第86話
「そうだこのラブラブオムライスは接客をしている人がケチャップをつけるんだ~」
まぁ予測はしていた。メイドカフェとかこいうことをよくするし。俺もよく利用している。なぜかケチャップで書いてもらえると美味しさが倍増するんだよな。きっと愛情がこもっているからだろう。メイド喫茶はオムライスひとつとチェキで数千円するがここは400円でやってもらえる。なんと得なことだろう。
「正弘くんってメイドが好きなんだ?」
まさかオムライスを注文するだけで俺がメイド喫茶の常連だと気づくとは、女の感働き過ぎじゃね?美海はなんかぶつぶつと独り言を言い始めた。まぁいいやとりあえず菅井に書いてもらうか。
「書いてくれ菅井」
「分かったよ~。貴方のはーとにずっキュン」
まさか台詞付きで言ってもらえるとは。コスパいいな。オムライスにはアイラブユーと書いてある。告白されたことを思い出し俺は顔を真っ赤に染める。美海は私もこれやったら喜んでくれるのかなと言っていた恐らく森田にやるつもりだろう。森田が羨ますぎて呪詛をはきそうになった。
俺はパクッと食べる。美味しい。やっぱラブパワーは存在する。菅井は俺のことが好きだ。つまりメイドさんよりも愛情がこもっている。だからメイド喫茶よりも美味しく感じる。ふと美海を見ると、俺に無言でスプーンを出してきた。食べろってことか。
「あーん」
うん美海の頼んだカレーなかなか美味しい。作っているのは男だろうか、女子だろうか?男子なら料理が出きる男子としてモテるだろう。女子だったらいい奥さんになれる。俺はカフェラテを飲む。
「どう美味しかった?」
「ああ、美海が食べさせてくれたから数倍は美味しくなっていたな」
「ふふふふ、それはいいすぎだよー」
俺達の回りに甘い空間ができた。周りの客はブラックコーヒーを頼んでいる。ブラックって苦くないか?そんなに甘い空間ができただろうか。
「くぅー甘すぎるよ~。ずるい、私も接客がなきゃあーんしてるのに~」
そんなことをいいながら菅井はこの場を去った。そしてブラックコーヒを飲んでいた。ふっ俺達は周りから見たら彼女と彼氏の関係に見えるだろう。お似合いではないが、すぐに美海にふさわしい男になってやる。そのためには髪を切らなきゃな。前髪が長くなければ、それなりのイケメンになると自負している。だが美容院の予約は一ヶ月は待つことになるんだよなー。
俺達は劇の感想をいいあいながら料理を食べた。元々のオムライスも美味しいんだろうな。
作ったのは男子か女子か分からないが趣味のひとつとして言えるレベル。コスパも最高だし。もちろん菅井のラフラブパワーが倍に美味しくしてるのも確かだが。
「うーんこのカレー美味しいね。作った人にレシピを教わりたいくらい」
すると菅井が着替えてこっちに来た。どうやら仕事は終わったらしいな。私服もスカートを穿いていてきれいな足が延びている。胸元も緩い。何人かの男は菅井の胸を凝視している。だが菅井はそれに慣れてるのか無視して俺達の席にやってきた。
「ふぅー終わったよ~。料理はどう?美味しい?」
「美味しいぞ。正直店に出せるレベルだ」
「そのレシピ私が作ったんだ~」
まじかよ、勉強もできて美少女で料理も出きるって神様はなん物も与えたんだな。前世にどんだけ徳をつんだんだ?美海は胃袋をつかんでいるとか言っている。いや美海も俺の胃袋掴んでいるぞ。
「菅井ってなんでも出来るんだな」
「大抵のことは一回見れば出きるかな~」
天才かよ。俺なんて何回も復習をしなきゃ覚えられないぞ。中学の時も理系科目は何回も復習して覚えたし。竜山高校に受かったのも合格最低点ギリギリだった。提出物は出してないから成績は対してよくなかったし。
「私もアイスコーヒを注文しよ」
すると菅井は生徒を呼んだ。その生徒はワンピースのなみの格好をしていた。胸元がめっちゃ開いている。万乳引力の法則で俺の目が吸い寄せられる。
すると菅井がそれに気づいたのか、俺の頭を教科書で叩いてきた。
「痛いぞ、菅井」
「正弘くんが私以外の女子の胸を見てるからだよ。正弘くんは私のだけを見てればいいの」
「その発言は戴けないよ。そもそも女子の胸を見るのはダメでしょ」
「ふぅーん私より小さいから嫉妬してるの~?正弘くんは男だから見るのは仕方がないと思うんだけど~。しかも正弘くんは巨乳が好きだしね」
そう言って俺の腕に胸を押し付けてきた。柔らかすぎだろ。マシュマロのように柔らかく、触りたくなるほどだ。ヤバイ興奮しそう。巨乳好きの俺からすれば菅井の胸は理想的だ。
「別に私は悟史くんが好きだし嫉妬なんかしないよ」
だけど菅井の胸を見て悔しそうにしている。恐らく森田も巨乳好きで、胸がでかい人に嫉妬してるのだろう。というかそろそろ離してくれないと生理現象が起きそうなんだが。
「そろそろ注文してくれないと困るんだけど」
「あ、忘れていた。抹茶オレをお願い」
「分かった。それにしても菅井さんの性格ってそんな感じなんだ。学校ではそっけなくて口調も違うよね」
「まぁね、好きな人の前だとこんな感じなの」
そう言うと女子は注文を伝えに行った。胸はしゃべっている間に離していた。美海は少し不機嫌そうだ。ドリンクでも奢れば機嫌を治すだろうか。俺はドリンクを奢ることにした。
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