第68話

「ふぅーん罰ゲーム始まる恋はこういう感じにするのね」


今は莉奈さんが罰ゲームから始まる恋を読んでいる。まだ途中だが、この作品は新人賞を取った作品だ。だからそれなりに自信はあるんだがいかせん知名度が無さすぎて売れないのだ。


「マナとの距離感が近づいてライバルになっているのね。いいんじゃかしら。もう少し瑠璃との話を出して欲しいわね」


「分かりました。後で修正しておきます」


優雅に莉奈さんはコップを取りお茶を飲む。相変わらずいいところのお嬢さんな感じがでているな。まぁこの出版社の社長の娘だから当然だが。


「正弘くん彼女はできたかしら?」


ちょっと不安そうに莉奈さんは聞いてくる。彼女ができて、小説を書かなくなるのを心配してるのだろうか?そんなことはないのにな。美海とアニメ化すると約束したし。何より学費を稼がなきゃいけないからな。うちは別に貧乏ではないんだが、大学行くなら奨学金を借りて行けと言われているので借金をしたくない俺は学費を稼ごうと、小説を書き始めたのだ。


「俺にできると思いますか?」


「てことはいないのね。、、、、良かったまだチャンスはあるのね」


最後のほうは何を言ったか聞こえなかったが、莉奈さんのことだし特に問題はないだろう。悪口なんか言わないしな。にしても彼女ねー。美海さんとなりたいが、どのくらいで落とせるだろう。できれば高校生の内に付き合いたい。制服でディズニーでデートとか楽しそうだし。


「あのー作品の売れ行きはどうですか?」


「変わらずあまり売れてないわね。まぁうちの出版社自体が小さいからね。まず本屋に置いて貰えないのよ。でも正弘くんにはうちの会社の人は期待してるわよ。なんてたって最年少で新人賞を取ったのだから」


確かに俺は最年少で受賞したが、すごいとは思っていない。恐らく電撃文庫だったら最終選考まで行くか微妙だからだ。小さい出版社だから新人賞を取れたと思っている。


「まぁ期待に沿えるように頑張りますよ」


「私もちゃんと支えさせてもらうわ。それと今日は梨花ちゃんはいないのね」


「はいなので、今日は夕食は家でお願いします」


いつも梨花がいると、夕食は莉奈さんと一緒に食べているが、今日はいない。俺も作れなくはないが、レパートリーが少ないし、気分で作ってるため今日は作らない。


「それなら私とラーメン屋に行かないかしら?」


外に行くのは今は暑くないので面倒ではない。たまには外で食べるのもいいか。というか莉奈さんってラーメン食べるんだな。意外だったわ。


「いいですよ。どこか美味しい場所知ってますか?」


「松戸にある兎に角が美味しいわね」


兎に角か、あそこはチェックしていたが行ってなかったんだよな。松戸の冨田と並ぶ有名店だ。たしか油そばが美味しいところだよな。そこに行くか。気になってたし。


「そこにしましょう」


俺は一旦部屋に戻り外出用の服に着替えて、財布を持って、部屋を出た。ラーメンは毎日食べても飽きない。俺の半分はラーメンでできてると言っても過言じゃない。


「さて行きますか。自転車で駅まで行くのて後ろ乗ってください」


「2人乗りなんて高校生以来だわ。あの頃は青春をしたものね」


きっと莉奈さんのことだたくさんの彼氏とリア充ライフを送っていたのだろう。別に苛立ちはしない。知っている人が青春を謳歌してようが俺はなにも思わない。知らないやつたと爆発しろと思うが。


俺達は家を出て鍵を閉めて自転車に乗る。莉奈さんは俺の腰を手を回す。仏は横のりで乗るようなものなんじゃないの?男の希望のか溜まりがめっちゃ背中にダイレクトに当たっているんだけど。めちゃくちゃ柔らかい。推定Fカップはあるな。しかもいい匂いまで漂ってくる。いかんいかん俺には美海がいるんだ。こんなことでいちいち惑わされてはならん。


俺は雑念を頭を振って消して、ペダルをこいだ。とりあえず駅までなんとか理性を総動員して気にしないでいこう。だがこぐたびに胸が形を変えて俺に柔らかさを伝えてくる。俺は今鼻の下を伸ばしているだろう。


「フフ正弘くん私の胸はどうかしら?」


「柔らかく弾力があって至極の喜びでございます」


ついつい本音がでてしまった。でも当ててる方が悪い。紺なんて喜ばない男なんて存在しないだろう。しかも美女というおまけ付きだ。美海には見せられない光景だ。


しばらくこいでいると、駅に着いた。俺は名残惜しく感じながらも莉奈さんに降りてもらい駐輪場に自転車を止めた。帰りもあの感触を味わえるのだろうか。理性がもってくれればいいんだがな。いやでも帰りはもう夜だし電車で帰るっていうのもあるか。


俺達は改札に入ると、適当な雑談をして電車に入った。莉奈さんといるとすぐに時間が経つ。付き合いは短いが心を許している証拠だろう。莉奈さんも許してくれてるといいが。


「正弘くんって大学どこ行くか決めてるの?」


「一応東大を志望してます」


「東大!数学ヤバイって言ってなかったけ?」


「まぁヤバイですね。そこはフランス語でカバーしますよ。二級レベルならかなり点数取れるので」


と江代のフランス語試験は英語よりイージだ。リスニンクもないし。リスニングがなければフランス語はたいして難しくない。フランス語は動詞は変化するが大体の単語はルールがあるしな。


俺達は松戸駅に着いたので、俺達は降りて兎に角に向かった。


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