第74話

「ということだ分かったか菅井って聞いてねーし」


「あっ終わった~それじゃ流山にレッツゴー」


俺が一生懸命一人で行動することに対しての利点を説いていたが、菅井はその間携帯をいじってスルーしていた。美海ならちゃんと聞いてくれるぞ。まぁめんどくさいオーラは出すだろうが。


すると菅井は俺の右腕に抱きついてきた。男の夢が形を変えて俺の腕に当たってる。めっちゃ感触がいい。ここがエデンか。菅井はにやにやとこっちを見ているので俺はそれで正気に戻り腕を離そうとしたがガッチリホールドされて離せなかった。


「おい、付きあってないのにこれはますいだろう」


「問題ないよ~だってこれはデートだもん」


問題ありまくりだよ。俺の高校の生徒が目を真ん丸にして見てる。変な噂が流れたらどうするつもりだ。まぁ美海は信じないだろうけど。だって美海は菅井が俺のことを好きなのを知っていて、勝手に菅井がやってると解釈するだろうから。だが噂されて毎回呪詛を吐かれるかもしれないからそれが心配だ。


「本気ではなそうと思えば離せるでしょ。それでも離さないってことはこの感触を楽しんでいるってことだよ~」


くっ図星だからなにもいえない。すると余計に胸を押し付けて菅井はにやにやする。くそー感触たまらん。いい匂いがする。菅井の色仕掛けにまんまとはまってしまった。


「なにも言ってこないということは文句はないってことだね~。じゃー行こ~」


俺は美海に対するなぞの罪悪感を抱きながら胸の感触を楽しんでしまった。男というのは色仕掛けに弱いのだ。そうこれは胸がデカイのが悪い。決して俺が変態だからではない。謎のいいわけをしながら菅井に腕を抱かれながら駅に向かった。


「視線がすごかったね。まぁほとんど嫉妬の視線だったり羨望の視線だったけど」


誰のせいでこんなになったと思っているんだ。あー学校行きたくねー。うちのクラスのやつも何人か見てたし2日後に質問されまくりだろ。

付き合ってないと言っても信じてもらえるかどうか。


駅に着くと、俺達はベンチに座った。ちなみにこの座布団はうちの家庭科部が作ったものだ。流鉄の百周年記念も家庭科部がなにかを作るといわれている。甘いものだといいな。


俺達は電車が来たので乗った。そして声優の声で周辺を紹介し始める。流山駅だと観光地がいっぱいある。例えばキッコーマンがあったところとか。今も流山キッコーマンとして稼働している。後は陣屋跡とかな。


「正弘くんは流山駅の周辺行ったことあるの?」


「ないな、学校で流山散策みたいのはあったんだが入院していて行けなかったからだ。まぁ行く前に少し調べたから観光地は知識としてはあるぞ」


こいう学校の周りを散策するのって面白いから調べちゃうんだよなー。まぁ俺の小説のモデルになってる市だから調べたっていうのもあるが。いくつかのところは実際にネットで調べてモデルにしているが、やっぱ自分の目で見る方がリアルに感じるからいいよな。


「へぇーじゃー案内よろしくね~」


「俺は歴史が好きだから飽きないが、菅井は飽きる可能性もあると先に言っておくぞ」


俺はこういった郷土史みたいのは結構好きだ。

だから松戸とかも結構調べてたりする。松戸だと高城氏が有名だ。小金城を築きこの辺一体に勢力を誇っていた。しかも高城氏は千葉氏の支流といわれている。千葉氏は千葉県の元を気付いたと言っても過言ではない。


「正弘くんボーとしてどうしたの?」


「いやちょっとここの領土をもっていたやつについて考えてだけだ」


「たしか戦国時代は高城氏が支配していたんだよね」


「まさかこんなにマイナーな武将を知っていると思わなかったわ」


「この辺の城跡だと小金城が一番有名だからね~。私結構戦国時代とか好きなんだ~」


意外だ。もっと服とか現代のはやりものにしか興味ないと思っていたわ。人は見かけによらないってことか。戦国時代に興味かあるなら新撰組の跡地とか楽しめるか。すると流山駅に着いた。


俺達は駅をでると菅井が流山駅の写真を撮った。


「なかなか趣があるね~。さすが百年間流鉄として走ってきただけはあるよ。映えそうだね~。友達と流山駅ナウと」


インスタか。俺はやってないが莉奈さんにたまに書評が描いてあるからみた方がいいわよといわれているんだよなー。インスタ始めてみるかね。だけど写真とかアップしてコメントのせるだけだからツウィターよりつまらないんだよな。だけど今の高校生は皆インスタをやっているらしい。美海もやっていると言っていた。投稿しなくていいからみるたけやってみるか。


「俺の写真はアップしてないよな?」


「それはしてないよ~。私のインスタが炎上しちゃうからね~」


炎上ってファンがついてるってことか。もしかしてインフレンサーだったりするのか。


「お、もうコメントが来てるよ~。その友達羨ましい。二人で楽しんで来てーだってさ」


本当にファンがいるんだな。もし仮にも俺がインスタにのったら特定され嫌がらせをされそうだな。ファンがいるってことは自分の写真をアップしてるのか?


「菅井自分の写真をアップしてるのか?」


「してるよ~。しないとファンが増えないしね~。これでも一応モデルをやっているからね~」


初情報だ。スタイルいいと思っていたが、まさかモデルをやっているとは。ファンがついているのも納得だ。なおさら俺がくっつかれてることをばれないようにしないと。あれ?でも既にクラスメイトに見られているよね?もし有名だとしたら拡散されて俺のかおが文春にのるってことじゃん。ヤバい。無理矢理でも離すべきだったか。


「大丈夫だよ~。私雑誌の表紙をか載るほど有名じゃないから」


なんで俺の考えてることが分かるのかね。そんなに分かりやすいか。俺の変態的な考えもお見通しってことか。ポーカフェイスを身に付けるべきか。


「長く話しちゃったね~。そろそろ観光地巡りしようよ」


「ああそうだな。俺の知っているスポットをとりあえず周るか」


すると再び菅井が腕にだきついてきた。俺は恐らく今鼻の下を伸ばしているだろう。だって仕方ないだろ感触がマシュマロのように柔らかいし、胸は俺の大好物だからな。


俺はこの感触楽しみながら流山の一茶双樹記念館に向かった。
















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