第132話

クラスが違うので下駄箱でかなえと別れると、俺は教室に入った。すると美海がすかさずこちらに気づき笑顔で駆けよってきた。美海の笑顔はこちらに活力を与えてくる。今日も頑張ろうという気持ちにさせるわ。


「美海おはよう。今日可愛いな。あと髪切ったか?前髪か少し短くなっているが」


すると美海は驚いたような表情をした。俺が髪の毛をきったことに驚いているんだろう。俺からすれば美海の些細な変化も見逃さないぞ。見かけでも内面でも。好きなやつは研究したくなるからな。


「まさか髪を切ったことに気づくなんて、正弘くんはよく見てるね。悟くんは気づかなかったのに」


「そりゃ俺は友達のことはよく見てるからな。友達が少ない分」


なんか友達が少ないからじっとみてるみたいに聞こえるな。まぁ実際少ないからよくみてるんだけど。美海だからよく観察してるっていうのもある。身に付けてるものまで分かるレベル。


「嬉しいなぁー。それでどう思うこの前髪」


「前より顔立ちがはっきり見えて可愛いぞ」


美海はどんな髪型でも可愛いがな。美海にそう言うと目を細めた笑顔でありがとうと言った。この笑顔が見たかったんたよなぁー。だがそれと同時に叶えと付き合っていることを思い出し罪悪感に苛まれる。


「どうしたの正弘くん?暗い顔して」


今の少しだけ暗くしただけなのに気づくって俺のことをよくみてるな。いや俺とはなしてるから顔をよく観察してるだけかもしれないが。それても俺のことをよく見てるから嬉しい。


「いやなんでもないぞ」


だが本当のことを言うわけにはいかない。美海といつか付き合いたいからだ。だから少しでも早くかなえとは別れないと。ふと美海は俺の指を見た。


「正弘くん指輪をなんでつけてるの?」


冷たい声音で美海は言った。体感的に室内の温度が少し下がった気がする。ばれたか、どうごまかすか。美海はなにかを疑ってるような表情をしている。


「ファッションだよ。指輪をつけるだけでおしゃれに見えるって言うからな」


苦しいか。だが何かの雑誌に書いてあったのも事実。ファッション雑誌を読み込んでいる美海なら知らないということはないだろう。これで誤魔化せるはずだ。


「ふーんそういことにしておくよ」


何かを美海は疑っているようだが、とりあえず誤魔化せたな。美海に嘘をつくのは罪悪感が沸いてくるが。だが美海に本当のことを知られる方がまずい。美海からの好感度か上がっているのに好きでもないやつと付き合うとか体目当てだと思われるからな。


「それにしても随分立派な指輪だね」


「奮発したからな。少しでも美海の横に堂々と歩くために」


実際はかなえが値段を見ないで、よさげなものを買ったからダイヤモンドが入ったかなり高いやつなんだが。思ったんたが、こんなに高いものを買ってもらってなにもしないというの道理に反するよな。何かするか。


「そんな高級なのつけなくても正弘くんは私の横を歩けるよ」


いや美海の横を歩くならせいっぱいのおしゃれをした方がいいだろう。じゃないとあんな奴が美海の隣を歩くなんて釣り合わないとか言われる決まっている。そうなると美海の評価も落としてしまう。それだけは防がなくてはならない。


「美海は美少女だぞ、俺みたいな奴が隣を歩くならおしゃれをしないと釣り合わない」


ルックスがジャニーズ並みなら問題ないんだろうが、ジャニーズレベルのイケメンじゃないからな。確かに髪を切ってもらってそれなりのイケメンにはなったが。


「まぁ正弘くんの良さは私だけが知ってればいいよね」


きたー。その私だけが知っていれば他の人は関係ないというの。美海だけには良さを分かってもらいたいという気持ちはあるが、やはり美海の隣にいると、周囲の目を気にしてしまう。それは仕方がないことだ。これだけの美少女の隣にいればな。


「まぁできるだけの努力はしてみるよ」


すると遠くから嫉妬をしてるような焦っているような視線を感じた。その方向を向くと、森田が複雑そうな顔でこっちを見ていた。やっぱり美海のことが好きなのか?だが今さら遅いぞ。

俺の好感度はかなり森田に近づいている。だが俺は今かなえと付き合っている。だからアピールはできないから、チャンスではない。早く振られないかなぁー。そうすれば美海にアタックして距離感を近づけるのに。


「正弘くんどうしたの?」


「いやどうしたら好きな人と近づけるかなと思って」


「え?正弘くん好きな人いるの?」


なんか身を乗り出して来たんだが。そんなに気になるか俺の好きな人。それだけ好感度が上がってきたからか。まぁここで美海が好きだとは言わないけど。


「いるなとんでもない美少女で、優しくて頭が良いという完璧な人が」


まぁ美海のことだが、美海ほど完璧超人はいないだろう。運動神経も悪くないし。るんを越える天使だし。あの目を細めた微笑みはキュン死させるほどだ。


美海は少し悲しそうな顔をしながら俺を見た。そんな顔するなよ。勘違いしちゃうだろう。美海はまだ森田が好きだろう。だからまだチャンスは残っているから早く落とそう。かなえと早く別れて。


「好きな人いるんだね」


沈んだ声音でそう言った。やっぱり仲が良い奴だと寂しく感じるのか?だが安心してほしい俺が好きなのは美海だからだ。今後も変わることはないだろう。


「まぁ美海のよく知る人物だがな」


「え?私の知ってる人で美少女?松永さんかな?」


確かに松永は美少女だがほとんどしゃべってないぞ。松永は俺に森田と繋いでくれとお願いをしてくるくらいだ。打開の利害が一致して協力してるが。そんなことを考えてるとチャイムがなり先生が来たのだった。



すみません、昼にだすのを忘れてました。















 

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