第75話

「へぇー日本家屋か。この辺にあまり日本家屋ってないから入るだけでワクワクするよ~」


立派だな。さすが一時代をきづいただけはある。ここは秋元家の屋敷だ。みりんを作った人で、万博博覧会にも出したらしい。みりんは甘くて美味しく今はみりんが流山の特産品になっている。


「庭もみてみよう」


「わぁー綺麗。私と写真撮らない?インスタには載せないから」


「いいぞ。おい腕に抱きつくなよ」


菅井は俺の腕に抱きついてまるで恋人のように写真を撮った。きっと俺の顔は赤いだろう。なんでこんなに積極的なのだろうか。俺が美海を好きなことを分かっているからアピールしようとしてるのか。俺の喜ぶことをやって。


写真を撮った跡にパット腕を菅井は離した。俺はあっと少し残念そうな顔をしてしまった。いかんいかん俺は美海が好きなんだ。こんな色仕掛けで落ちちゃダメだ。


「ねぇ、ここって一茶という詩人のゆかりの場所なんだって~」


「知ってるぞ。あまりに多く来たから第二の故郷といわれてるらしいな」


当時の詩人はお金がなかったからお金持ちの商家に援助してもらいながら旅をしていたんだよな。俺も当時に生まれたら詩人になって各地を放浪していた可能性が高いな。だって働きたくないし。そう思うと詩人として有名になれば援助してくれるから好きなことだけをやって生きていける。当時の時代が羨ましい。


「次はどこ行く?」


「近藤勇の陣屋跡に行くぞ」


「そこって陣屋が残っているの?」


「いや、残ってないな。当時の建物もない。だけどそこで陣屋を構えていたと想像するとワクワクしないか?」


「戦国武将が陣をはったみたいな感覚だね~。分からなくはないよ。じゃー行こっか」


俺達は一茶双樹記念館をでて陣屋跡に向かう。新撰組は忠誠心があって当時の武士の象徴のように感じる。江戸幕府のために最後まで戦うのはカッコよくて憧れる。新撰組が人気なのはイケメンなのもあるが、そういった漢を感じるから女性ファンが多いのだろう。


「っと着いたな」


「ここで近藤勇さんは陣屋をひいたんだね。きっと最後まで諦めたくなかったからこんなに江戸から離れた地でも仲間を集めようと頑張ったんだね~。この建物って関係あるの?」


「いやこれは当時の建物じゃないらしいぞ。詳しくは分からないが」


「へぇーそうなんだ。でも趣があっていいよね~。写真撮ろっと」


カシャッと菅井は写真を撮った。俺も写真撮るかね。あまりこいうところはないしなにか思い浮かぶかもしれない。まぁ小説の家のモデルになるかもしれないし。さっきの秋元家の写真も菅井に送って貰うか。


「次行くか」


「次どこ行くの?」


「万華鏡ギャラリー見蔵だ」


あそこは有名な人の作品もあるらしく。テレビでも放送されるほどだ。それだけ芸術的で綺麗なのだろう。結構楽しみにだったりする。いつか美海とも行ってみたい場所だ。


「へぇー万華鏡か~。みたことないから楽しみだな。でも今回は歴史系じゃないんだね」


「歴史以外でも色々あるってことだ」


さすがに松戸や東京に比べたら少ないが歴史や観光スポットになる場所はそれなりにある。


俺達は歩いて向かっているとすぐに着いた。ほぅー蔵も中々古い建物なんだな。


「歴史がありそうな建物だね」


「中に入るか」


俺達は中に入ると色々な万華鏡があった。俺はそのうちのひとつを手に取り除いてみた。おぅー指すが有名な人の作品なだけあって美しい。

菅井をチラッと見るとほほか緩んでいる。万華鏡の芸術的な美しさに感動してるようだ。


俺達はそれからいろんな作品をみてその度に驚嘆の声をあげながら楽しんで店をでた。


「そろそろお腹がすいたし、なにか食べに行くか?」


還「そうだね昼頃は過ぎてるけどね~」


さてとどこかいいところはないかな。俺は携帯を出して調べる。古い建物を改装したカフェが結構あるな。ここは文化遺産の場所を改装した場所か。ここにしよう味も評価が高いらしいし。


「ギャラリー灯環にするか」


「名前的にカフェかな~?」


「カフェだな。まぁこの辺だとカフェが多いらしくてな。テレビも来るほどの店だから美味しいだろう」


俺達は灯環に向かう。向かっている間にいかに自分はモテているかを語り、今付き合わないと誰かと付き合っちゃうかもよと急かしてきた。

俺は美海が好きだし誰と菅井が付き合おうが気にしないのだが。どうやら芸能人にもナンパされてることを知った。相手は大物だったりするので何回かご飯は行くようたが。


「有名人と付き合えば売れるんじゃないか?」


俺は暗に俺のことは諦めよと伝えた。俺は美海以外の女子はみてないし。ひとめぼれたと俺の性格を知って離れていく可能性もある。俺は一回好きになった人とは別れたくないのだ。


「そうやって私を諦めさせようとしてるでしょ~。私は一度決めたことは手に入れるまて諦めないたちなんたよね~。それに今は性格を知ってさらに惚れ直してるし」


諦めさせることはできないらしい。て言うか性格を知ってさらに諦めないってそんなに性格いいと思えないのだが。優しいとよくいわれるがむしろそれくらいしかいいところはないと思う。そんなことを考えてると目的地に着いた。




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