第78話

「こんなチャンスもうないかもよ~」


「それでもだ。俺が愛してる人たった一人だからなそんなことをしたら裏切り行為になる」


やっと好意が上がってきたんだそんなことをしたら嫌われる。それにここには松永もいる。ばらされたらめんどくさくなるの自明の理だ。すると菅井はちぇーと言って足をテーブルのしたに戻した。


ふぅー危ないな。俺の理性かもってよかった。美海に嫌われたら俺は生きていけないしな。


「お待たせいたしました。みりんのバターケーキです」


「わぁー美味しそう」


「そう言ってもらえて光栄です。ではごゆっくりどうぞー。小春の友達さん」


そう言って店員は去っていった。あの店員どこかで見た顔なんだが、ガン見するとまた菅井の機嫌が悪くなるからみないでおくか。俺のしってる芸能人と言ったら坂道グループの人だけたが。その誰かか。まぁ気にしたところてしゃべれる訳じゃないし今はこのみりんのバターケーキを味わおう。


『いただきまーす』


俺はフォークでバターケーキを一切れにして食べる。おお口のなかにみりんの甘さが広がって美味しい。今まで食べたケーキのなかでもトップクラスの美味しさだ。


「う~ん美味しい~。カレーも美味しかったけどみりんケーキはそれよりも上だよ~。こんなに美味しかったら週一回通ってもいいくらいだよ~」


表情を誇らせながら幸せそうに食べている。この顔をみれたならここに来た甲斐もあったな。俺は菅井の幸せそうな顔に見惚れながらそう思った。


「ごちそうさまでした」


菅井はとっくに食べ終わっていて俺の食べてる姿を観察していたが、俺も食べ終わったため菅井は視線を庭に向ける。綺麗な庭をボート眺めている。


「今度来るときは外で食べるのもいいかもね~」


「こんな暑い日じゃなけれはな」


真夏で外はさすがにきつい。直射日光を浴びると、美味しいものも美味しく感じなくなる。冬も寒いから無理だ。凍えながら食べたくはない。


「まぁそうだね~。春に来たいよね~」


「菅井は常連になりそうだがな」


「ここのケーキを気に入ったからね~。週一で通うことにするよ~。ナンパとかもなさそうだし」 


ナンパとかはたしかになさそうだな。店内は落ち着いた雰囲気で、ナンパするようなやつが好んでくるような店じゃない。ナンパするヤツは大体ファーストーフードにいるからな。俺もここなら安心して美海と梨香を連れてこれる。美海は分かるが、梨香を連れてくる理由はって?

梨香は図書館以外落ち着いて勉強する場所がないって言ってたからここなら昼時以外ならちょうどいいかなと思って紹介するからだ。


「さてそろそろ上の部屋を見てみるか」


「そうだね~、こンだけおしゃれなんだし上も気になるな~」


俺ちは会計をして上に上がった。階段も味がでていてなかいい。俺達は上に上がり終えるとモダンな感じがでている部屋に感嘆の声を上げた。これこそが明治時代の建物かという感じだった。


「すごいね~。こんなにモダンなのに蔵として今まで使っていたなんて昔の人は洒落ていたんだね~」


俺達はしばらく見た後階段を降りた。やっぱり明治時代の建物は西洋がビルがたくさんできる前の建物だから美しい。蔵ですらこのレベルなんだから住んでいた家はもっとすごかったのだろう。俺は今は立っていない家に想いを馳せる。


「上の部屋を見たのね。どうだったかしら?」


「蔵だと思えないくらい美しかった」


「モダンですごくおしゃれだったよ~」


「よかったわ。あそこで勉強すると結構落ち着くのよ。今度店が休みの日に来るといいわ。なので連絡先を交換しましょ」


また女子の連絡先が増えた。男の友達はいないが女子の友達がどんどん増えていく。これは俺のモテ期か?いや松永は俺のことを好きじゃないから違うか。まぁでも二人に好意を寄せられてるからやはり人生で一回あるかないかのモテ期なのだろう。


「あ、そうだわ。今紹介したい人かいるから少し待ってちょうだい」


すると奥にいって俺にみりんのバダーケーキを持ってきくれた人をつれてきた。なんで紹介しようと思ったんだ?まさか本当に坂道関係の人なのか?いやさすがそれはないか。


「紹介するわね、この子は小池美波よ」


嘘ーまさかあの櫻坂の小池美波か。どうりで見たことあると思ったわ。松永はうちに櫻坂のメンバーが働いているなんてすごいでしょという顔をしてる。確かにすごいが、アイドルがバイトして大丈夫なのか?


「俺たち紹介して大丈夫なのか?」


「貴方ならばらさないでしょ?それに常連になってくれるかもしれないし、美波が紹介してと言ってきたから問題ないわ」


あのみーちゃんが自分から俺に紹介してだと、

やべー嬉しすぎてにやけちゃいそう。おっとしかりしろ俺が好きなのは美海だろ。だがまさか本物メンバーに会えるとは。よく今までばれないなと思ったがカツラとメガネでばれないのか。若い人たちもこいう店にはあまり来ないポイしな、流山駅は東京からも千葉県からみても地味だし。


「よろしくねー正弘くん、菅井ちゃん」


俺と菅井のことは既に知っているようだ。だが菅井はなぜ顔とらかないのが不思議だ芸能人が近くにいるんだぞ。もしかして櫻坂を知らないのか?それなら納得だが。


「実はいい忘れてたんだけど私の姉も櫻坂のメンバーなんだ~」


「もしかして菅井友香か?」


「そうだよ~」


間近よくよくみると確かに上品なところとか顔立ちは似ている。東京出身だが千葉県にゆっかーがいるのか。みーちゃんもこの辺の高校に転校してきたってことだよな。関西出身のはずだし。にしても今日一番の驚きだ。みーぱんに会えたと、菅井がゆっかーの妹だなんて。あ、そうだサインを細川にお願いできないかな。


「菅井サインを細川零華へとゆっかーにお願いできないか?」


「そのくらいならお願いできるよ~。じゃ~書いたら連絡するね~」


「ありがとう」


俺は今日は吉日だと思った。








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