第109話

家に着くと、鍵を開けさきを家にいれた。一年間契約をすると家に得れることができるのだ。普通の契約じゃできない。とりあえず居間に案内をしてお茶をいれてそれをさきに出した。


「俺は取りあえず着替えてくるから少し待っていてくれ」


「分かったよ。一軒家で一人暮らししてるなんてビックリだよ。もしかしておかねもちだったりする。もしかしてお金持ちだったりする?百万円をぽんとだせたし」


「あー俺の親二年前に亡くなっているんだわ」


「そうなんだ。ごめんね答えづらいこと聞いて」


「もう大丈夫だ。2年経っているしな」


亡くなったときは確かに悲しかったが、今はもう立ち直っている。それよりも自分も死ぬし天国の親と妹に会えるからなんとも思っていない。青春できないで死ぬのは嫌だが。


俺はリュックを置き小さい鞄に財布だけいれた。制服は着替えないのかって?制服のまんまデートするのに憧れてるから着替えないんだよ。欲を言えばさきにも制服でいてほしかったが。まぁうちは私服で行けるからその期待をしても仕方がない。


「んじゃどこか行くか。テラスモールとかどうだ?私服を選んで欲しいんだ。私服がダサすぎてな。俺が制服で学校に行くのもそれが理由だしな」


「いいよー。見た目は磨けば光りそうだし腕がなるよ。せっかくだし美容院に行ってみたら。カッコよくなると思うよ」


俺がイケメンになれるのか?まぁ顔は悪くはないと思っているが。お金はあるし行ってみるか。


「じゃー美容院行ってからテラスモールってことで」


どんなイケメンになるか楽しみだなーとか言いながらお茶をさきは飲む。やがて飲み終わると俺の準備も出来たので家を出て、新松戸駅の近くにある美容院に向かった。もちろん2人乗りをしてだ。胸の感触がたまらん。


美容院に着くと、一人の男の人が話しかけてきた。


「始めてみる顔だね~。たくさんあるうちの中でうちの美容院を選ぶなんて嬉しいよ」


人があまりいなさそうだから選んだなんて口が裂けても言えないな。


「その前髪を切ればイケメンになりそうだ。そうなると彼女は鼻が高くなるんじゃない?」


俺とさきの関係って何だ。青春代行の契約者の関係だし。知り合いってことにするか。


「いや私たちは友達ですよ。隆元くんが磨けば光りそうだから来たんですよ」


友達ではないよな?あれかマニュアルにこう聞かれたらこう言うみたいなものがあるのか。


「そうなんだね。んじゃ隆元くんをかっこよくしちゃうぞ」


そう言って席に座らされた。ちなみにカットはもうしてあるのてワックスをつけて貰うだけだ。


「はい完成、イヤーすごいイケメンになったよ。これてお洒落もしたらモテモテ間違いなしだね」


「ありがとうございます」


俺はお金を払って、美容院をでた。祖のみテラスモールに行き、着くとその中から背かちいさいひとでも着れるブランドを選んだ。安定のユニクロである。



「隆元くんはパーかが似合いそうだね」


そう言っていろんなパーカーを着せてくる。白いパーかでピント着たのかそれをかごにいれて黒のデニムもかごにいれた。


「テラードジャケットなんかもいいんじゃない。これも買いね」


それからティシャツやレディースのジーンズやニットをかごの中にいれた。


「ふぅーこんなものかな。そう出せてか下し私の服も選ばない?」


「俺はセンスないぞ」


「大丈夫だよ。男受けしそうな服装を知りたいだけたから」


俺は分かったと言うとレディースのコーナに向かった。さきに見合うファッションね。俺は足が好きだがさきにホットパンツは似合わないだろうし。他の男に足をみられたくない。


「お、これなんかどうだ白いワンピース。清楚感がでていいんじゃないか?」


「男子って清楚な感じが好きだよね。色も悪くないしこれを買うね」


どうやら評価は悪くないらしいな。俺はよく知り合いに服のセンスないと言われるがそれは男限定らしい。


俺たちはレジに並びそれぞれの商品を買った。


「次はどこ行く?」


「無印でも行くか」


さきとこうやって出掛けるのも何回もあるだろうし匂いが気になるからな。後は家具が欲しい。特に本棚。ラノベで溢れてベットにしまっているくらいだしな。


「そうだね私も見たい物があったからいいよ」


俺たちは無印へと向かった。無印に着くと俺たちはまずアロマオイルのコーナに行った。


「これいい匂いだね」


そう言って橘匂いがするアロマオイルをクンクンとかんだ。匂いの嗅ぎ方まで可愛い。美少女はなにやっても可愛いな。


「これにするわ。少しでもさきのお気に入りになりたいからな」


「私のこと気に入ったの?」


「気に入らなきゃ一年分のレンタルなんかしないだろ」


俺のいきる最後の一年を捧げるんだしな。気に入るどころか、気になっている。女子と一緒にいるなんてあいつぐらいだったしな。まぁあいつは幼馴染みで家族みたいなものだが。


「私も同じの買おうかな。そうしたらお揃いだね」


さきは満面の笑顔で言った。目を細めたその笑顔は可愛すぎてついつい目を逸らした。きっと俺の顔は真っ赤かだろう。


さきは不思議そうな顔をして俺のことをしたから覗き込んだ。あざとい。だがそれが可愛い。


「家具が見たいから家具の方に行こう」


俺は照れを隠すようにそう言った。そして家具のコーナに俺はずんずんと一人で進んだ。さきは待ってよーとか言いながら慌てて着いてきた。さきが可愛いのは間違っていない。







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