第169話

夢の中で俺は今幼少期の頃の記憶を見ている。顔は可愛く将来美少女になるであろう少女と話している。名前は出てこないが。俺にこんな記憶はなかったはずだ。


「ひさしぶりだねまさひろくんまさかこんなところであえるなんてね」


町並みからして京都だろうか。まぁ別れを惜しんだばっかなのにこんなところでであったらそいう反応になるわ。俺に幼馴染みがいたことは夢で知ってるが、名前は思い出せないんだよな。相手は約束すら覚えているか分からないが。


「これぞきせきだね」


「やくそくはこうこうにはいってからだけどね。それでどこいくの?」


「せいめいじんじゃだよごりやくがあるんだって、それにゆめでみたんだせいめいさんを、そしたらここにきなさいといわれてきぼうをかなえますよって」


俺は清明公を見たことがあるのか?それに希望を叶えるってどんな希望なんだ?


「どんなことをかなえてもらうの?」


「XXXXちゃんといっしょのこうこうであったらいつまでもいられるようにっておねがおねがいするんだー」

 

そのお願いはおそらく叶っていない。俺の好きな人はかなえだしこの幼馴染も誰か分からない。だからその夢は叶わなかったのだろう。清明公が出てきても、思いが続かなければ意味がない。


「わたしもまさひろくんとずっといっしょにいたいな」


「それじゃふたりでおねがいをしよう」


ごめんな幼馴染み。俺はその希望叶えられない。だが相手も幼少期の頃だし忘れているだろう。これが俺の初恋なんだろうな。初恋は叶わないと言うのは本当のようだ。


「正弘くんもう着くよ」


その声で夢から覚めて起きた。結構寝てたんだな。まぁ朝早かったしね。周りの興奮度合いがすごいな。京都ならみんな中学の修学旅行で行っているはずだと思うんだが。


「ああ、それにしても長濵さんの声は聞き心地がいいな。声優とか向いているんじゃないか?」


「今声優の養成所いるよー。しかも二ヶ月後オーディションに受かってデビューするんだー。脇役だけどね」


俺なんてまだ演技をするのがやっとなのにすごいな。美少女だしこの声だし、演技力もあるからビックリはしないが。なぜか俺の小説のヒロインに合いそうな気がする。俺もデビューできるように頑張るか。声優で有名になれば自分の作品で声優をできるかもしれないし。


「どこの事務所の養成所なんだ?」


「01プロデュースだよ」


めっちゃ大手じゃん。そういえば俺もなぜか病院に関係者が来てたが実力がそんなにないから断ったな。だが長濵さんなら通用するだろう。いつか女優をやっている姿もみたい。


「大手だな。そこなら安心して声優活動ができるな。弱小だと仕事ないからオーディションすら受けられない可能性もあるし」


「文化祭で正式に契約することになったんだー。女優進出も考えてるよ」


長濵さんだったらすぐにトップ声優になれるし、女優だって長濵さんほどの美少女なら演技力も文化祭であることが証明さるていたし、有名になれるだろう。


「正弘くんも出てたからスカウト来てたと思うんだけど」


「え?森田が出たんじゃないのか?」


俺の記憶だと森田が演技を、、、、あれ森田が演技してるところ練習でしか思い浮かばない。俺が主人公として出てたのか?だけどこその時記憶は思い出せない。長濵さん関連だからだろうか。


「、、、思い出せないんだね。やっぱりあのキスが影響してるんだ。わたしはあのキスのあと悲しそうでショックを受けている顔をした正弘くんを見つけて誤解を解きたいと思ったんだよね。あの頃から好きだったのかもしれないね」


「なにか言ったか?」


「何にも言ってないよ」


それならいいが悪口はないだろうが、なにかをたくらんでいたら止めなきゃならない。だって大体の確率でかなえになにかをするからな。まぁいじめの類いはないと思うが、多分かなえの目の前で俺に引っ付いてきたりだとか、記憶を失う前の俺とどれだけいたかとか自慢して、かなえの堪忍のおがキレる可能性がある。


「離陸するみたいだな」


「そうだね、それよりもまそひろくんの寝顔を撮ったんだけど待受にしていい?」


俺の寝顔なんてたいしてイケメンじゃないと思うんだが。森田が勘違いしたら厄介なことになりそうなんだが。森田の主人公のらしさがでて、敵意が俺に向きそうなんだが。まぁいやがらせ流行ってこないだろうが呪詛を吐かれる可能性はある。


「他の人にみられたら勘違いするからやめろ」


「んふふやだ♪」


そのあざとい笑顔萌えるじゃないか。少しずつ記憶をなくす前の思いを思い出しているのか?

だとしたら思い出すのが怖いな。ヤンデレにストーカー何が起こるか分からん。


「はぁー人には見せるなよ」


「ぶぅー自慢したいのに」


あざと可愛く言っても意味ないぞ。ほら申すてに森田がこっちをみて下唇を噛んでるし。周りの女子はそれをみて嫉妬している。要するに俺達の周りは敵だらけだ。


そして離陸が終わり荷物を持って俺達は飛行機を出た。いにしえの京都、最高だな。空港は広いそして俺のクラスは美少女が多く観光客客からよく見られる。もちろん長濵さんもよくみられている。そして俺には憧れだったり、嫉妬がむそうに降りかかる。視線に敏感な俺はそれだけで気疲れする。これで観光もするとか家で引きこもっていたい。


「行くよ」


すると腕を組んできた。所詮恋人繋ぎってやつだ。俺は彼女がいるのに紺なとかろをみられたら不味いと思ったが同時に嬉しくも感じると言うジレンマになった。


そしてそれを恨めしそうに見る男が一人いたことにこのとき俺は気づかなかった。














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