第80話
今日は菅井の学校の文化祭の日だ。俺が文化祭を一人で行こうと美海に言ったら私も行くよとなぜか食いぎみで言ってきたので一緒に行くことになった。美海も他校の文化祭に興味を持っているのだろうか?ちなみに竜山高校の文化祭は順調だ。美海の演技も森田から教えてもらったからか、かなり上手くなっている。俺は演技に関しては教えられないので指を加えて悔しがるしかないのだが。声優の演技は声だけだから体全体の演技には向いていない。声だけだったら俺も声優を目指していたから教えられたんたが。劇で使う小道具のほうも作り終わった。教室に張る背景も後は絵を塗るたけだ。視聴覚室の劇に使う絵はまだ終わってないがあのチートの絵を書いてる人たちならすぐに終わるだろう。
今俺は松戸駅で美海を待っている。松戸のほうが快速で柏にすぐ着くからだ。ちなみに改札からはでている。図書館に本を返しに行ってたからだ。まぁこの時間は空いてないから、ポストにいれたんだが。
「お待たせー正弘くん」
俺は後ろを振り向いた。すると美海が手を振りながら歩いているのが見える。周りの男立ちはそんな美海を憧れの視線で見ている。そして視線の先である俺を見てなんであんなやつがという顔をした。俺も未だに美海と仲良くて切るのは夢なんじゃないかと思っている。
「たいして待ってないぞ。それじゃー行くか」
俺たちは改札を通り、階段を降りてホームに入り電車が来るのを待つ。東葛の文化祭か、竜山高校より文化祭が盛んらしいから楽しみだな。
しかも地域トップ校がだからすごい出し物がありそうだ。
「楽しみだねー。東葛の文化祭は生徒が作ってるとは思えないぐらいのクオリティーていわれてるらしいよ」
「まぁあそこは頭がいいし、自由だからな。制服がないくらいだし」
東葛は中学ができてさらに進学実績が上がっている。当初はトップ校に中学を作るのは頭がいいやつの滑り止めになるんじゃないかといわれていたが蓋を開けて見れば進学実績が上がっていた。東大も二桁に乗り、早慶は200人を超えた。かつての輝きを取り戻しつつあるのだ。
「参考になるといいね!」
「恐らく劇やるところはオリジナルか、元々ある作品を工夫した作品がでるだろうからな。参考になるだろう。劇もいいが俺は飲食が楽しみだな」
「なんかやけに美味しいって聞くしね。東葛って」
そう、東葛の文化祭の料理は手作りなのだ。女子高生の手作りとか食べたことないから楽しみだ。梨香は別だぞ妹だし。俺は心のなかでにやにやとした気持ち悪い笑みを浮かべた。
「正弘くんなんか気持ち悪いこと考えてるでしょ」
美海が引きぎみでそう言った。なんで分かるんだよ。俺今回は表情にでていないはずなんだが。読心術でも習得したの?それじゃ俺妄想できないじゃん。
「気のせいだぞ。決して女子高生の手作りが食べれるなんて思っていないからな」
「思っていたんだね。お弁当作ってきてあげようか?」
美海の手作り弁当だと!神が俺に味方をしてくれたのか。美海はなんでもできるしきっと弁当も美味しいんだろう。他の料理が美海の弁当に比べたら霞むほどだ。クラスメイトも羨むことだろう。そう言えば森田も弁当は持参していたな。森田も弁当は作ってもらってないってことだ。森田も羨ましがるだろうか?いや幼馴染み同士だし互いの家に行き来してるから食べたことはあるか。もしかしたら週4とかで食べてるかもしれないな。ずるいぞ森田。最終的に俺が嫉妬してるな。
「是非作ってくれ。でも大変だから週2とかでいいぞ」
これ一回限定だけだったらどうしよう。まるで毎日作らなくていいから、定期的に作ってくれと言っているようなものだ。なに言ってんのおごかましいよと思われたらどうしよう。
「週2ね、いいよ作ってくるね」
どうやら大丈夫だったらしい。週2で美海の作ったものを食べれるとか次の学期の学校が楽しみになってきた。まぁその前に文化祭の準備を頑張らないとな。
「ありがとうな、電車がきたし乗るか」
俺達は電車に乗った。その間文化祭をどこから回ろうか話し合っていた。時間は有限だからね。もちろんパンフレットは事前に菅井にもらっている。だからどいう露店があるのかは把握している。
そんなことを話し合っていると柏駅に着いた。柏は色々あるし文化祭が終わったら美波と周ってみるか。ベースマンでグローブも買いたいしな。
東葛高校は柏駅から近いのですぐに着いた。さすが東葛高校門まで気合いが入っている。中学生から高校生地域の子供大学生と幅広い人が来ている。大学の文化祭にも劣らない。俺達早速校内に入った。お、庭がある。さすが名門校。
「竜山高校よりも広そうだね」
「伝統と歴史か違うからな。竜山高校は新興の進学校だし」
竜山高校は十年前から進学実績を伸ばしていった高校なのだ。だから東葛とは設備も教師も劣る。東葛は名門だけあって実績のある先生が一杯いると巷では言われている。県立高校なのにだ。うちも県立だが分かりやすさは教師によって違う。英語とか良く分かりにくいと生徒の間で話題になっているし。なんで英語を選択している友達いないのに知っているかって?周りのクラス名との話を暇だから聞いているからだ。
「飲み物買いに行こ」
「そうだな。これ以上そとにいると干からぴそうだし」
俺はそとにあまりでないインドア派だから、暑いところは苦手だ。だから建物内に入って涼みたい。夏自体は別に嫌いじゃないんだが。冬みたいに寒くないし。俺達は学校内に入った。
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