第100話
「んでどこ行くんだ?」
俺達は教室を出ると、隣どうしで歩く。するといきなり雪穂が俺の前に出ててを後ろで組み上目遣いで1-4だよと言った。あざとい。まぁ好きだが。
「どう~?私の上目遣い」
「可愛かったが、俺の心を揺さぶるのは美海だけだ」
嘘です。超心を揺さぶられました。揺さぶれ過ぎて顔が直視できない。まぁ俺の心情はばれてないだろうが。
「照れてるね~。やっぱり長濱さんもあざといしこいう感じが好きなのかな~」
なんでばれてんだよ。そんなに分かりやすいか。顔が赤くなっているのがいけなかったか。
それとも心情を読み取るのが得意なのか。可能性としては後者のほうが高いだろうな。この前も読まれていたし。
「そんなことはいいからささっと行くか」
俺は照れを隠すように歩き始めた。雪穂は横で照れちゃって~とにやにやしている。ムカつくが事実なので何の反論もできない。というか1-4って梨香のクラスじゃん。てことは映画を見るのか。俺の休憩時間完全につぶれるじゃん。
まぁ映画見るだけなら歩き回んないし別にいいんだが。明日見ようと思っていたし。
「1-4って梨香のクラスだな」
「へぇ~妹いたんだ」
「まぁな、めちゃくちゃ可愛いぞ」
「シスコンだね~。まぁ可愛い妹がいたらシスコンになる男心も分かるけど」
そんなことを話していると、1-4に着いた。教室はホラーのような感じの雰囲気になっている。おどおどしいな。まぁ幽霊はいないみたいだしよかったが。どうやら心霊スポットでは撮影してないみたいだ。恐らく梨香が心霊スポットは止めたのだろう。梨香も視えるしな。
「うわー中も雰囲気出てるね~。私ホラー系好きなんだ~」
だからこの映画を見ようと思ったのか。梨香は自信満々に見に来てねと言っていたし映画には期待している。別の三年生のクラスは青春系の映画が多いからこのクラスの映画は目を引く。
俺達はお金を払い空いてる席に座った。そして映画が始まり、俺はメガネをつけて画面を食い入るように見た。
「なかなか面白かったね~。幽霊の大群に追いかけられるシーンは見事だったね~。CG映像をうまく使いながら恐怖を掻き立てていたね」
「特殊メイクもプロ並みだったな。心霊スポットに肝試しをしに来た高校生が呪いの箱を見つけて、それを悪ふざけで空けた瞬間に足が蛇の巫女が現れたかときは絶望したな。あれに捕まったら終わりって感じがして」
だがまさかあの巫女が梨香がやっていたのは驚いた。ヒロインをやると思っていたからな。梨香のルックスだと目立つしな。だが梨香の顔は整っているから余計に特殊メイクが効いていて恐怖を掻き立てていた。
「あの絶望する感じがいいんだよね~。まぁ結局定番の何とか逃げ切れたけどね。一人犠牲になったけど。吊り橋効果でヒロインと主人公が最後くっついたのはよかったよね。しかもまさかキスまでするなんて」
もしかして梨香がヒロインをやらなかったのてキスをするからか。初めてする人は好きな人がいいって言っていたし。まぁ誰でも好きじゃない奴とキスするのは嫌だよな。ヒロインは美少女だったな。男は役得だろう。
「あそこまでやると本気度が伝わってくるな。妹のカンカン蛇のメイクもすごかったが」
「え?妹ってあの巫女やってた人なの~?確かに顔は整っていたね。というかあれって尾関梨香ちゃんだよね」
知っているのか。まぁ同じ中学のやつが度々話題に出すのだろう。中学の頃は学校のアイドル的な扱いを受けてたからな。何人の人間が告白して玉砕したことか。
「そっちの学校でも知られているんだな」
「うん、クラスメイトが面食いで誰が一番美少女が名前を出していたからね。後は学年の何人もの人間が高校生になってからも告白して玉砕したって聞いたから」
学校違くても告白してるのか。梨香は地元じゃちょっとした有名人だ。美少女的な意味で。たまにその噂を聞いたのか知らないが、地下アイドルのスカウトが来たりする。だが梨香は有名じゃないアイドルは嫌だから断っている。まぁ有名アイドルに比べればなにか才能がないと有名になれる可能性は低いからな。なのに時間は拘束されるから嫌なのだろう。
「さてと、じゃークラスに戻るから俺は文化祭楽しんでいけよ」
俺はそう言ってクラスに向かった。四時過ぎぐらいになっているからお客さんはあまり入っていない。俺は美海のほうに向かうと美海がめちゃくちゃ疲れた表情をしていた。
「お疲れ美海。これマッカンだ。疲れたときは甘いものに限るからな」
「ありがとう正弘くん」
美海は休憩に入り、俺は仕事を再開した。にしても美海疲れすぎだろ。どんだけチェキをとったんだよ。ちなみに松永も疲れた表情をして休憩に入っていった。これ以上俺にチェキは来ないだろうし楽だな。
「すみませんカフェラテとチェキお願いします」
大学生ぐらいの女子が俺のことを見て呼んだ。このくらいの時間を狙っていたのかね。まぁチェキもこのくらいだろう。っと思っていたが、何故かチェキの予約が四回入った。俺はげんなりしながら女子大生のほうに向かった。見てみるとなかなかの俺好みのボブカットで目がぱっちり二重の美人だった。
「チェキ先にお願いね」
俺は正直タイプの顔だったので顔を赤くした。ルックスだけだったらるんに匹敵する。
「もう顔を赤くしちゃって可愛いなー。食べちゃいたい」
舌なめずりをした。それがまた妖艶で俺はどぎまぎする。すると美海が無表情て現れチェキ係からカメラを奪い取った。
「早くポースを決めてください。先がつっかえてるので」
怖い、一切笑わず、据わった目で俺達を見てくる。大学生ぐらいの女子は目を細めた後俺の腕に抱きついてきた。すると美海の顔に青筋が浮かんだ気がした。美海は俺と女子大生ぐらいの腕を引き離した。あー胸の感触がたまらなかった。すると美海は目の光をなくして俺を無表情で見たあと目の光がないまま女子大生に、すみません接触は禁止なんですと冷淡に言った。
「ならハートとマーク作りましょ」
俺は言われた通ハートマークを作って写真を撮った。俺はその写真を見たが、顔を赤くして照れ臭そうに微笑んでいた写真で美海がそれを見て、無表情でその写真を女子大生に渡していた。
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