第152話

やがて食べ終わり、少し談笑をしたあと店を出た。そのときに土生ちゃんがこっそりと俺にメモ用紙を手渡した。後で連絡してくださいて値の耳元でいわれて。俺は耳が弱いからゾクッとした。それにしても声優に興味を持たれるとは。もしアニメ化したら土生ちゃんを起用するのをお願いするか。それに俺にメモ帳を渡したのは単なる興味だろうし。好きだということではないだろうな。付き合っている人がいるって言った時本気で悲しんではいなかったからな。元ぼっちの俺からしたら表情で大体の心情が読める。コミュニケーションは表情で会話してるって言ってたしな。誰かは忘れたけど。


「どこ行く?」


「ゲーセンに行こうよ~」


「なにか欲しいものでもあるのか?」


ぼっちこそ至高のゲーム、ユーホーキャッチャーなら得意だ。ぼっちは思考力が高く数学は苦手だが、計算をしてとるのは得意なのだ。ぼっちは観察眼も優れているからな。解くに100円で取れる軽い人形だったり缶バッチなどはおすすめだ。一回でかなり取れるからな。そういえば青春代行のグッツが秋葉原のゲーセンにあると利奈さんから聞いたな。


「青春代行のグッツがこの近くのセガ一号店にあるらしいからそれを取ろうと思ったんだ~」


セガにあったのか。俺もイラストは見たことあるが、アニメ調のグッツは見たことがないし、取ってみるか。元ぼっちの真骨頂ってところを見せるか。


「お兄ちゃんの作品結構人気がでてるんだね。私のクラスでも結構話題になるし」


ラノベを読まない層に浸透してるっていうのは喜ばしい限りだ。やっぱり長濱さんがヒロインを務めたのがでかいだろう。演技も良かったし、声がなにより良かった。声優としてもやっていけるレベルだ。


「ゲーセンに行くか」


「そのあとは神田明神に行こ~。あそこラブライブ!の舞台になったみたいだから一回行って見たかったんだよね~」


まさかラブライブ!まで見てるとはな。青春系に嵌まった感じか。ラブライブ!はアニメファンじゃなくても楽しめるないようになっている。部活の青春って感じだからな。あれは舞台化しても面白いと思う。


「それじゃその次は神田明神な」


メイド喫茶にも行ってみたいが、可愛いやつ二人連れて入るのはきつい。主に嫉妬の視線と、メイドが薄れてしまうくらいの可愛さは、メイドを不機嫌にして、楽しめなくなる。だから一人の時に行こうと思う。秋葉原は今度モデルにするからまた来るしな。一人で入れないなら変装させてかなえと来ればいいし。


少し歩くと、セガに着いた。お金に余裕があった時は良く来てたな。もちろんぼっちでだが。

リア充をぼっちの快適な空間に来るなと思いながら良くユーホーキャッチャーをやったものだ。


「うーん見つからないね~」


「そりゃアニメ化はまだしてないからな。他のアニメが優先なんだろう」


「まだってことはする予定はあるの~?」


「一応するぞ。来年の夏ごろだがまだ脚本家も声優も決まってないが」


俺がピンと来る声優がいないんだよな。ヒロインは一任されてるから俺が決めなければならない。長濱さんはなぜかイメージにぴったしなんだが声優をやるか分からないし。


「まぁ楽しみしてるね~」


「罰ゲームから始まる恋はアニメ化するんでしょ。これで人気作家の仲間入りだね。だから可愛い妹にグッチのバックを買ってね!」


「グッチて高校生のもつ鞄じゃねーだろ。まぁ余裕があるからいいが」


梨花はやったと言って喜んでいる。粗な笑顔を見れるだけで買う甲斐があるな。梨花に甘いと思うが、千葉の兄妹なら普通だろう。千葉県はシスコンとブラコンの県だからな。どっかの妹は兄と結婚式をあげたくらいだし。


「グッチ買うなんてやっぱすごい儲かっているんだね~」


十万部は突破したからな。五百万円は印税として入る。今は月々ずつお金をもらっている。しかもまだ重版をするらしく、罰ゲームから始まる恋はアニメ化でさらに多くの人の目に触れるだろう。


「それなりにな。一応人気作家の仲間入りはしたからな」


まだ現役高校生ってことで話題性があるから売れてるっていうのもある。正念場はこ回向を卒業した辺りだろう。現役大学生作家はたくさんいるしな。将来的には声優としても活動をしたい。そうすればその知名度で売れる可能性も高まる。まぁ普通に声優をして青春をしたいんだが。そろそろ養成所を探す時期かもな。


「私もお姉ちゃんが有名だから有名人が大変なのは分かるよ~」


「俺は名前だけだろ有名になっているのは。たからそんなに苦労しないぞ。声優になったら話は別だが」


「、、、、やっぱ劇に出演したことは覚えてないんだ~。やっぱり長濱さんは関連で何かあったんだね~。記憶を改竄するほどの事が~」


「なにか言ったか?」


「なにも言ってないよ~。あ、合ったよ青春代行のグッツ、しかもキーホルダーだし取り放題だね~」


俺の得意分野のユーホキャッチャーだな。まずは雪穂にやってもらってそのあと俺が取り実力を見せよう。これなら一回で三四個は取れるな。行き日100円玉をいれて真剣な表情でアームを動かし始めた。






























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