第102話

俺は電車に乗ると、ろこドルのキャラクターの声を聞く。やっぱりアニメ声って癒されるよな。美海の声もアニメ声に近いから癒される。将来的に美海の声が広がって、キャラになりきって流鉄に流れてくる日が来るといいな。


「今まで聞き流してたけど声優を目指すとなるとやっぱりキャラになりきっていてうまいなーと思うようになるね」


「そうだな、売れてる声優の演技力はどれだけの努力を重ねたのだろうと思うわ」


俺はアフレコをする前にやめたからアフレコの難易度は知らないが、感情を込める練習はして、なかなかうまくいかなかった。キャラになりきることは大変なことだと思う。


「私もいつか流鉄で声が流れるといいなー」


美海の声が流れたら録音するわ。いつでも聞けるように。美海の声が朝から聞こえたら気分かいいだろう俺も含めて聞いたみんなが。美海はルックスがいいし、竜山生だから話題性もあるだろう。だからプロになれば何かしらのキャラて流れるはずだ。


「美海ならきっと声優として流鉄に声が流れるよ」


「そうだといいなー。後櫻坂のCDがでるね」


「MVも出たらしいが勉強で見てないわ。今日見てみる」


るんがセンターだしな。CDは大量に買い込むか。握手券がほしいし。貯金を少し切り崩すかな。ちなみに握手会は10枚当たった。だが全国握手券と応募もあるから4万くらい使う予定だ。オタクならこのくらいお金使うのは普通だ。


電車が幸谷駅につき俺達は降りた。俺は自転車なので美海を後ろに乗せようと思った。


「俺自転車だから美海後ろ乗らないか?」


「いいよー。実は自転車の2人乗り憧れてたんだよね。青春してるみたいで」


森田とは乗らなかったのか?まぁあいつ法律にはうるさいって聞くから乗らないのか。将来警察官になりたいって聞いたことがあるしな。警察官だったらマーチに行かなくてもなれるだろう。あいつは正義感か強いしピッタしの職業だな。


俺達は駐輪場につくと、お金を払って自転車を外に出して、俺が先に乗って美海を乗ることを促した。すると美海は荷台に横のりで乗った。さすがに脇腹に手をいれて抱きついてはくれないか。まぁドラマとかでは横のりが多いからな。だが俺は抱きつかれたい。


「美海横のりは危ないから俺の脇の下に手をいれてくれ」


本当は肩をつかむだけでも危なくはないんだが、抱きつかれたいからそう説明する。ちなみに梨香も抱きついて2人乗りをする。


「確かに横のりは危ないよね。MVとかでは横のりはよく見るけど」


すると美海は俺の脇に腕を入れて抱きつく感じになった。美海のたわわに実った胸が背中に当たり思わず鼻を伸ばしそうになる。周りから見たら完全にカップルだな。森田に見つかるといちゃもんをつけられそうだから見つからないように祈ろう。


俺は出発して漕いでいると美海の胸が形が変わるくらいに当たる。俺はその感触を感じながら、冷静に慎重に運転をする。嘘ですわざと段差のあるところ通って強く抱きつくように誘導をしている。胸ってやっぱ柔らかいな。推定Fカップはあるな。


俺は背中の感触を楽しみながら自転車を漕ぐとあっという間にテラスモールに着いた。俺は名残惜しくも美海に降りてもらい自転車を置き、美海と一緒に店に入った。


店に入って、二階にエスカレータで上がると、ライブをしていた。あれは声優だな声的に、どいう立ち振舞いをすればいいか参考になるし見ていくか。


「美海このライブ見ていかないか?」


「私もちょうどそう言おうと思っていたんだー」


これが以心伝心か、いや違うか。美海は初めて見る声優に目を輝かせている。俺も声優を始めてみたときはアニメの中の人がここにいるって思って感激したな。


「アニソン歌うのかな?」


「そうじゃないか、多分カバーだけど」


このキャパでライブするレベルだとメジャーアルバムをだしてない可能性がある。カバーすると声優によって曲の雰囲気がガラッと変わる。例えば疾走感のある曲を萌え声の人が歌うと甘い曲になる。


「皆さん来てくれてありがとう。最初の曲は君の笑む夕暮れだよ」


声質は萌え声か。これなら君の夕暮れに合うだろう。にしてもこの声優背でかいな。170はあるだろう。あのルックスとあの背ならモデルをできるだろう。


「もうこの季節も終わりだねと、君は不意に呟く♪」


しっとりしていい曲だ。美海のもよかったがこの声優の声もなかなかいいな。これなら売れるんじゃないのか。歌い終わると拍手が起きる。後ろを見るとたくさんの人がいた。この声優の声に寄せられて来たのだろう。


「はい終わったね。知らない人もいると思うから自己紹介をするね。名前は土生瑞穂、趣味はアニメを見ることだよー」


土生瑞穂というのか、名前覚えておいて後で検索しよう。


「次は夢世界だよ」


「遠くに聞こえた♪」


これはソードアート・オンラインの曲か。土生ちゃんと声質に合っていていい仕上がりだ。夢と希望を手放したくはないという気持ちが伝わってくる。しっとりとした曲を萌え声の人が歌うと思わす目をつぶって聞き入ってしまう。


歌は決してうまくはないが感情表現が豊かだ。

きっと土生ちゃんは売れるだろう。今のうちにカバーアルバムでも買うか。









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