第170話

点呼をとったあとホテル向かっていた。長濵さんはその間よっぽど今日とが楽しみなのかずっと笑顔だ。かなえが出てきたらあの光のない目になるんだろうけど。あの目あの小説の表紙のことに似ているんだよな。ヤンデレになるとみんなああなるのだろうか?


「ホテルに着いたよ」


「一日目は集団行動だっけ?」


「そうだよたしか祇園に行くんじゃないかな?」


どうやら京都が楽しみっていうより、俺とデートできるのが楽しみなんじゃないかと思うような返し方だな。まるで祇園は興味ないみたいだ。清水寺とか結構景色いいと思うんだが。蘇我馬子の墓を見たいが、クラスでそこ行くか分からないだよなぁー。


ホテルに着くと、俺と長濵さんは分かれて俺は自室に向かった。俺は何故か一人部屋なんだよ。あれかぼっちにして俺を嘲笑うつもりか。ふっでも甘いな。俺は一人の方が変に気を遣わないからそっちの方が楽なんだよな。部屋割りを決めるとき俺は休んでいたからどいう決め方たのか分からないが、恐らく俺を良く思ってないやつの仕業だろう。森田は多分ないな。あいつは主人公だから害がない限り動かない。女子に対してはすぐに動いて屑を倒すが。


「一人部屋にしては広いな」


これてぼっちライフを満喫できるぜ。最近周りは人が毎回いたから自分の時間をあまりなかったんだよな。入院してるときは行動が限られていたし。まず露天風呂でも行くか。


俺はキャリーケースから服を取りだし温泉に向かった。温泉に着くと俺は服を脱ぎ引き締まった身体をさらけだす。将来的に見せる相手はかなえくらいしかいないが。だがいざやろうとすると長濵さんがこちらをジーと見つめているのと罪悪感が出てきてできないんだよな。でもかなえの不満を取り除くためにできるようにしなくては。

 

温泉に入ると、まず身体を洗って温泉に入る。


「ああ、疲れが取れていく極楽極楽」


早い時間のためまだ他の人は来ていない。そう温泉を貸し切り状態なのだ。最高だな。だが一人なると自ずと長濵さんのことを考えてしまう。あの告白を断って俺の心にはせっかくのチャンスをという気持ちを感じたのだ。記憶を失う前の俺がまだ心のなかにいるってことだろう。もういっそこと二人と付き合えば解決するんだが、長濱さんが、それを許すとは思えないし、倫理的にもダメだし。周りが止めるだろう。というか俺が殺される可能性まである。


「はぁーモテるって結構辛いんだな」


今までリア充爆発しろとか、モテてるやつは羨ましいとか思っていたが、まさかモテてみるとこんなに苦労をするとはな。誰かを選ぶと誰かが振られる。悲しい思いになるってことだ。だからリア充が一人を選ぶっていうところについてはすごいなと思う。悲しませてもその人といっしょにいたいったことだしな。


俺はそんなことを考えながらボーとしてそのあと健康によく景色がいい露天風呂に入り、その景色に心が浄化する気分だった。


すると男が入ってきた。そいつは森田だった。


「まさかここで尾関に会えるなんてね」


俺果てようとするがそれを止められる。何か話しでもあるのか?俺の長濱さんを奪いやがってと言って他の連中にリンチでもされるのか?


「んで何のようだ?長濱さんとか変わるなっていっても無理だぞ。あっちから絡んでくるんだからな」


「尾関のことは嫉妬をして時々にらんじゃうくらい恨んでる。尾関さえ現れなければと思うこともあるしね。まぁ元々は僕が告白を断ったのが原因だけど。だけどこの前のいじめの件で僕は気づけなかった。だけど尾関は気づき自分がいじめられても守ろうとした。僕はよく主人公だと言われる。だけど大切な人は守れない。尾関こそとなりにふさわしいと思ったりした。それとごめんね強引にキスをしてしまってあのときの僕は焦っていたんだ。それにまだ心がこっちに向いてると思っていた。だけど実際は僕のことは過去のものになっていたんだ。尾関が記憶をなくしたのも多分僕のせいだ。許してくれとは言わないが、美海のことを思い出して大切にしてやってくれ」


確かに俺が記憶を失ったのは長濱損がキスをしたからだろう。苦労して手に入るってものが過去の好きな人とまんざらもなくキスをしてたんだからな。だがそれは終わったことだ。今の俺はかなえが好きなんだ。


「謝罪は受けるがすまんが俺は今かなえが好きだから無理だ」


「それならせめて大切な友達として接してくれ。あのヤンデレを抑えられないんだ」


「まぁそのくらいなら。ヤンデレを抑えることは無理だぞ。俺とかなえが腕を組んでるだけで目から光を消すんだからな。あれは抑えるのは無理だ」


長濱さんのヤンデレは時間がたっていく後とにヤンデレ度合いがひどくなっているからな。正直監禁されるじゃないかと怯えるレベル。かと言って今の俺じゃ長濱さんは友達の人での認識だからな。


「頼む。ずっと僕は責められるんだ。あの光のない目で、正直恐怖がわいてくるんだ。確かに好きではあるんだが」


「はぁーできるだけ接点を持つようにするわ」


「頼むよ。でも僕は諦めてはないからね。かなえさんと付き合い続けるなら僕はアピールを続けるから」


俺はそれを聞き早く彼女にしないという気持ちがわいてきて、記憶を失う前の気持ちがわいてきたことにそろそろ思い出すのかと思いながらもかなえの悲しい顔をみたくないと思いもあった。







 













  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る