第119話

ふぅーなんとか劇は終わったな。後はコスプレ喫茶だが、なんで私服なんだろうか?確かにコスプレはしてないが、まぁ梨花の選んだ服だからにあってないってことはないと思うが。


松永は鈴鹿のコスプレだよな。あの絶対領域が最高なんだよな。美海は巫女の服だよな。夏目がきていた服だから。黒髪で清楚だし似合いそうだ。


「お待たせ正弘くんどう似合う?」


くるっと一回転した。弾けるような笑顔でかわいい。巫女服だと足はでないが、清楚感が倍増してかわいさが増す。つまり巫女は天使だ。


「似合ってるぞ。四大天使といわれる理由が分かるくらいには」


「四大天使なんて、そこまでじゃないよお」


美海は照れたようにほほを掻いた。照れる美海もかわいすぎる。松永はもう接客の準備を整えている。まぁあいつは森田以外の男に興味を全く示さないから感想なんて要らないのだろう。接客ではすごく笑顔で猫を被っているが。


「今日は正弘くんと文化祭回れるし気合いいれてやるよ」


そうだ今日は美海と回れるんだ。お化け屋敷とか行ってみたいな。ゾンビ映画も苦手だと言っていたし、きっと俺の腕に抱きついて胸がぐにゅっと当たるだろう。もしかしたら抱きつかれるかもしれない。そう思うとにやにやが止まらない。絶対にお化け屋敷に行ってやる。


回転して早速お客さんがやってきた。南は俺と離れて注文を取り入った。俺も始めるか。今回は昨日よりもよくしてあるからチェキがもっと増えるかもしれない。


呼ばれたので俺はその席に向かう。


「ご注文はお決まりでしょうか?」


「このラーメンお願いします。後あの脚本書いたのは尾関先輩ですよね。ラノベ好きなんですか?」


「好きっていうより一応プロのラノベ作家なんだ」


「すごいです、あのこれ俺の連絡先なので後でラノベについて語り合いませんか?後チェキをお願いします。尾関先輩と」




俺は紙を受け取った。まさかの男から指名はいるとは俺も憧れる男になったか。後は女子からの指名がもっと欲しい。お金は個人に還元されるからな。


「いいぞ、明日ファミレスで語り合おう。ちなみに名前はなんと言うんだ?」


「菊池望っていいまます」


菊池か、菊池家の関係者だろうか。俺は名字でどこかの大名や武士を連想してしまう癖がある。回りにそのレベルの子孫が多いっていうのもあるが。


「菊池か、じゃゆっくりしていってくれ」


俺は連絡係にラーメンと伝えて接客をまた開始した。すると女子からの指名がたくさん入った。モテ期に突入したのか。だが俺が楽しそうに女子ととるたびに美海がこっちをジーと見てくるのはやめて欲しい。相手の女子もそそくさと帰るし。


美海は美海でチェキをたくさん要求されていた。ハートマークを作っているときはちょっとムカッとしたわ。これが森田でもムカついただろう。それだけ美南ことが俺は好きということだ。


「注文お願いしまーす」


俺は呼ばれた場所に行くとそこには雪穂と足利がいた。この組み合わせは珍しいな。というか友達だったんだな。二人の美少女がいるから視線が半分二人に集中している。


「注文はなんだ?」


「ラーメン2つとチェキ1枚で」


「またチェキ撮るのか。この間も撮ったと思うんだが」


「おしゃれな私服の正弘くんと写真を撮れるなんて滅多にないからね~。少しでも一緒の写真が欲しいんだよ~」


まぁ俺も美海と写真を一枚でも多く欲しいと思うし分からなくはないが。あの巫女姿の美海は一段と美少女さがでていてめっちゃ可愛い。俺も休憩になったら撮ってもらおう。


「分かった。今注文を伝えてくる」


俺は雪穂達の席を離れて連絡係に伝えた。すると連絡係はなんでお前の周りは美少女が多いんだといわれた。そしてちっと舌打ちをされた。気持ちは分からなくないよ。俺も半年前まではそうだったし。だが行動しなければなにも始まらないぞ。


「ラーメン二つだ。これはうちのラーメンオタクが研究して作ったからかなり美味しいぞ。俺も劇中に思わず美味しいと言っちゃうほどにな」


「へぇー楽しみだな~。それにしても劇で料理をだすなんて珍しいよね~」


「うちのクラスには何人も料理得意な奴がいるから、せっかく喫茶店をやるなら興味を持たせるためにだしてみるかってことになったんだよ」


劇中に食べたが、店にだしてもおかしくないレベルなんだよな。だからこの喫茶店も好評で廊下に人か並ぶレベルなんだ。だから昼時は忙しいがな。まぁ昼をすぎれば自由時間だから昼が終わるまでは頑張るさ。


「チェキ取るときは声かけてくれ。俺は仕事戻るわ」


それから接客をして何人もの奴にチェキを頼まれた。やっぱり梨香の服装に間違いはないようだ。まぁあいつは読者モデルをやっているからかなり知識があるんだよな。勉強熱心だし。前に芸能人レベルまではいかないと思ったが、スカウトされて読者モデルになったら化粧を変えたりして一気に芸能人レベルまで昇華した。元々素材がよかったからだろうが。プロから教わってさらに可愛くなったってことだろう。


「あの食べ終わったのでチェキをお願いします」


「菊池かいいぞ。ポーズはどうする?」


「人差し指と親指をたてるポーズでお願いします」


ラブライブか、これはオタクがよくやるポーズだよな。俺ラブライブはあまり見ないが。小説の参考になるものとハーレム系をよく見るからな。


「いいぞ」


そう言ってポーズを取って写真を撮った。男とのチェキは初めてなので新鮮だった。


「ありがとうございます。青春代行も買いました。他の作品も買わせていただきます。最後に握手してもらっていいですか?」


「いいぞ、いつかアニメについて語り合おう」


握手をした後嬉しそうに教室を出ていった。プロの作家としてもでと有名なるという決意を新たに持った。















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