感じではなく武士のわびさびを象徴な造りだ。やはり中も見たくなる。頑張って声優になって売れようと決心してると、長濱さんが銀閣寺も見ながら話しかけてくる。


「将来はこんなところに住みたいね」


「そうだな、中は分からないが美しいことは間違いない。まぁ相当お金か刈るから武家屋敷でもいいんだが」


今の俺の印税だったら武家屋敷には将来住めるかもしれないからな。声優として売れれば銀閣寺みたいな邸宅を建てることも可能かもしれない。それだけ夢がある職業なのだ、億万長者いるしな。


「武家屋敷、それもいいかもね。家政婦を雇って、ご飯だけは綿さと家政婦さんが作って、広い部屋で子供と一緒に庭を眺めながら食べて、自然の美しさを感じるっていうのもいいかもね。武家屋敷なら私の家が参考になるかな?いや建っているのを正弘くんと決めるのもいいかも。階級が高い人が住んでた所なら庭も美しいしね」


なんで結婚することが前提なんだよ。まだ記憶戻ってないんだが。そんなに記憶喪失になる前の俺は長濱さんのかと好きだったのか?まぁ武家屋敷に一人で住むことはないだろうし、住み込みの家政婦も雇うが。色々と手入れが大変だからな。


「一緒に住むのは別として、最高級の木を使ってる武家屋敷がいいな」


すると長濱さんの目から光が消えてハイライトオフになり、笑顔を向けてくる。ヤンデレモードになったな。俺が誰かと暮らすことを前提に話したからだろう。マジて怖い。どこで地雷踏むか分からない。そして長濱さんは俺の手を握る。


「ふふふふ正弘くんは誰と暮らすつもりなのかな?私以外と暮らすなんて許さないよ。それとも嫉妬をさせるつもりなのかな?そんなことを差なくても私は正弘くんを好きでい続けるよ。例え好き人がいたとしても排除して」


排除するって何をするつもりなんですかね?怖いよ。記憶喪失になったばっかしの時はここまでヤンデレ化は進んでなかったと思うんだが。それに電車のなかでチラッと本が見えたが洗脳の方法っていう題名だったんだが。洗脳って従順にさせるつもりか?家に監禁でもして、いや別荘を持っているって言っていたからそっちか。どのみち恐怖しかないが。


「それで次はどこだっけ」


このまま続けると恐ろしいことを言いそうだったんで無理矢理話題を変えた。怖いわけだったんじゃないぞ。戦略的撤退だ。嘘です。誰かを始末しそうで怖かったんで話題を変えました。


「下鴨神社らしいよ。美人になるご利益があるらしいから先生が行きたいらしいね。あの先生美人なのにこれ以上なってどうするのかね」


まぁあの先生は勘違いをしてるよな。結婚できないのはめちゃくちゃ歴史オタクで周りが引くほど歴史を話させたら止まらない所なんだよな。婚カツでうまくいかないのもマシンガントークが原因だろう。


「誰しももっと美しくなりたいと思うもんだろう。長濱さんはそいうのないのか?」


「私はないかな。内面をもっと磨きたいな。正弘くんだって外見で人は選ばないでしょ」


ある程度高いレベルに行くと人は見かけにはこだわらないのか?ちなみに俺は確かに外見で人は選ばない。相性と性格で選ぶ。そう考えるとかなえとは相性抜群かもしれない。趣味は合うし。まぁかなえが合わせてるかもしれないが、無理はしてないだろし。


「声は重視するがな」


「それなら私とか最高じゃない。アニメ声だし。正弘件の好みの声だと思うよ」


確かに長濱さんは声優をやっていても違和感ない。むしろそのトップレベルの外見と声で声優界のナンバーワンになれるまである。まぁ長濱さんが声優を目指すならアニメ化したらでてもらいたい。


「確かにな。声優に興味を持っているか?」


「そうか今の正弘くんは知らないんだね。私スカウトされて今は声優の養成所でレッスンを受けてるんだ」


長濱さんアニメとか見なさそうなのに意外だな。アイドルになるのは分からなくもないが。長濱さんならアイドルでもトップを取れるだろう。むしろ笑顔で踊ってるところをみたい。だが声優も今じゃアイドル声優もいる。だからその路線で行くのかもしれない。


「長濱さんならきっとトップ声優になれるぞ」


「声優を進めてくれたのは正弘くんだよ。だからもしトップ声優になれたら正弘くんのお陰だよ」


記憶喪失になる前の俺ナイスだな。長濱さんに声優を志したのは正解だ。だがスキャンダルには厳しいんだ与那今の声優界。ヤンデレが起こる長濱さんが俺のことをツウィターでファンを巻き込んで追い詰めないか心配だが。というか恋人ができたら炎上しないだろうか?


「あ、移動するみたいだよ。それに先生張り切ってるね。恋愛成就もあるらしいから婚カツを願うんだろうね」


生徒のなかでは結構人気があるんだかなあの先生。オタクなところもギャップがあっていいってな。だがあの先生は年上にしか興味を持ってないから告白も断っているらしい。


「それ叶わないでいつか三十路になりそうだな」


そう言ったら先生になぜかにらまれた。え?あんなに遠くなのに聞こえたの?それとも勘か。勘だとしたら鋭すぎだろ。だが先生は恋愛のほうが大切なのか我先にと最寄り駅に向かった。













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