第173話
恐らくストカーをしていたのは牧村だろう。だが、疑問に思う?馬子さんは拉致をすると言っていた。つまり一人ではなく複数の犯行ということだ。てことはもしかして牧村とヤクザが手を組んでいるのか?じゃないと修学旅行の日を分かるはずがない。そう考えると、厄介だな。元竜山高校の生徒がヤクザと知り合いだなんて知られたら学校の評判は落ちる。だから警察沙汰にしないで内々で処理して、拉致されたらそのまんま行方不明のまんまにする可能性がある。うちのOBには警察のお偉いさんもいるからな。まぁまだ40歳くらいだかそれなりの役職には就いている。だから揉み消すことなど簡単だろう。
『ふっさすが我の子孫真実にたどり着くとはな
さてそなたならどうする?』
『やられた振りをして犯人に着いていきますよ』
『ふむ、我は忠告しか出来ないからな。とりあえずことの成り行きを見守るためにそなたについていくか』
あまり今からやることにたいして口を突っ込まないで欲しいが、馬子さんが味方にいれば助かるな。もし俺が瀕死の状態になっても回復させてもらえる可能性があるからな。
『それじゃ我は眠るとしよう』
すると俺の中に吸い込まれていった。取り憑いた感じか。かなえ達を見るとまだなにかを言い合っている。犬猿の仲だな。痴話喧嘩かっていう視線を向けるのをやめてもらってもいいですかね。別に不倫はしてないからね。
「かなえそろそろかなえのクラス移動しそうだぞ」
「そうね、この続きはまたあとにしましょう」
「記憶さえ戻れば私のほうが好きだからね」
どんくらい長濱さんのことを記憶喪失になる前の俺は好きだったか分からないが、長濱さんが分かるくらいにはアピールしていたのだろうか?俺は好きな人ができるとそいつを大切に思う傾向がある。幼少期の頃の夢に出てきた少女が初恋で大切に思っていたのが伝わってきた。
「ふふふふその自信砕いてあげるわ」
そう言ってクラスのほうにかなえは行った。はぁーこりゃまた長濱さんのスキンシップが増えそうだな。あまり彼女がいるからしたくないんだが。それに周りの視線も痛い。二股かみたいな視線が多い。そして長濱さんは俺の手を握った。
「長濱さんや手を握るのはさすがにまずいんですが」
「クラスメイトのこと?大丈夫だよきっと私のことを好きになってくれるって記憶が戻れば思うからと言っておいたから」
なんで選ぶのが確定になっているんだよ。確かに記憶喪失になる前の俺は好きだったかもしれないが今はかなえのことか好きなんたぞ。前より今を取る可能性だってある。
「何が起こるか分からないだろう。それより移動するみたいだ」
先生は何人かの女子生徒に引きずられてる。蘇我馬子をもった感じたかったーとか言ってるな。その馬子さんは俺に取り憑いて今寝ているが。それにしても馬子さんの霊力半端ないな。前見た神様と同じくらいの霊力を感じる。式神にするのは無理そうだ。
「先生も歴史好きすぎだねー。私たちが馬子さんと喋ったって聞いたら興奮しそうだよ」
「そうだな。次は金閣寺か」
金閣寺は是非中に入りたいが一般客は入れないんだよなぁー。声優になって有名になれば企画で入れるかもしれないな。歴史好きの行く京都の邸宅みたいな感じで。有名になって入ってやる。この後は銀閣寺だが。そこの作りもまたいい。書院造とかな。庭とかも綺麗らしいし。
俺達は電車を乗り継いでいると、松永がまたナンパされて森田後追い返していた。さすがの圧力。強者の雰囲気を感じる。あいつに勝てるやつはいないんじゃないか?そして松永は目をハートにしている。
「私も外から見たらあんな感じだったのかな?」
「幼馴染なのか目をハートにはしてなかったがメロメロって感じではあったな」
本当あのときは森田を好きで好きでたまらないって感じたったな。あれなんで俺のそのときの記憶を持っているんだ?長濱さん関連の記憶はなかったはずなのに。
「もしかして思い出したの!」
長濱さんは至近距離に顔を近づけながら言った。いや近い。しかもいい匂いがするし。これが天使の香りか。石鹸の香りがする。なんで女子って同じものを使ってもこんなに匂いが違うのだろう。
「一部だけな。まだ思い出してないやつのほうが多い」
「でも大きな一歩だよ。これなら明日思い出せるかもね」
痛みを伴うのは勘弁して欲しいが。だ後死んだ振りをするためにはダメージを食らわなきゃいけないんだよな。お願いだからバットは勘弁してくれよ。ナイフも嫌だが。
「思い出したらどんな決断を下すんだろうな」
「私は私を選んでくれることを信じてるけど、もし織田さんを選んだら、フフどうなっちゃうのかな」
怖いよ。少しだけ目がハイライトオフになって黒い笑みを浮かべていたし。ヤンデレが進行してるな。森田はこの状態で攻められたんだろうか。だとすると同情するわ。この長濱さんはどこ泣いても見つけられそうなわだよな。生き霊とか放ってないよな?かなえといちゃいちゃするときほぼかならず思い浮かぶんだが。
「お願いだから刑事事件は起こすなよ」
「それは正弘くん次第だよ」
もしかなえを選んだら全力で守るか。spでもつけてなにもされないように。でもどっちかというと俺のほうが襲われそうな気がするんだが。まぁそのときそのときだ。後悔のない決断をしよう。
そんなことを考えてると銀閣寺の最寄り駅に着いた。やはり俺の青春は波乱万丈だな。
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