第69話

兎に角に着くと、俺は並ぶ。さすが有名店なだけあって結構並ぶ。俺達は最後尾に並び順番が回ってくるのを待つ。俺が好きなアニメについて莉奈さんに話していると肩を叩かれた。俺は後ろを振り向くと笑顔の美海が居た。


「正弘くん奇遇だね!」


「ラーメン屋で二回連続で会うなんて運命だな」


すると莉奈さんが俺の袖をちょいちょいと引っ張られた。あ、莉奈さんは始め会うのか。美海は莉奈さんを見ると、動揺していた。なぜ動揺したのだろう。もしかして俺を好きなったのか。それ告白して振られるか。振られちゃうのかよ。


「こちらは俺の担当編集者の莉奈さんだ」 


するとあからさまに美海は安堵していた。俺が誰かと付き合っているように見えるのか。菅井の時もそうだったが。そんなに俺ってモテるように見えるか?それだけ美海の好感度が上がっているってことだな。


ペコッと莉奈さんは頭を下げて、名刺を渡す。



「私はこいうものです」


「ありがとうございます。正弘くんの担当編集者さんって女の人なんだね」


なんか言い方に少しとげを感じるが気のせいだろう。だって俺の好意は森田ほどまだ届いてないしな。それにしても良く会うよな美海に。ラーメン屋っていうのがあれだが。


「美海がラーメン屋にいるって珍しいな。門限も過ぎているし」


「門限は親に言って許可もらったんだよ。ラーメン屋に来たのは最近ラーメンにはまっていてねー」


俺の影響だろうな。美海がラーメンにはまるとは嬉しいな。でも一人だと危なくないか。男が多くてナンパするやつもなかにはいるからな。しかも居酒屋の閉めにラーメン屋に来るから酔っぱらってくることもあるからたちが悪い。


「今度行くときは誘ってくれ。ラーメン屋に女の子一人だと心配だから」


「うん、分かったよ。週一で行ってるけど大丈夫?」


「大丈夫だ。俺もその頻度で行くしな」 


「順番回ってきたわよ」


「んじゃ入りますか」


俺達はラーメン屋に入った。ラーメン屋は人気店特有の狭さがあったが三人分の分は空いていた問題なく座れた。俺はメニュー表を見る。ふむ辛口油そばか。これにしようちょうど辛いのを食べたい気分だし。 


「メニュー決まったか?」


「うん、私は油そばにするよ」


「私もそれが一番人気メニューらしいしそれにするわ」


みんなラーメンが決まったので、店員さんを呼ぶ。


「なにになさいますか?」


「坦々ませそばで」


「油そば二つお願いします」


店員はかしこまりましたと言うと、頼んだものを厨房に伝えた。ちなみに俺は座ってる席は真ん中で美海と莉奈さんが俺を挟んでなぜか睨みあっている。するとフッと勝ち誇った顔になり莉奈さんが喋りだした。


「私は手料理を振る舞ったことがあるのよ。その時料理を美味しいと誉めてくれたわ。これは燃え胃袋をつかんだと言っても過言じゃないわ」


確かに美味しいと言ったが胃袋をつかんだは言いすぎじゃねーか。いや美味しかったけども。というか何を莉奈さんは競っているんだよ。俺が美味しいと言ってもなにもプラスにならないだろう。俺の舌は安舌だし。


「私はデートをしましたよ。それで正弘くんの好きなものも私は好きになって好きな話をできますよ」


バチバチと無言で睨み会う。仲良くして周りのお客さんと惑っているから。あと嫉妬の視線も感じる。まぁ俺について言い合っていたら嫉妬もするわな。


「私は正弘くんが好きよ。長濱さんはどうなのかしら?」


おいなに告白をしてるんだよ。本人ここにいるんだろ。目の前で言われても照れちゃう。ハーレムかとか言って呪詛唱えてる人やめて、その呪詛本物だから。なんかお腹痛くなってきた。呪詛が効いたか。


「私は悟史くんが好きなので、誰が正弘くんと付き合おうが気にしませんよ」


すると莉奈さんは目を細める。なにか気づいたのか。というかやっぱまだ森田の好意は越えてないのか。分かっていたが直接言われるとやはりくるものがあるな。


「ふーんまぁいいわ。正弘くんは長濱さんのことどう思っているのかしら?」


そこで聞いちゃうか?本人目の前にしていて直面で好きですなんて言えないだろう。どう言うか、変に好きじゃないと言って嘘をつくのは俺の良心が痛むし。友達として好きって言えばいいか、好きなことには変わりないし。


「友達として好きですよ」


「そいうことなのね。、、、、まぁ本人はまだ気づいてないみたいだし間に合うわね」


最後の声は小声で何を言ったか聞こえなかったが、まぁ悪口ではないだろう。好きと言ってくれたしな。さて美海はどういう反応をするのだろうか。


「私も好きだよ」


友達としてと()に入っていても好きと言われるのは嬉しいものだな。いつか異性に対するな好きという意味て言ってもらえるように頑張るか。そんなことを考えてると油そばと坦々油そばがきた。


「正弘くん私これから積極的にアプローチするから覚悟しておきなさい」


そいうといただきますと言って食べ始めた。なんか最近モテ期がきてるような気がする。肝心の美海さんには好かれてないが。今まで好きといわれたことなかったからな。まぁ今は坦々まぜそばを楽しむか。



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