第70話

なかなか美味しかったな。ここは暇なときに来るリストにいれておこう。美海と莉奈さんはどっちも満足そうだ。美海とラーメン食べに行く約束をもしたし今日はラーメン屋に来て正解だったな。梨花よ友達とでかけてくれてありがとう。まぁデートだったら空いての男に呪詛を吐いて腹痛を起こさせるが。小説を書いてる関係でそういった簡単な呪術は知っている。まぁ使う機会はないことを祈るが。


「莉奈さん夜なので美海を送ってから駅に向かおうと思っているんですが、いいですか?」


「この時間に女の子一人は心配な気持ちはわからるからいいわよ」


「ありがとうございます。んじゃ行くか美海」


俺達は美海の家に向かった。それにしてもまさか莉奈さんが告白をしてくるとは思わなかった。あんなムードの欠片もないラーメン屋で。美海に取られると焦ったのだろうか。俺と美海の会話で俺が好きなことを見抜いたのだろう。

さすが凄腕編集者といわれてるだけはある。


「正弘くんってやっぱりモテるんだね」


「中学まで友達いないぼっちだったんだがな。まさか二人の女子に好意を抱かれてるとは思わなかった。そんな好かれるようなこともしてないし」


俺はなぜ今になってモテたか謎だ。一目惚れと性格を知って惚れたっていうパターンだが。俺は一目惚れされるほどイケメンじゃないし。性格もそんなに良くないと思うんだが。 


「正弘くんがモテるのも分かるよ。優しいし。命を懸けてまも守ってくれるし」


そりゃまぁ好きな人のためだったら命を投げ出せるのは愛してるなら当然だろ。だって失うのが何よりも辛いのだから。俺は家族である祖父が事故て亡くなったときには自分の無力感を痛感した。それから自分の大切な人は守ろうと誓ったのだ。


「正弘くん長濱さんとだけ話すんではなく私ともな話して欲しいわね」


美海が関わると周りが見えなくなるというか忘れるときもある。それだけ美海しか見てないってことだ。美海以外の女性にはあまり興味はもたない。胸と足以外はだが。


「すみません、忘れてました」


「こんな美人を忘れるなんてひどいわ」


自分で言うか。確かに胸は巨乳と言っても過言じゃない大きさだし。足も細すぎず太すぎず質感がありスベスベそうだがな。なんかめっちゃ変態チックな考えをしてしまった。まぁしかない莉奈さんは男の理想の体型をしているのだから。


「確かに美人ですが、自分で言いますか」


「だって本当のことだもの。美人じゃないという方が嫌みたらしいでしょう?」


確かにイケメンか俺は普通だイケメンじゃないといわれたらムカつくな。イケメンな時点でリア充になれるし。リア充ほどムカつく生物はいない。


「そうですね、イケメンがフツメンと言っていたらムカつきますね」


「自信をもつことは大切よ。それと劇の主役とメインヒロインは誰がやるのかしら?」


「森田っていう主人公みたいなやつとメインヒロインは美海だ」


「主人公ね。さぞかしモテているんじないかしら。長濱さんのメインヒロインはまさにぴったりね。というかヒロインのモデルが長濱さんよね。今日少し話して気づいたけど」


少しの会話で気づくなんて観察力があるのか、それとも俺の作品が分かりやすいのか、前者だろうな。莉奈さんは東京大学をでてるほどの秀才で人間観察も得意だ。美海と頭のよさは同じくらいかそれ以上だ。


「え?私をヒロインにしてたの?なんか親近感はあるなって思ったけど」


「まぁ美海はヒロインにしやすいんだよ」


まぁ俺が好きだから主人公に自己投影してまるで美海に好かれているように感じるためにヒロインにしてるのが理由のひとつだ。もうひとつは二次元のヒロインみたいな雰囲気がでていて、性格も声もヒロインにぴったしだからだ。


「確かに長濱さんは声優になったら売れそうね」


莉奈さんとも意見が同じだな。だって美海は才能の塊だからな。美海ほど声優に適したやつを見たことない。今売れてる声優でもだ。声は癒されるし笑顔は二次元のように感じる。


「莉奈さんと正弘くんに言われると自信になります」


本当のことだしな。美海が早く声優になれることを祈ろう。その前に俺の作品もアニメかをしなくては。なんとしてでも青春代行をたくさん売ってやる。そして知名度を上げる。


そんなことを考えてると美海の家に着いた。相変わらず門の存在感がすごい。お手伝いさんは何人いるんだろうか。この間は一人しか見てないけど。このでかさなら複数にんいてもおかしくはない。


「じゃーね正弘くん、莉奈さん」


「ああまた学校でな」


「さようなら今度は文化祭で会いましょう」


すると美海はほほ遠田あと門を開けて帰っていった。さて俺も意見だしてくれたところを少し変えるかね。それよりも気になることを言っていた。文化祭で会おうって来るのか?


「莉奈さん文化祭に来るんですか?」


俺駅に向かいながら歩く莉奈さんに問いかける。


「どのくらい売れ行きがあるのかと、やっぱり自分の担当してる子の脚本の劇なんて気になるじゃない」


これはてを抜けないな。まぁ別に俺が演劇する訳じゃないけど。気づいたところは意見をだすぐらいのことはするかね。森田は主人公だし問題ないだろう。ここで意外な才能をだすというのはお決まりだし。問題は美海だがあのルックスだから多少演技が下手でも許されるだろう。

まぁ美海をモデルにしてるから大丈夫だろうが。


俺達は最近のドラマの脚本についての意見を言い合っていた。するとあっという間に駅に着き、莉奈さんは都内住みなので、ここで別れる。


「じゃーまた二週間後にね」


会話をしてるときにカフェで作品を見せることにしたのだ。しかも都内で、交通費がもったいないが、まぁいつも来てもらってるんだし、これくらいは主要範囲だ。


俺はまた今度というと階段を降りて、ホームに降りて電車を待った。











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る