第151話

ここにきたら定番のカフェにきた。ここはホットケーキが美味しいんだよか。店員も可愛い人が多く、カフェなのに男性客も多い。ルックスでバイト雇っているんじゃなってくらいのレベルの高さだ。


「へぇ~結構おしゃれだね。やっぱり正弘くんはセンスあるね~」


ここに一人で行くには勇気が必要だったがな。だがそれを踏まえてもここのホットケーキは美味しい。決して女子目当てじゃないぞ。マサヒロウソツカナイ。


中に入ると席に座った。男が多いと言ってもすごい訳じゃないのでそこまで嫉妬の視線は感じない。なぜか女子からの興味を持った視線は感じるが。なぜかは知らん。


「ホットケーキか~。私はオーソドックスのやつにしようと~」


「私はこの抹茶にしようかな」


「俺も同じのにするわ。それじゃー呼ぶか」


ベルを鳴らし店員を呼ぶとすぐにきた。この間行った店員とは違う店員が来た。というか土生ちゃんだった。声優だけじゃ食べていけないからバイトもやっているのか。まだ有名じゃないから変装もメガネだけだ。土生ちゃんとで会ったのは確かテラスモールだったな。誰かと一緒に行った覚えはあるんだが、誰と行ったか覚えていない。


「ご注文はなにになさいますか」


「ホットケーキと抹茶ホットケーキ2つで。後で握手してください」


すると土生ちゃんは驚いた顔になる。ああ、ばれると思っていなかったのか。まぁそこまで有名な声優じゃないしな。でもどこか嬉しそうな雰囲気が伝わる。


「はい、いいですよ。頼んだものを持ってくるときに握手しましょう」


声優と握手するのは久々だ。気分が上がる。土生ちゃんはアイドルと比べても謙遜ないくらいに可愛い。恐らくすぐに売れるだろう。声も可愛いし」


「可愛いだなんて照れますよ」


「もしかして声に出てたか?」


「ばっちしと出てたよ~」


梨花以外に可愛いだなんて言ってないから恥ずかしい。?陰キャが調子乗るなよとか、美少女っていわれなれてるから嬉しくもないだろうし、キモとか思われてないよね?握手する前にそう思われていたら枕を濡らすわ。


「真正面からいわれるのは嬉しいですね。しかもイケメンからいわれるなんて」


今の俺はちょっとしたイケメンになったんだったよな。梨花の行きつけの美容院で切って。キモいと思われてなくて良かったわ。キモいと感じていたら俺の枕がびしょ濡れになる。


「むぅ~私の正弘くんは渡さないよ」


「いつから雪穂のに俺はなったんだよ。彼女いるしまぎわらしいこと言うなよ」


「まぁこんなイケメンだったらいますよね。少し残念です」


少し残念って俺狙われてたの?声優に?なにそれかなり嬉しいんだが。まぁその気持ちには答えられないが。彼女がいるし。まぁほんの興味程度だろう。


「それじゃ注文を伝えに行きますね」


そう言って厨房に向かっていった。俺は少しずつだがかなえを好きになっていってる気がする。きっかけは脅しだが、芯が強く真っ直ぐで、誰にでも優しく自分の物はとられないように動くところとか、自分に絶対的な自信を持ってるところとか好きだ。だがなぜかそう思うたんびに長濱さんの顔が浮かぶ。なぜだかは分からないが。


「むぅ~あの子にでれでれして~私だって負けないくらい可愛いのに~」


自分で言うかよ。まぁ実際雪穂は土生ちゃんにも負けないほどの美少女だが。だが土生ちゃんには芸能人オーラーが出てるんだよな。実際何人ものお客さんが土生ちゃんにみとれている。男女問わずだ。それだけの雰囲気があるのだろう。彼女に蹴られている彼氏よザマァみやがれ。


「雪穂十分可愛いと思うぞ。だが土生ちゃんは声優だ。オーラもあるから余計に可愛く見えるんだよ」


「声優か~私もやってみようかな?そうすれば正弘くんも応援してくれるよね~?」


「確かにするが、男が友達にいるってなると面倒だぞ」


まぁ俺も声優に目指してるから特に一緒にいても問題ないような気がするが。俺が推すからという単純な理由で声優をやってほしくない。恐らくやれば売れはする。見た目は美少女だし、声も悪くない。雑誌の表紙もか飾れるだろう。だが興味を持ってもらうだけで、声優なんかやったら他の本気で目指している声優たちのお株を奪うかもしれない。それは恨まれる元になるしダメだ。


「それはちょっとめんどくさいから声優になるのは止めておくよ~」


「その方が懸命だな、中途半端な気持ちでやるほど声優は甘くない」


声優は付き合うと人気が下がったりする。その辺はアイドルと変わらなかったりする。それだけ声優は見た目かいい人が揃ってきたってことだ。


「こちらレモンホットケーキと抹茶ホットケーキになります。握手をしましょう」


土生ちゃんは笑顔で手を出してきたので手を握るとすべすべする。自ら手を握るのはるん以外だと始めてだ。ヤバイめちゃくちゃすべすべする。これが芸能人俺もいつかこうやってファンと握手する日がくるのだろうか。数分堪能した後手を離した。


「ありがとう、声優としてきっと売れるだろう。どんな状況でも応援するぞ」


きっと俺はこの日のことを忘れないだろう。有名になってこの人とプライベートで握手したんだぞ自慢する日が来るだろう。声優と握手したのは始めてだ。土生ちゃんはニコッと笑顔を浮かべた後ありがとうと言った。


すると土生ちゃんは次の注文を取りに行った。俺やっぱここの常連になるわ。


「芸能界か~。憧れはやっぱりあるよね~」


「実は私声優養成所の試験を受けたんだー」


なにそれ初耳なんだが。俺は驚いた。ここでいうってことは受かったのだろう。梨花は有名どころしか興味ないし、多分入るのが難しい養成所だろう。兄として応援しよう。














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