第111話

家具コーナに着く頃には俺の照れは引いていた。さて茶色の本棚を買うか。ラノベも多いが小説を書くための資料も多いからできるだけ容量が入るものがいいよな。


「隆元くんは何色の家具がいいの?」


「茶色だ。できればシンプルなのがいいな」


今回は高いのを奮発して買うか。おらは本棚を吟味する。ふとさきを見ると真剣な目で選んでくれてる。嬉しいな俺のことで真剣になってくれるのは。


「これなんかいいんじゃない」



横に長いシンプルなデザインの本棚だった。これなら俺の部屋の家具にも合うし、これにするか。しかも真剣にさきが選んでくれたんだむしろこれ以外ない。


「これにするわ」


「いいのそんなに簡単に決めちゃって」


「問題ない。せっかくさきが選んでくれたんだこれしかないだろ」


俺たちはレジ向かうと商品を置いて本棚の紙を出した。もちろんさきの分のアロマオイルも俺が買った。お金は死ぬまでに使いきりたいしな。さきの評価も上がるし。


「この後どうする?」


「テストが四日後あるし帰ろうか」


「分かった。送っていくぞ」


「いいの?馬橋駅の西口側だよ」


「問題ない。自転車だしな」


俺は外に出ると自転車に乗る。もちろん抱きついた形でさきが荷台に乗る。この胸の感触がたまらん。2人乗りしたがるのも分かるわ。


そうやって駅に向かうと、渚が誰かと揉めてるのが見えた。車のなかに無理矢理押し込めようとしている。


「さきすまん警察を呼んでおいてくれ」


「え?ちょっ隆元くん!」


俺は自転車を降りて渚のもとに向かう。俺は家代から一人の男を殴る。すると男は壁に吹っ飛んだ。


「隆元!助けて」


「言われても分かっているよ。さて人数は四人か。これならなんとかなるな」


一時期武術できるやつカッコいいなと思って古武術を習っていたからその辺のやくざなら大したことはない。


「なんだお前ヒーロ気取りか。笑えるな。こいつは俺がはめてやるんだよ。だからお前はぼこぼこにされろ。俺はこんな美少女を見つけて気分がいいからな半殺しで許してやるよ」


男は余裕そうに言うと俺に殴りかかかってきた。だが遅い。これなら古武術の師範の方が断然早い。俺はそれを手で受け止めて股間にけりをいれた。すると男は悶絶する。


他のやつが殴りかかってきたが俺はそれを腕で防いで正拳突きをもう一人男に食らわせた。男はよろけて気絶した。からだ全体に響く古武術の技だ。


「後二人か、かかってこいよ。ボコられたいならな」


「嘗めやがって」


男は二人同時に殴りかかってきたが、俺は頭を下げると二人の拳が互いに当たりよろける。そこを俺は回し蹴りで二人とも吹っ飛ばし気絶した。


「ふぅー終わったな。大丈夫か渚」


「怖かったわ。ありがとう隆元くん。それとカッコよかったわよ」


渚は少し顔を赤らめながら言った。


「隆元くんー。警察呼んだよ。後1分ぐらいで来るって。まさか隆元くんがこんなに強いなんて驚いたよ」


昔中二病になっていたときに俺は前世は武士だと思っていたから武術を習っていたんだよな。まさか役に立つ日が来るとは。いつ何が役に立つか分からないものだ。


やがて男達は警察に連行され俺達は交番に話をしに行って一時間ぐらい話すと解放された。


「なんか悪いことしてないのに緊張するね交番の中って」


「ああそうだな」


「隆元くん改めてありがとう。あのままだったらどこかに拉致されて襲われるところだったわ。お礼に今度フランス料理奢るわよ」


「ラーメンでいいぞ。フランス料理店は堅苦しいからな」


「分かったわ。後私の一年間の予約取ってみないかしら。少しならだすわよ」


「いやださなくていいぞ。そんくらいの蓄えはあるし」


「なにか特別な仕事でもしてるのかしら」 


「これでも小説家をしているんだ。それなりに作品も売れてるからなお金は大丈夫だ。それじゃ一年分の予約いれるわ」


「小説家ってすごいわね代表作は何かしら?」


「幽霊の君に恋をするだな。一応累計100万部を越えている」


「最近話題になっている作品だね。私も読んだけどラストはすごく感動したよ。結末は何となく予想はできてたけどそこまでの過程がよかったね」


「私も読んでみるわ。買ったらサインをしてくれないかしら」



「いいぞ。名前でもサインするか」


「あ、テスト勉強のこと忘れてた」


「さすがに渚を一人にはさせられないからな。ここから駅まで歩くがいいか?さき」


「まぁそんな切羽っってないしいいよ」


俺たちは談笑をしながら駅に向かい。駅に着くとそこで分かれた。渚は電車に乗りさきは西口ほうから家に帰った。俺は自転車に乗って通ってきた道を引き返した。


今日はハプニングがあったが楽しめたな。後一年しかいきられないとなると心残りが増えそうだ。だが俺は死ぬ。今できる背一杯の青春をしよう。


家について俺は妹と親に今日は初めてのダブルデートをしたことを伝えた。妹は俺に彼女なんかできないと思っていたからダブルデートしてるって聞いたら驚くだろうな。お金でデートしてるんだけど。


俺は報告を終えると勉強をして風呂に入って寝た。




昨日寝ちゃっていて投稿できませんでした。すみません

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