第146話
さて最後は雪穂か、どんなのを持ってくるのだろうか。雪穂は小さい人が好きだからファッションにも精通してそうだ。だから結構ワクワクしていたりする。それにしても他の人にも服を選んでもらった記憶があるんだよな。顔は思い出せないけど。
「私はこれだよ~」
持ってきたのはパーカーだった。それに黒のデニムだ。パーカーは着やすく好みだ。それにいろんなのに合うし。だがもう一個の服を持っているのに気がついた。
「迷ったんだけど、これも着てほしくて持ってきたんだ~」
ボーダティシャツとベージュ色のコートだった。
「これで大人ぽさを演出できていいと思うよ~。これに黒デニムでモテること間違いなし~。まぁモテても私が落とすから関係ないけどね~」
ふむ大人ぽさを出すのは考えたことなかったな。小柄だから大人ぽさを出せず子供ぽさが出てしまうと思っていたからだ。だが雪穂は大人ぽさを醸し出すファたションを進めてきた。これで大人ぽさをだせるならこれが一番になるだろう。
「とりあえず着てみるわ」
俺は試着室に入り、まずはパーカーを着た。
ふむやはり着心地がいいな。これなら特にファッションを気にしなくても楽である。それに小柄な人はパーカーが似合ったりする。視線が下じゃなくて上にいくからな。
俺は試着室を出て雪穂に見せる。すると雪穂はうんうんとうなずき満足そうだった。
「うんやっぱり私の目に狂いはなかったね~。つきが一番のおすすめだよ~」
とりあえずこれは買いだな。他の選んでけれた服も買うけど。次はボーダティシャツの上にベージュ色のコートを羽織る。視線がおお、一気に大人ぽくなったな。これなら長濱さんもイケメンというだろう。なんでそこで長濱さんが出てくるんだ?関係ないのに。
俺は疑問に思いながらも、試着室を空けると雪穂たちが感嘆の声をあげた。やっぱり似合っているんだなこの服が一番気に入った。娼婦は雪穂の勝ちだな。
「それでどの服か気に入ったのかな~」
「雪穂の選んだ服だな。小柄なのに大人ぽさがでるのがいい。服の色も俺に合っているしな」
「まぁ仕方ないわね。これを見せられちゃ敵わないわ」
「うん、私もまだまだ勉強不足だよ」
「やった~勝った~」
「なにかごほうびないの~?」
「つってもなにかプレゼントするくらいしかないぞ」
デートはかなえがいるのにするのはダメだし。ていうかかなえの前でデートしようなんていえないわ。かなえがどんな反応するか怖いし。嫌われたくないと思っている俺がいるし。
「じゃーネックレス買って~」
「それくらいならいいぞ、それじゃジュエリーショップに向かうか」
「やった~。高いの買おう~」
おいさりげなく自分では買わないやつを買わせようとするなよ。まぁ文化祭でも出演者の髪を切ってくれたからそれくらいはいいが。でもなぜか俺も着られたような気がするんだよな。出演してないはずなのに。恐らく買うってゆっても学生の範疇を越えないラインだろう。
ジュエリーショップにつくと真剣な目で雪穂は選び始めた。女子はアクセサリーを重宝するからな。俺はアクセサリーはこの指輪しかつけてないが、女子がアクセサリーをつけたい気持ちも分からなくもない。俺だって今日のファションを選んでもらって小柄でもおしゃれをできるってことを知ったからな。
「これにしよう~」
ハート型のネックレスだった。確かに雪穂には似合いそうな高級感がある。雪穂は間延びしたしゃべり方をしてるが仕草や動きは気品さを感じさせる。
値段は一万六千円か今は文化祭で書籍が売れまくってるから全然大丈夫だな。さらに罰ゲームから始まる恋も売れてるんだよな。やっぱり内容がダメだったんじゃなくて知名度がなかっただけだったんだよな。
「いいぞそれにするか」
「このくらいの値段だとなかなか買えないから嬉しいよ~」
まぁ恐らくお小遣いはもらってないのだろう。アルバイトしてるって聞いたし。アルバイトだけだとこの値段はなかなかてがだしづらいよな。女子は服にもお金をかけるし。アクセサリーでこの値段はだせないだろう。
ネックレスを受けとり会計をした。すると店員から彼女さんかわいいですねと言っていたが違いますと言った。すると好きな人ですかと言ってきたが、かなえが私が彼女ですと言ってこれはお礼ですと言った。
その時のかなえは満面笑みで自慢げな顔をして俺の腕に抱きついた。
「彼女でもないのにこの値段をだせるってすごいですね、なにかやってるんですか?」
「こんなんでも作家なんです。だからお金はある程度あるんですよ」
「私本をよく読むんです。なんの小説を出版してるか教えてくれませんか?」
「罰ゲームから始まる恋と青春代行です」
よく小説を読む人には受け入れられるか不安だが。ラノベって他の小説と違うし。むしろ本を読まない奴らが読む本だし。男向けの本だから女子はあんまり好まないんだよな。
「今度読んでみますね。これからも贔負してください」
営業スマイルで対応された。その笑顔はとても可愛かった。するとかなえの抱き締める力が強くなった。まるで自分の物を取るなと言っているかのように。
「分かりました。それじゃー行くぞかなえ達」
俺はネックレスを受けとり、店を出た。それにしてもさっきのは破壊力があった。まるでアイドル並だ。これからもあそこでアクセサリー買おう。自分用にも買いたいしな。でもどこかで見たことあるような顔だったな。どっかでアイドルやっていたりして、みーちゃんみたいにアルバイトしてるアイドルもいるからな。誰か分かっても教えないが。
俺達は店をでると、この後どっか行くか話し合った。ゲーセンとかいいかもな。プリクラとか。前はリア充の御用達の青春を謳歌するための機械だと畏怖していたが、今は美少女にか困れてむしろ写真を撮りたくなった。俺もリア充の仲間入りだ。
「ゲーセンでプリクラ撮ろうよ~」
「いいですね。お兄ちゃんハーレムだよ。きっと男達からは殺気の視線を感じるだろうけどね」
さらっと恐いこと言うなよ。まぁその通りなんだが。一緒に歩いてるだけで殺気だった視線を感じる。なかには呪詛を唱えるやつもいるが、いつも通り呪詛返しをして呪詛を唱えたやつは
トイレに直行した。
「俺には一応彼女がいるからハーレムにはならないだろう」
「はたから見たらそんなの関係ないよ~。それにものにならないならハーレムという選択しもアリだね。最近国会で収入か高い人は重婚が認めるみたいな法案がでているらしいし~」
なにそれ天国かよ。俺もたくさん稼げばと思ったが、彼女は1人でいいと思った。女の戦いが起こりそうだし。まぁそもそも好きになるかどうかが怪しいが。
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