第120話

それからチェキを色んな人撮ったが、後ろから愛の言葉をささやいてほしいとか結構過激なものも多く、美海が相手をにらんだりしていた。だがチェキを撮った奴は気にする風もなくそのまま撮っていた。次に多かったのがハートマークだ。恥ずかしかったが、あまりにも多くなれた。


「食べ終わったからチェキ取って~」


「ポーズはどうする?」


「肩貸して~」


俺はとなりにたつと、雪穂が肩にコツンと頭をのせてきた。美海が好きだが不覚に可愛すぎだろうと思ってしまった。これを美海とやれたら最高なんだが。


ガチャングラスを落とす音が聞こえた。見てみると美海が光を宿してない目でこっちを見ていた。さっきの音はグラスを落とした音らしい。

雪穂はいつのまにか俺の腕を抱いていたので慌てて離して美海の方に行った。勘違いをしてそうだからな。


「美海さっきのは雪穂の要望でやっただけだから他意はない」


不倫した男のいいわけに聞こえるな。これで何とかするのは無理そうだ。


「へぇーそのわりには鼻の下伸ばしていたみたいだけど」


「女子にこんなことされるなんて初めてからついな。だか俺は美海の方が大切だぞ」


すると美海は目を開き驚いていた。俺雪穂が好きそうに見えるか?確かに要望は大体聞いているが。美海だって何かしたいことがあればなんでも聞くぞ。俺が家族以外で命を懸けても守れると思っているのは美海だけだからな。


それならいいよ。雪穂はこっちを見てなぜか悔しそうにしている。雪穂も友達としてかなり大切部類にはいるが。一人の女子として好きなのは美海だけだ。たからとくに修正しにいったりしない。


それから満足そうな顔を美海がして、接客をまた開始した。俺も残りのチェキを撮りにいって、時間が流れた。


「やめてください!」


美海の声が聞こえた。俺はそっちの方を見るといかにもなチャラ男が美海の肩をさわっていた。しかもゆっくりと撫でまわすように。普通に痴漢だ。


「いいじゃーねーか減るもんじゃないだし」


俺はそれを見て何かが切れる音がした。


「おい、美海に手をだしてるんじゃねーぞ。人の彼女に手をだすって分かっているよな?」


俺は目を腐らせて思いっきり睨む。美海に勝手に触ってるんじゃねーよ。そこは美海の許可が下りたやつだけのポディションだ。今のところ森田だけだが。いつかは俺もそこに行く。だから勝手に触って、嫌がっているのに下劣な笑みを浮かべているのにムカつく。


男はヒッと悲鳴を上げたあと会計をしてそそくさと教室を出た。俺は最後まで睨んでいた。美海をナンパするなら俺を越えてから行くんだな。


「ありがとう正弘くん」


「ああ、大丈夫だが。彼氏って言ってごめんな」


これが一番有効だろうと思いとっさに嘘をついてしまった。クラスメイトから勘違いをされるかもしれないのに。こんなやつと彼氏扱いされたら嫌だよな。


「大丈夫だよ。それになんか俺の彼女に手をだすなと言ったときなんかキュンときたし」


これはかなり好意が上がっているんじゃないか。森田ほどにないにしても嫌ではないということは少なくとも彼氏としても問題ないというレベルまできてるんじゃないだろうか。


「長濱さん尾関くん上がっていいらしいわよ」


「お、松永か休憩終わったのか?」


「ええそうよ。少し早いけどあんなことがあったからはやめに休憩を取りなさいって委員長が言っていたわ」


もう昼時は過ぎて教室の中はまばらである。働いて忙しいとあっという間に時間って過ぎよな。最初はどこに行こうか?やっぱりお化け屋敷にするか。


俺と美海はそのままの服装で文化祭を回ることにした。巫女服は目立つが、もっと派手な服装をしてるやつもいるし問題ないだろう。あれから松永にナンパするやつも減った。理由は知らないが。


「最初どこ行く?」


「お化け屋敷行こう」


すると明らかに美海は顔がひきつっていた。だがここで吊り橋効果を期待する俺は引かない。

抱きつかれてあの胸の感覚をを味わえるかもしれないし。


「大丈夫だ。本物が出ても俺が守ってやる」


それに前回と違ってたいしてクオリティは高くない。化粧だけクオリティがは高いぽいが。それに悪霊のけはいはしなかったしたぶん大丈夫だろう。


「守ってね。それとお姫様抱っこは恥ずかしいからしないでね」


「なら俺の腕に抱きつけば問題解決だな」 


離れることもないし、腰が砕けることもない。そして胸の感触を堪能できるし最高だ。完璧な作戦だろう。美海の胸は形が避けて感触もトップクラスに気持ちいい。


「分かった。離れないでね」


俺たちはお化け屋敷をやっている1-4クラスに着くと、受付の貞子みたいな人にお金を払い、中に入った。病院をモデルにしてるのか。所々にレントゲンが捨ててある。恐らく病院からもらってきたのだろう。美海は俺の腕に抱きついている。胸の感触がダイレクトに伝わる。気持ちすぎて昇天しそう。


すると病院服を着た髪が長く口裂け女みたいな人が出てきた。


「きゃー」


美海は俺の腕に思いっきり抱きついた。ヤバイ柔らかすぎてお化けとかどうでも思ってしまう。


俺はお化けやくが美海の足をつかんでいたので急いで次の部屋にはいると、離した。さっきの口裂け女妖怪みたいでクオリティが高かった。ちなみに本物を俺は見たことがある。


次の部屋はと見渡していると既に美海は半泣きだった。


「ちょっと待ってちょっと待って」


俺の腕に抱きつきながら口癖を連呼していた。そんな美海を俺は何がなんでも守りたいと思った。


する心臓をだした青年が現れた。心臓がかなり精巧に作られているな。美海は限界中のか俺胸元に顔を埋めていた。すると青年が急に叫びだす。


「リア充めくだけ散れ」


そう言って俺に襲いかかってきたが、俺はそれを避けてこのまま出口を目指そうと思った。ていうかリア充よくだけ散れって完全に台詞無視してるよな。俺はそう思いながら出口を出た。



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