第101話
「休憩に行ったらどう?」
なんで休憩時間把握してるんだよ。知り合いがこのクラスにいるのか。
「あら山永さんじゃないないかしら」
「演技見たわよ。松永さん」
「まぁ今日はそんなに出てないのだけどね」
松永の知り合いかよ。美少女の知り合いは美少女なのか。
「この子タイプなんだけど狙っちゃダメ?」
「だめよ、その子はもう心に決めた人がいるのだから」
美海のことをチラッと見て松永はそう言った。
それじゃー俺か美海のことを好きなのバレバレじゃねーか。美海はまだ光のない目で俺を見てるけど。
「ふーんそいうことね。じゃー狙うのやめておこうかな」
イケメンってこうやって人がよってくるのだろうか?やっぱりイケメンは爆発するべきだな。でも周りから見たら俺もイケメンで爆発する立場だよな。美少女に言い寄られてるし。あれこれって俺主人公じゃねと思ったが、肝心の美海に好かれてないからただの残念イケメンだな。
俺はそう思うとかなしくなりとぼとぼとカフェラテを頼みにドリンク作ってるところに行って、カフェラテを頼んだ。それから他のチェキを頼んだもとの人に行きチェキを撮ったが、何人かにラインのIDを渡されそうなったが美海が光のない目でジーとこちらを見てくるので俺はそれを断った。
「美海は他のところ回んないのか?」
「男の子が周りにいないとナンパされるから行かないよ」
去年されたんだな。明日は俺と美海の休憩時間は被ってるから一緒に回るか。美海も文化祭を楽しみたいだろうし、俺も美海とデートが出来てWinWinだ。
「明日一緒に周らないか?」
これで断られたら俺はショックで枕を濡らしてしまうだろう。まぁ断られないだろうけど。好感度は森田に次ぐレベルだからだ。その森田はいないのだから断る理由がない。
「いいよー。どこ行くか今日の帰りに決めよっか」
めちゃくちゃ可愛く微笑んでそう言った。今は森田がいないから美海のこの笑顔を独占できる。羨ましいだろ男よ。クラスメイトとの何人かはさっきの微笑みでダウンした。だが料理は家庭科室を使っているので支障はない。
「ああ、ホラーは苦手なんだよな?」
「うん、ゾンビとかも無理」
「そうか、とりあえず俺は仕事に戻るな」
俺はとりあえずお客さんのオーダーを取り入った。
ラストオーダーが終わり俺は机でぐったりとしていた。まさかチェキをあんなに頼んでくるとは予想外だった。髪がさっぱりしてるだけでこんなに違うものなんだな。男のお客さんからは嫉妬の眼差しを向けられた。だがその視線にはなれているのでどうってことはない。まぁイケメンに対する嫉妬は始めてだが。
だが暇なのかジーと美海がこっちを見てくるのはやめてほしかった。見られてたら手を抜けないからな。そんなに見なくても俺はサボりはしないけど。
「お疲れー。うわー目が腐っているよ」
「まじか、疲れすぎでコントロールできてないみたいだな」
俺はすぐに目の腐りを直して、改めて美海を見た。すると美海は驚嘆の表情を浮かべた。
「それってコントロールできるものなの?」
中学生の時に目のせいでキモいとか色々言われたし、梨香の評判を落とすかもしれないと思いがんばってコントロールできるようにした。まぁ今みたいに疲れてるときは自然にでちゃうんだけど。
「できるぞ、頑張ったがな」
俺はリュックを持って着替えてくるわと言ってトイレに向かった。まさか俺が劇にたつ日が来るとはな。声優を目指してた時はたつかもしれないと思ったが、声だけだし問題ないと思った。だが劇にたつことになって最初は焦ったが、段々やくに憑依できるようになり案外向いてるかもしれないと思い、演技に対する気持ちが余計に強くなった。
俺は着替え終ると美海も既に着替え終わっていて俺を待っていた。
「帰ろうか」
「うん、どこか寄っていかない?」
「いいぞどこ行くんだ」
「テラスモール行こ。見たい靴があるんだー」
靴か、俺も厚底シューズほしいな。売っていれば買うんだが。八センチ以上の厚底がほしい。きっと見える景色も違うだろう。次いでに服も見繕ってもらうか。俺の私服はださくもおしゃれでもない。背が小さいとおしゃれは自分一人でするとなると難しい。
「行くか、俺もいいものあったら買うわ」
バイト代がこの間入ったばっかしでお金はたくさんあるし。今日販売した小説もまあまあ売れたし。臨時収入はそれなりにはいるだろう。明日が最終回だから終わった後に細かいところまでみたいという人も最初っから見たいっていう
人も出てくるだろうし。
「お金大丈夫なの?この前金欠だーって言っていたけど」
「問題ない給料入るし、印税も今日の売り上げで多少入ってくるしな」
それに森田と一緒にいることが美海は多いし、服を選んでくれるチャンスはないかもしれないしな。俺に服のセンスはないし、大体梨香にぶざんなの選んでくれてとお願いして買っているくらいだしな。
「じゃー服選ぶよー。服をチラチラ見てたけどその後にため息をはいていたってことは少なくとも興味があるけど背に合わないから買えないんでしょ。私が似合いそうなのを選ぶよ」
気づいていたのか、俺が服気に入った服をチラチラ見てたこと、俺のことを気にしてくれたってことだよな。嬉しいわ。俺は心のなかで喜びを爆発させた。
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